日本三景・松島の海水を使用した、 宮城県東松島のミニトマトハウス 再建への道のり

松島湾が生み出す宝石のような〈イグナルファーム〉のミニトマト

宮城県東松島市を拠点に、
いちご、キュウリ、ミニトマトの生産を行う〈イグナルファーム〉。
この事業は東日本大震災後の2011年12月、若手被災農業者4人で立ちあげられました。
家も家族も農地も全てを失い、悲しみに包まれる日々の中で
「もうこれ以下はない。農業だけは取り戻してやる。それならやってみっぺ」
と心に決め、これまで農業を通して地域を、未来を"良くする"ことを目標に
突き進んできた若手農家たちです。

〈イグナルファーム〉のミニトマト

イグナルファームのミニトマトは、肥料に松島湾より採水した海水を使用しています。
日本三景のひとつである松島湾の海水は、宮城県が誇る蔵王山脈よりミネラル豊富な
雪解け水が長い年月を掛け、北上川・吉田川・鳴瀬川より約200キロメートルの距離を
通過しながら松島湾内へと流れ込み、そのミネラル豊富な水が牡蠣・海苔の
養殖業米つくりを担ってきました。
つまり、はるか昔より宮城県の食を支えて来たミネラル豊富な水が
松島湾内に流れ込んで出来た海水なのです。

〈イグナルファーム〉のミニトマトは定期的に糖度を計る調査を行うなど、徹底した品質調査を行い、樹で完熟させてから収穫されます。

この松島湾の海水を使うことによって、糖度の高いミニトマトが出来上がります。
〈イグナルファーム〉のミニトマトは定期的に糖度を計る調査を行うなど、
徹底した品質調査を行い、樹で完熟させてから収穫されます。

東日本大震災後に設立も、二度の自然災害でトマトハウスが壊滅状態に

台風19号の影響で近くにある吉田川が氾濫し、濁流がミニトマトハウスに押し寄せてきたのです。

ところがミニトマトの生産を主とする〈イグナルファーム大郷〉を設立し、
生産を開始してから2年が経過した令和元年、台風19号の影響で近くにある
吉田川が氾濫し、濁流がミニトマトハウスに押し寄せてきたのです。
その後、行政の力も借りながら、令和2年の3月にミニトマトハウスを
復旧させることに成功しました。

令和4年に発生した大雨洪水被害

しかしその喜びも束の間、令和4年に発生した大雨洪水被害でミニトマトの苗木3万本が
全滅し、ビニールハウスが再び壊滅状態に陥ってしまいます。
その後イグナルファームではミニトマトの出荷がいまだに叶っていません。

山梨県発。若手就農希望者を支援する 〈Bonchi〉の取り組み

山梨県南アルプス市出身の25歳男性が、若者の就農を支援

山梨県南アルプス市に本社を置く〈株式会社Bonchi〉。
果物専門の産直ECとして
山梨自然塾をはじめとする多くの契約農家が自然農法などに取り組み、
収穫全体の約15%しか採れない、希少な大玉桃や大粒シャインマスカットなど
確かな技術で品質の高い果実を生産しています。

収穫全体の約15%しか採れない、希少な大玉桃

Bonchiが会社のミッションとして掲げているのが
農業を次世代へ継承し、農業の未来を創造すること。
若者の就農を支援する「Farm the FARMER.project」を行い
若手農家育成もできる新しいエコシステムを創出し、
日本の最高峰の果物で世界を魅了することを目指しています。

大粒シャインマスカット

代表取締役社長の樋泉侑弥(ヒイズミユウヤ)さんは、
山梨県南アルプス市出身の25歳男性です。
現在社員は5名ですが、20代前半のメンバーで構成されており、
高齢化が進む農業を若い力で変えようとしています。

現在の農家平均年齢は67才まで上昇。
農家超高齢化時代に突入しているなかで
樋泉さんは若手農家を育成する仕組みづくりに奮闘しています。

日本一お節介な食の施設を目指す 岡山県〈真庭あぐりガーデン〉

岡山県初の「おかやまSDGsアワード2020」を受賞した十字屋

「日本一お節介な食の施設」として地域の観光拠点となることを目指している
複合施設があります。
それが2023年4月29日(土)にリニューアルオープンした岡山県真庭市の
〈真庭あぐりガーデン〉です。
今回のリニューアルではカフェ・レストランやショップに農産品加工・
商品開発施設を新たに加えエリアを拡張しました。
食を通じて人と自然、地域をつなぎ持続可能な地域づくりを目指しています。

岡山県最北部に位置する真庭市

岡山県最北部に位置する真庭市は、2020年の時点で、
65歳以上の高齢者の割合が39.9%を超えました。
これは全国平均(28.7%)を大きく上回る数字です。
また、真庭市は中山間地で狭小農地が多いため、大規模化・効率化を進める産地に比べ
条件が不利な上、農家の高齢化による農業の維持が大きな課題となっています。

真庭あぐりガーデンを運営する十字屋は大正時代に真庭で米屋として創業しました。
この地で困った人の力になりたいという「お節介」な想いを理念とし、
汚物処理や汚水処理といった真庭の環境を支えるインフラ事業をおこなっています。

十字屋は、地域の資源を活かした持続可能な社会の実現のため「食」を通じて
地域と人と自然をつなぐ啓発拠点として、
2015年4月に真庭あぐりガーデンを開業しました。

「食」を通じて地域と人と自然をつなぐ啓発拠点として、2015年4月に 真庭あぐりガーデン を開業

十字屋は、生ごみの再生事業や農業支援・高齢者支援、
担い手育成などにも乗り出しました。
そして生産から加工、販売、消費、再生という地域循環をつくり、真庭が抱える
さまざまな課題を地域で解決していこうという取り組みをおこなっています。
循環型社会への取り組みが評価され、2019年には
農林水産業みらい基金に採択された十字屋。
さらに2020年には県下で初めての「おかやまSDGsアワード2020」を受賞。
そして真庭あぐりガーデンに新たに農産品加工・商品開発施設が併設されることが
決定し、2023年4月29日これらの施設を含む新しいエリアを拡張した
真庭あぐりガーデンとしてリニューアルオープンすることになりました。

「お節介おばんざい」「お節介カウンター」を新設

創業時の米屋の屋号を使ったカフェ&レストラン〈十字屋商店〉が拡大オープン

今回の真庭あぐりガーデンのリニューアルでは創業時の米屋の屋号を使った
カフェ&レストラン〈十字屋商店〉が拡大オープンしました。
真庭のバイオ液肥で育てた米「循米(めぐりまい)」をかまどで炊き上げた
ごはんを中心に、本格和食や洋食が楽しめます。

地元の食材をできるだけ添加物を使わずに調理

また、十字屋商店では注文を受けてからにぎる出来立てほやほやの「おむすび」、
地元に愛される餡子屋〈もりあん〉と一緒に丹精込めてつくった「おはぎ」、
「循米」を水車でついてできた米ぬかと
真庭郡新庄村のもち米を使ってつくるスイーツなど、
地元の食材をできるだけ添加物を使わずに調理しています。

「お節介おばんざい」

注目は規格外や過剰に出来てしまった旬の野菜を中心に、地域のおばあちゃんたちが
白砂糖を使わずやさしく自然な味わいが楽しめる懐かしい味つけで調理した
「お節介おばんざい」です。
おはぎのほか、常時6種類から3種類を選ぶことができます。
おばんざいコーナーのおばあちゃんが注文を受けるだけではなく、
その方の好き嫌いを聞き、今日のおすすめなどを話し始めます。
お節介にも調理方法まで伝えてくるかもしれません。

また、地元の生産者から集めた旬の野菜や加工品をはじめ、
量り売りの調味料の販売をする
マーケット〈旬の蔵 dezi-na(デジーナ)〉なども一層充実してオープンしました。

施設内には地域の人が気軽に相談できる「お節介カウンター」が設けられ、
今後はデジタル技術も活用しながら問題を解決していくそうです。

生産者の想いをつなぐ想いをもった従業員たち

さらに生産者の想いをつなぐ想いをもった従業員たちも、
食材や料理の説明だけではなくお節介にも生産者のことを語りだすことがあります。

こういったお節介な取り組みは、十字屋が環境衛生事業で地元集落を一軒一軒回る中、
住民が抱える生活の困りごとを聞いていたことが原点にあります。
内容は、お庭の草刈りから日用品の買い出しと多岐に渡りました。
十字屋では15年以上前から、「お節介」になんでも解決したいと「なんでもし隊」
を発足し活動をしています。
「なんでもし隊」が地域を巡回することで、地域住民の孤立を防ぎ、
見守りの役割を持つようになりました。

〈わざわざ〉 平田はる香さん
「知る人ぞ知るお店」はもう辞めたい。
年商3億円から30億円を目指す

パンは2種類、交通は不便、だけど大人気の店

長野県の東部、佐久市と東御市(とうみし)、小諸市にまたがる
「御牧原(みまきはら)」という場所がある。
古くは平安時代、朝廷に献上する馬を育てる産地として知られたエリアだ。
現在は田畑や果樹園が広がり、八ヶ岳や浅間連山など四方を囲む山々を遠く一望できる。
特に晴れた日は圧巻の景観だ。

その御牧原に、2009年にオープンしたお店がある。
パンと日用品の店〈わざわざ〉だ。
「不便な場所までわざわざ来てくださった」ことへの感謝が、
そのまま店名になっているという。

代表を務めるのは平田はる香さん。都内でDJを志すも挫折して長野に転居。
趣味で始めたパンづくりが徐々に発展し、移動販売、自宅の玄関先での販売、
そして店舗とたったひとりで立ち上げて、
いまでは売り上げ3億円超の企業にまで成長させた人物だ。

御牧原の1号店、パンと日用品の店〈わざわざ〉。入り組んだ店内に厳選された商品が所狭しと並ぶ。(写真提供:わざわざ)

御牧原の1号店、パンと日用品の店〈わざわざ〉。入り組んだ店内に厳選された商品が所狭しと並ぶ。(写真提供:わざわざ)

店内には全国から仕入れた調味料や石鹸、服、器など生活必需品が中心に並んでいる。
無添加・有機など、体や地球環境に配慮したものがほとんどだが、
その方面の知識や興味がある人でも見たことがないような
「マニアック」なものも少なくない。その数2500種類。
こだわりのネットショップでもここまでの品数と品ぞろえは珍しいだろう。

ほかにも特徴はある。
パンを売ることから始まった店なのに、現在扱っているパンは2種類のみ。
さらに公共交通機関がなくアクセスが不便だという、商用地としては明らかに不利な立地。
にもかかわらず、遠方からの顧客もひっきりなしに店を訪れる。
2017年に株式会社化、2020年度には従業員約20名でECを含め年商3億円を突破。
また2019年から2023年にかけて
〈問 tou〉〈わざマート〉〈よき生活研究所〉と店舗を出店。
話題と注目度は際立っている。

2号店〈問 tou〉。ギャラリー、喫茶、書店を併設。店名は「モノを買うとはどういうことか?」という問いが由来。(写真提供:わざわざ)

2号店〈問 tou〉。ギャラリー、喫茶、書店を併設。店名は「モノを買うとはどういうことか?」という問いが由来。(写真提供:わざわざ)

ストローベイルハウスを
セルフビルドして始める。
弟子屈町の“ドイツ村”計画とは?

藁と土が主役の家を、セルフビルドで

彼の名前はパスカル。ベルリン出身の36歳。
2年前から弟子屈町に、ストローベイルハウスを建設中。
ストローベイルハウスとは、藁と土を使ってつくる家。
パスカル曰く「生き物」である。

ササのジャングルのようだった荒れ地を
草刈りして、整地して、排水を整えて。
カラマツ材で外枠を組み、屋根や窓枠もつくり……、
果てしない作業をひとりでこなしてきた。

そしてまもなく1棟目が完成する。

パスカルの故郷でよく目にする、白い壁と木材が調和した家は、小さなバルコニーが特徴。

パスカルの故郷でよく目にする、白い壁と木材が調和した家は、小さなバルコニーが特徴。

「いま建てているのは、〈メルヘン〉という名のゲストハウス。
南ドイツでよく見かける、窓枠に小さな花台がある家をイメージしているんだ」

約60平方メートルの家。
家の壁は、まず棚をつくり、そこに藁のブロックを積み上げて、表面に土を塗る。

「土は、敷地内の粘土を使っている。
周りの地面をショベルカーで1メートルくらい掘ると、粘土層が出てきたんだ。
これがストローベイルには最適な土で、気づいたときは、とてもうれしかったね」

粘土の上に麻を載せ、さらにファイバーネットを重ねる。
パスカルは、土の壁に入った小さなひびを指差して、
「こうした隙間に麻やネットの繊維が入り込んで、
壁の強度がより高まるんだ」と教えてくれる。
さらにその上から漆喰を塗って、やっと壁が完成する。

「藁と土を使うことで、
いつもフレッシュな空気が壁を通して入ってくる。
ストローベイルハウスは、“呼吸する家”なんだ」

常に室内温度は15〜20度に保たれ、
夏は涼しく、冬は暖かい。一年中過ごしやすいそう。

「コンクリートで固めた家よりも、
ずっと健康的に暮らすことができると思っているよ」

小中高生による オリジナル雑煮コンテスト 「第1回Z-1グランプリ」開催 全国から集まったレシピは1077

斬新なアイデアと地元食材を組み合わせたオリジナル雑煮

お正月のお雑煮といえば、地方ごとに特色を持ち、郷土料理のなかでも特別なもの。
そのお雑煮を小中高生が自由な発想でレシピを考案した
オリジナル雑煮コンテスト「第1回Z-1グランプリ」が開催されています。
2023年6月24日(土)に富山県で行われるグランプリ大会(最終審査)に向けて、
三次審査が行われました。

和食は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
その際、重要な特徴のひとつとされたのが
お正月などの年中行事との密接なかかわりです。
お正月に食べるお雑煮は、郷土色が豊か。食材や調理法が地域ごとに異なります。

雑煮と主催者の全国調理師養成施設協会の頭文字からとって『Z-1グランプリ』とのこと。

雑煮と主催者の全国調理師養成施設協会の頭文字からとって「Z-1グランプリ」とのこと。

「Z-1グランプリ」は、雑煮の食文化継承を目的に開かれたコンテストです。
参加対象は全国の小・中学生、高校生。全国から1077もの応募がありました。

テーマには「いつでも食べたい、地元食材で私のオリジナル雑煮!」が掲げられました。
応募するレシピの条件は、餅米から加工された餅を入れること、
応募者の地元食材を使うこと、1杯の材料費が500円以内であること、
SDGsを意識すること。

一次審査と二次審査を通過した5作品が
4月26日に行われた三次審査の実食審査に臨みました。

富山県在住の高校2年生が2人で考案した「富山の宝箱」。鮮やかな具が沢山。

富山県在住の高校2年生が2人で考案した「富山の宝箱」。鮮やかな具がたくさん。

富山県在住の高校2年生2人組が考えた「富山の宝箱」。
富山湾のルビーと言われる甘エビ、とろろ昆布、
特徴あるかまぼこなど富山の海の幸や山の幸がいろいろ入って具沢山。
ユズの香りが印象的です。

「春を告げるあおさのお雑煮」を考えたのはなんと三重県伊勢市在住の中学2年生。

「春を告げるあおさのお雑煮」を考えたのはなんと三重県伊勢市在住の中学2年生。

「春を告げるあおさのお雑煮」と名付けた作品は、
三重県伊勢市在住の中学2年生が考案。
三重県が生産量全国1位のあおさを餅に練り込んだ、香り豊かなお雑煮です。
春が旬とされる鰆(さわら)が焼いて添えられています。

岐阜県在住の高校2年生の作品「鶏(けい)ちゃん雑煮」。おだしが少なめなのも特徴。

岐阜県在住の高校2年生の作品「鶏(けい)ちゃん雑煮」。おだしが少なめなのも特徴。

岐阜県下呂市や郡上市の郷土料理「鶏(けい)ちゃん」から
「鶏ちゃん雑煮」を考案したのは岐阜県の高校2年生。
鶏肉のほか野菜もたっぷり入っていて、餅を油揚げに入れた餅巾着になっているのも特徴。
野菜の端材で出汁を取ってSDGsを意識しています。

三重県いなべ市在住の高校2年生が考案した「はまぐりと菜の花のだしバター雑煮」。

三重県いなべ市在住の高校2年生が考案した「はまぐりと菜の花のだしバター雑煮」。

「はまぐりと菜の花のだしバター雑煮」は三重県いなべ市の高校2年生の作品。
三重県桑名市の名産品、はまぐりと菜の花を使い、
桑名市の老舗日本料理店〈歌行燈〉のだしの素を使用して桑名にこだわっています。
ベーコンとバターが入った意外性も魅力です。

石川県能美市の高校3年生が考案した「加賀丸いもと餅もっち」。

石川県能美市の高校3年生が考案した「加賀丸いもと餅もっち」。

石川県能美市の高校3年生が考案した「加賀丸いもと餅もっち」は色鮮やか。
能美市の特産で栄養価の高い加賀丸いも、石川県特別栽培農産物のユズ、
金沢の茹でかまぼこ、ふかしが紅白で入っています。

兵庫県丹波市にある 廃校利活用施設 〈FOREST DOOR -旧神楽小学校-〉

2017年に廃校になった小学校を、地域材の魅力を伝える体験型施設へ改装

市の面積の75%を森林が占める兵庫県丹波市の山林は、
現在思うように間伐が進んでおらず、この状態が長く続けば、
近い将来に自然災害を引き起こす危険性があります。

また長年地元に愛されてきた学校は地域のシンボル的な存在であるため、
廃校になった後も地域コミュニティの大切な場として維持管理していくことが重要です。
森林資源の利用促進につながる情報発信拠点として旧校舎を新たに再建し、
全国的に課題となっている「廃校」と「森林資源」の利活用を掛け合わせることで、
「里山の自然」と「地域経済」両面の好循環につながります。

〈FOREST DOOR -旧神楽小学校-〉

「廃校」と「森林資源」の利活用の好例が、2017年に廃校になった
兵庫県丹波市の旧神楽小学校を改装し、地域材の魅力を伝える体験型施設として
2019年5月より運営されている〈FOREST DOOR -旧神楽小学校-〉です。

2022年10月、森林資源の更なる利用促進を目指して「森の情報発信基地」
をコンセプトとして施設がリニューアルされました。
丹波地域において、地域資源を新たな工夫で活用し、観光・交流を促進する事業を
表彰する「令和4年度 丹波すぐれもの大賞」も受賞しています。

2023年4月、一棟貸しプライベートコテージの営業がスタート

2023年4月には、一棟貸しプライベートコテージの営業もスタート。

2023年4月には、一棟貸しプライベートコテージの営業もスタート。
地域材をふんだんに使った、1日1組限定(定員14名)の宿泊施設です。
薪ボイラーと薪ストーブを設け、屋外デッキには掘りごたつ式焚き火コーナーや、
専用のプライベートサウナも設置されています。

専用のプライベートサウナも設置

サウナのエネルギー源などには、未利用材を活用した薪を導入することで、
森林整備の活性化にも貢献しています。

石巻の「すギョいバイト」が すごかった。 35人の高校生が1日バイトで 水産業を体験

高校生のバイト先に水産業はいかが?

水産業の仕事とその魅力を高校生に体験してもらうため、
1日だけ漁業や水産加工のアルバイトをする企画が
宮城県石巻で3月25日から31日に実施されました。
その名も「すギョいバイト」。そのすギョさとは?

水産業を「かっこよくて」「稼げて」「革新的な」産業にする〈フィッシャーマン・ジャパン〉のみなさん。

水産業を「かっこよくて」「稼げて」「革新的な」産業にする〈フィッシャーマン・ジャパン〉のみなさん。

企画運営したのは、〈フィッシャーマン・ジャパン〉。
2014年に石巻で設立されて以来、
「かっこよくて」「稼げて」「革新的な」新3Kの産業を創ると活動理念を掲げて
活動を続ける一般社団法人です。

活動の中心である未来のフィッシャーマンを育てる「TRITONプロジェクト」では、
過去7年間で40人の漁師が誕生。成果を上げてきました。

そのプロジェクトの一環として3月に行われた「すギョいバイト」では、
もちろんアルバイト代が支払われ、時給1000円と石巻の高校生にとっては破格。
しかも、送迎あり、友人との参加OK、さらには豪華特典付き! となかなか魅力的です。

2021年度の施策として各高校に掲示したポスター。

2021年度の施策として各高校に掲示したポスター。

高校生に水産業を体験してもらう企画が立ち上がった背景には、
水産業の深刻な担い手不足と高齢化があります。
水産業が基幹産業の石巻でも、若い世代は水産業にどんな仕事があるのか、
具体的な内容を知る機会がほとんどありません。
加えて、水産業に限らずコロナ禍によって高校生のインターンや職業体験の場が激減。
高校生たちにとって、将来の仕事を考える材料が十分ではなかったのです。

そこでフィッシャーマン・ジャパンが考えたのが、
地元の高校生に水産業の魅力を伝えて、職業の候補にしてもらおうということでした。

当初は高校生に水産業を理解してもらうためのイベントをまちなかで
開催することを考えていました。
しかしイベントを開いたら、高校生は自主的に来てくれるのかという疑問が浮上。

実は、フィッシャーマン・ジャパンが高校生にアプローチしたのは今年が2度目のこと。
2021年度は各高校に水産業の魅力を伝えるポスターの掲示をお願いし、
LINEでの就業相談を実施しました。
その経験から、なにひとつ体験したことがない状況で
いきなり水産業に就くことを考えるのはハードルが高いのではないか、
という考えに至りました。

「まずは水産の仕事を体験してもらうことが必要だ」

そう考えたフィッシャーマン・ジャパンのメンバーは、
石巻駅周辺で高校生に協力を求め、徹底ヒアリング。
企画に意見をもらって取り入れたり、パンフレットやポスターの絵も
高校生に描いてもらったりと一緒にプロジェクトをつくっていきました。

「高校生たちは部活や塾、アルバイトと忙しくて時間がありません。
アルバイト先について聞いてみると、コンビニやチェーンの飲食店という答えが
多くありました。せっかく石巻には水産業という地場産業があるのに、
その仕事を高校生にとって身近な形のアルバイトとして体験する場がないのは
もったいないですよね」とフィッシャーマン・ジャパンの香川幹さん。

日頃から交流のある漁師や水産加工会社に声をかけると、
9つの事業者がバイトを受け入れてくれることに。
経験の少ない高校生でもできて、受け入れ側もやってもらって助かる仕事を吟味。

カキ養殖に使うロープ切りや、種ガキをロープに挟み込むと言ったものから
YouTubeの出演や、食品工場で欠かせない菌検査などさまざまな仕事です。

豪華特典は、作業の合間や終了後に、船に乗って漁場を見学したり、
取り扱う水産物の試食をしたり、水産物のお土産をもらったりと、豪華さは本物。
たった1日の体験でも、バイトで行う作業の重要性が
感じられるようにプログラムが組まれました。

石巻付近の高校に配布したパンフレットと特製ファイル。イラストも高校生に依頼。

石巻付近の高校に配布したパンフレットと特製ファイル。イラストも高校生に依頼。

募集には、石巻市近隣のほとんどの高校にパンフレットと特製クリアファイルを配布したほか
電車の車内広告も活用しました。
各高校の先生や保護者から理解や協力もあり、応募数は予想を上回って
急遽、枠を増やす事態に発展。
9つのバイトに男子12人、女子23人、合計35人がバイトに参加することになりました。

『アカエゾマツの森ガイドマップ』
で知る、
五感を働かせて森を楽しむ10の方法

弟子屈町に移住した理由

森の楽しみ方を教えてくれたのは、
東京農業大学 地域環境科学部 森林総合科学科 造林学研究室の上原巌先生だ。

私は5年前に、大好きな北海道で暮らしてみたいと、東京から移住した。
最初は帯広へ、2年前に道東の弟子屈町へ。

引っ越してきた当初はよく、いまでもときどき
「どうしてここを選んだの?」と聞かれる。
北海道の179もある市町村のなかから、なぜ弟子屈町を選んだのかと。

その理由は、実は自分でもはっきりとはわからなかった。
国立公園の中なので、目障りな人工物が少ないから?
そんな風に漠然と感じていた。

阿寒摩周国立公園の中にある「アカエゾマツの森」は、樹齢約200年の天然林。

阿寒摩周国立公園の中にある「アカエゾマツの森」は、樹齢約200年の天然林。

上原先生と、初めて森を歩いたときのことだった。
2時間ほどの散策を終えて、少し離れて森を眺めたとき先生は
「自然の相似形ですね」と言った。

森の輪郭は、美しい弧を描いていた。
何本もの木々がそれぞれに
少しでも太陽の光を浴びようと枝葉を伸ばした結果、
左右対称のきれいな半円ができていた。

それは庭師によって手入れされた公園の木々とは異なる、自然がつくり出した造形。
私はそこに心地よさを感じて、弟子屈町に惹かれたのではないだろうか。

3月末に完成した『アカエゾマツの森ガイドマップ』は、川湯ビジターセンターで配布している。

3月末に完成した『アカエゾマツの森ガイドマップ』は、川湯ビジターセンターで配布している。

上原先生は、森や木に対してさまざまな手段でアプローチする。
木の名前と特徴を知るだけではない、新しい楽しみ方の数々。

川湯ビジターセンターとアカエゾマツの森を訪ねる人に向けても
それらを紹介できるように、『アカエゾマツの森ガイドマップ』を作成した。

A3サイズを小さく畳んだ、手のひらに収まる地図。
表には、以下の「五感を働かせて森を楽しむ10の方法」が。

A.森全体の香りを味わう
B.樹木の並び方を観察する
C.樹皮に触れる
D.葉に触れて匂いを嗅ぐ
E.森のライフサイクルを知る
F.足の裏で森を感じる
G.樹冠を眺めてわかること
H.風がつくる光の効果
I.森の音を聞く
J.心地いい「空間」を探す

裏には、約0.8キロのゴゼンタチバナコースと約2.2キロのアカゲラコースを、
ここで観察できる動植物の写真と一緒に載せている。

裏面は、森のコース紹介。「五感を働かせて楽しむ方法」を実践できる場所を、A〜Iの記号で記している。

裏面は、森のコース紹介。「五感を働かせて楽しむ方法」を実践できる場所を、A〜Iの記号で記している。

川崎市武蔵小杉に 〈KOSUGI iHUG〉オープン。 「農・食・健康」がテーマの複合施設は リサイクル循環にも注力

芝生の広場を囲むようにできた地域を盛り上げる複合施設

2023年3月25日(金)、武蔵小杉駅から徒歩8分ほどのところに、
川崎市と民間企業が共同で運営する新しい複合施設がオープンしました。
その名も〈KOSUGI iHUG(コスギ アイハグ)〉。「農・食・健康」がテーマです。

川崎市と民間企業が共同で運営する新しい複合施設がオープン

〈KOSUGI iHUG(コスギ アイハグ)〉は、「農・食・健康」がテーマです。

敷地内は芝生の広場を中心に、
1階にアウトドアダイニングと2階に交流スペースをもつ建物、
シェアリング農業として誰もが参加できる野菜栽培を行う〈トレファーム〉、
さらにクリニックや調剤薬局が入居するウェルネスリビングがあります。

トレファームでは地域の人たちが植え付けや収穫に参加します。

トレファームでは地域の人たちが植え付けや収穫に参加します。

この場所には、かつて川崎市総合自治会館があり、市民に広く利用されてきました。
川崎市総合自治会館の機能は武蔵小杉駅前にある別の施設に移転したため、
その跡地の利用方法が検討されてきました。

交流スペース「N-Labo」はキッチン付き。

交流スペース「N-Labo」はキッチン付き。

市民からの要望である
交流や防災の機能を持ち合わせ、子供たちが遊べる広場を整備してほしいといった声に応え、
しかも民間のノウハウを生かした土地の利用としてKOSUGI iHUGが誕生しました。

卸業者が新鮮な食材を提供する〈KOSUGI Grill Market〉

〈KOSUGI Grill Market〉

3つのテーマのうち食を担当するアウトドアダイニングエリアは
〈KOSUGI Grill Market〉としてオープン。
テーブルにはグリルが設置されていて、
まるでフードコートとバーベキュー場が一緒になったよう。

入居している店舗は、できあがった料理を提供する飲食店ばかりではなく
精肉店、鮮魚店、炊き立てご飯のお店、キムチ店、そしてカフェの5つです。

〈UEHARA MEAT 武蔵小杉店〉

〈UEHARA MEAT 武蔵小杉店〉は、川崎市内に本社がある精肉卸会社が
東京・代々木上原にもつ小売店舗の2号店です。
ブランド牛はもちろん、スーパーなどでは取り扱いが少ないジビエや
川崎市内の農家が作る新鮮な野菜も取り扱います。

築地から豊洲に移って生鮮魚介を扱う〈山治〉が〈鈴治〉として出店。

鮮魚店は創業65年で、築地から豊洲に移って生鮮魚介を扱う〈山治〉が〈鈴治〉として出店。
魚の切り身や刺身が並び、刺身の盛り合わせの注文には
お皿の持ち込みにも対応するとのこと。

キムチの専門店〈横濱 福美 KOSUGI GRILL MARKET店〉

珍しいのがキムチの専門店〈横濱 福美 KOSUGI GRILL MARKET店〉が入居していること。
食欲をそそる種類豊富なキムチが並びます。

〈ほむすび米店〉

お米は〈ほむすび米店〉が、全国から厳選したプレミアム米を取り扱い、
炊き立てのお米を提供します。もちろんテイクアウトもOKです。

〈NATURA BAR〉

そしてカフェとして主にドリンクを提供するのは〈NATURA BAR〉。
敷地内のトレファームで収穫野菜を使用したフレッシュスームージーや
川崎市内のブルワリーが作るクラフトビールも提供します。

テーブルにはグリルが設置されていて、まるでフードコートとバーベキュー場が一緒になったよう。

店内で買った食材は、肉はグリルで焼いたり、
ごはんと刺身の残りを漬けに海鮮丼の具を組み合わせたりして
店内で食べることができます。

どのお店も一般の小売店としての機能を持ち、さらに卸販売の機能も持っています。
近隣住民にとっては、新鮮な食べ物を買える日常的な買い物の場所、
近隣の飲食店にとっては仕入れの場所としての顔を併せ持つというわけです。

エントリー締め切り直近! 地域の実践者に学ぶ 〈LIVE DESIGN School〉が開校

これからの地域、これからのデザインのあり方について話し学び合う

新年度を迎え、何か新しいことを始めたいと考えている方に朗報です!

「地域」と「デザイン」をテーマに、
地域で活躍する現役デザイナーとともに学ぶ
〈LIVE DESIGN School〉が始まります。

参加者はデザイナーに限らず、地域の事業者さん、自治体職員さん、
地域で暮らす人、これからのデザインに関心ある方ならどなたでも大歓迎とのこと。

さて、いったいどんなスクールなのでしょう?

LIVE DESIGN Schoolとは?

「デザイン」という言葉を聞くと、
見た目の意匠や広告などを思い浮かべる人も多いはず。

でもそれだけではなく、「計画」や「仕組みづくり」も
大きな意味でデザインと言えます。

そういった「広義のデザイン」をもっと実践的に伝えたいと、
全国各地で活動するデザイナーやクリエイターが集結し、学びの場を共有します。

左上から時計回りで、リードデザイナーの新山直広(福井県鯖江市、TSUGI)/坂本大祐(奈良県東吉野村、オフィスキャンプ)/迫 一成(新潟県新潟市、hickory03travelers)/福田 まや(大分県耶馬溪町、星庭)/小林 新也(兵庫県小野市+島根県温泉津、シーラカンス食堂+里山インストール)/佐藤 かつあき(熊本県熊本市、BRIDGE KUMAMOTO)/稲波 伸行(三重県菰野町+愛知県名古屋市、こものデザイン研究所+RW)/佐藤 哲也(福島県郡山市、Helvetica Design)/羽田 純(富山県高岡市、ROLE)/吉野 敏充(山形県新庄市、吉野敏充デザイン事務所)/堀内 康広(兵庫県神戸市、TRUNK DESIGN)

左上から時計回りで、リードデザイナーの新山直広(福井県鯖江市、TSUGI)/坂本大祐(奈良県東吉野村、オフィスキャンプ)/迫 一成(新潟県新潟市、hickory03travelers)/福田 まや(大分県耶馬溪町、星庭)/小林 新也(兵庫県小野市+島根県温泉津、シーラカンス食堂+里山インストール)/佐藤 かつあき(熊本県熊本市、BRIDGE KUMAMOTO)/稲波 伸行(三重県菰野町+愛知県名古屋市、こものデザイン研究所+RW)/佐藤 哲也(福島県郡山市、Helvetica Design)/羽田 純(富山県高岡市、ROLE)/吉野 敏充(山形県新庄市、吉野敏充デザイン事務所)/堀内 康広(兵庫県神戸市、TRUNK DESIGN)

LIVE DESIGN Schoolは、教える、教育するための学校ではなく、
“学び合う、知恵を出し合う”ための学校です。

そのため、参加するデザイナーのことを「講師」とは呼ばず、
「リードデザイナー(リード:先導する)」としています。

実はこのLIVE DESIGN School、昨年2022年に発行された
『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる -地域×デザインの実践』、
通称「おもデザ本」が発端となってスタートしたのだそう。

ゲストハウスから空き物件の紹介まで。
歩いて楽しいまちを目指す
〈ワカヤマヤモリ舎〉

古いビルをリノベーションして複合ゲストハウスに

和歌山市の中心部にある〈Guesthouse RICO〉(以下、RICO)は
5階建てのビルに宿泊、賃貸アパート、コワーキングスペース、
バー&ダイニングなど複数の機能を併せ持つゲストハウスだ。

数日間の旅行のために滞在する人もいれば、仕事のために数か月単位で長期滞在する人、
週末だけ過ごす学生や、ふらっとコーヒーを飲みにくる人もいる。
「RICOに行けば、おもしろい人やコトに出会える」と認識している地元の人も少なくない。

2015年のオープン以来、人が途絶えない、まさにコミュニティの渦のような場所。
だから「僕はゲストハウスをするつもりはなかったんです」と、
オーナーの宮原崇さんが語るとちょっとびっくりしてしまう。

宮原さんは、和歌山県和歌山市出身。
地元の大学で建築を学んだあと、神戸と大阪で建築事務所に勤務。
一級建築士の資格を取得し、独立しようかなと思っていたなか、
「リノベーションスクール@和歌山」に参加したのがすべての始まりだ。

RICOを運営するワカヤマヤモリ舎代表の宮原崇さん。ゲストハウス運営とまちづくりの企画・運営の傍らで設計の仕事も手がける。

RICOを運営するワカヤマヤモリ舎代表の宮原崇さん。ゲストハウス運営とまちづくりの企画・運営の傍らで設計の仕事も手がける。

「独立するとしても、設計だけを生業にするよりは
自分で手を動かして、古い建物を改修したり、
そこに新しいコンテンツが入るようなことができればと思っていたんです。
そんなときにリノベーションスクールが和歌山市で開催されると知って
寂れつつある和歌山のために何かできたら、と思って参加しました」

リノベーションスクールは、遊休不動産を活用した事業計画を
チームで作成する短期集中型のワークショップ。
全国規模で展開され、実際に事業展開につながる実例もたくさんある。
宮原さんたちが担当することになった建物、
つまり現在〈RICO〉が入居するビルは、
タクシー会社が所有して、長年アパートとして使われていた。

RICOが入居するユタカビル。1階はゲストハウスのロビー、コワーキングスペース、バー&ダイニング、2階と3階が賃貸アパート、4階から5階がゲストハウス。

RICOが入居するユタカビル。1階はゲストハウスのロビー、コワーキングスペース、バー&ダイニング、2階と3階が賃貸アパート、4階から5階がゲストハウス。

石川県小松市の廃校を活用した オーベルジュ〈Auberge “eaufeu”〉。 若きシェフが卒業生を招いた ホームカミングレストランを開催

過疎化が進む地域で、廃校になった母校でのレストラン体験を

〈Auberge "eaufeu" (オーベルジュ オーフ)〉は、
少子化に伴って閉校した旧小松市立西尾小学校の建物をコンバージョンし、
12室の客室とガストロノミーレストランを擁する宿泊施設です。
小松空港から車で30分ほどの石川県小松市観音下町(かながそまち)にあります。

〈Auberge

その〈Auberge "eaufeu"〉のレストランで、
旧西尾小学校の閉校時に在籍していた子どもたちを招待する
ホームカミングレストランと称したイベントが、2023年3月19日(日)に行われました。

旧西尾小学校の閉校時に在籍していた子どもたちを招待するホームカミングレストランと称したイベントが行われました。

里山に囲まれた旧西尾小学校の校下は、少子化が進み、
平成30(2018)年3月の閉校時には30人あまりの児童が在籍していました。
2023年3月時点で当時の1年生が小学6年生、6年生は高校2年生に成長し
ホームカミングレストランに訪れたのは、そのうち17人。
もちろん保護者の付き添いはありません。

盛りつけは子どもたちの目の前で。切り分ける前の大きな黒豚のローストも登場

カードには参加者へのメッセージと食材の生産者などの名前が書かれています。裏にはスタッフからの直筆メッセージも。

カードには参加者へのメッセージと食材の生産者などの名前が書かれています。裏にはスタッフからの直筆メッセージも。

メインダイニングは、元は職員室だった部屋が使われています。
テーブルには、ナイフ、フォークなどのカトラリー、グラスなどが整然と並びます。

料理に使われる食材とその生産者らが記されたカードもテーブルに。
表にシェフの糸井章太さん、裏にはスタッフの全員が一人ひとり、
歓迎のメッセージを書き入れて、子どもたちを迎えました。

シェフの糸井章太さん。

シェフの糸井章太さん。

子どもたちが揃うと、
糸井シェフが歓迎の挨拶をして、自家製のホワイトコーラで乾杯してイベントがスタート。
ホワイトコーラは近隣の山に自生する樹木、黒文字をベースに
さまざまなスパイスの香りを移したものです。

自家製のホワイトコーラで乾杯してイベントがスタート。

この日に用意された料理はすベて、このイベントのための特別な料理。
ゲストである子どもたちの目の前で盛りつけをするスタイルで行われました。

手際良く盛り付ける様もみどころになっていました。

手際良く盛りつける様もみどころになっていました。

1皿目のサラダがテーブルにそろったところで、
各テーブルにスタッフが回ります。

添えられたパンについても「お皿に残った卵をつけて食べるとおいしいです」などと、レストランでの振る舞いについて伝えます。

「サラダはフォークとナイフで食べてもいいし、お箸で食べてもいいですよ」と声をかけ、
添えられたパンについても「お皿に残った卵をつけて食べるとおいしいです」などと、
レストランでの振る舞いについて伝えます。

「サラダはフォークとナイフで食べてもいいし、お箸で食べてもいいですよ」と声をかける

2皿目は黒豚のロースト。
はちみつを塗りながらオーブンで焼いたという丸ごとのロース肉です。
各テーブルで子どもたちに見せてから、シェフがみんなの前で切り分けました。

子どもたちは「想像していたのと違って、塊の肉が出てきたからインパクトがあった」と
普段は見ることのない大きな肉に惹きつけられた様子。

デザートのシュークリームは焼きたて。

デザートのシュークリームは焼きたて。
目の前で2種類のクリームが絞られ、粉糖で仕上げられました。
テーブルにサクサクのシュークリームが配られると、嬉しそうな表情も見えました。

仲のいい同学年でテーブルを囲み、ときどき若いスタッフと話すなど、和やかな雰囲気で食事が進みました。

食事中、子どもたちは口々に「おいしい」を連発。
最初こそ緊張した表情も見えましたが、
仲のいい同学年でテーブルを囲み、ときどき若いスタッフと話すなど、
和やかな雰囲気で食事が進みました。

約1時間半に渡ったイベントの終了後、子どもたちは、館内ツアーへ。
図書室や教室だったスペースを利用した客室や、
在校時には立ち入ることがなかった屋上にも足を踏み入れました。

「本と温泉」を軸に地域創生。
文学と芸術で広がる
〈城崎温泉〉のまちづくりとは?

まち全体が「ひとつの旅館」
1300年の歴史を積み重ねてきた“共存共栄”の精神

志賀直哉の短編『城の崎にて』をはじめ、
多くの文人墨客が足を運んだ兵庫県豊岡市の温泉街、城崎温泉。
羽田空港から伊丹空港経由の飛行機で約2時間。

柳並木が続き、まちの中心をながれる大谿川(おおたにがわ)沿いには、木造3階建の旅館が軒を連ねる。そんな温泉街で下駄をカランコロンとならし、浴衣姿でそぞろ歩きながら7つの外湯を巡るのも城崎温泉を楽しむ醍醐味だ。(写真提供:山本屋)

柳並木が続き、まちの中心をながれる大谿川(おおたにがわ)沿いには、木造3階建の旅館が軒を連ねる。そんな温泉街で下駄をカランコロンとならし、浴衣姿でそぞろ歩きながら7つの外湯を巡るのも城崎温泉を楽しむ醍醐味だ。(写真提供:山本屋)

約80軒の旅館がある城崎温泉では、
“駅が玄関、通りが廊下、旅館が客室、外湯が大浴場、商店が売店。
城崎に住む者は、皆同じ旅館の従業員である”という。
まち全体でひとつの旅館としておもてなしする「共存共栄」の精神が自然と根づき、
開湯1300年の歴史を積み重ね、関西屈指の温泉街を支えてきた。

温泉と文学。伝統を継承しながら変革を

関西に住む人にとっては毎年11月になったら解禁となる松葉蟹の城崎温泉、
というのが広く浸透してきた。2013年の志賀直哉来湯100年を機に、
城崎の文化価値をもう一度見つめ直し、これからの100年を見据えた
本づくりをすすめる〈本と温泉〉プロジェクトが
城崎温泉旅館経営研究会(若旦那)によって立ち上がった。

そのきっかけについて、志賀直哉が泊まっていた宿としても知られる
〈三木屋〉の10代目当主であり、NPO法人〈本と温泉〉副理事長を務める
片岡大介さんは当時をこう振り返る。

片岡さんは大学進学を機に京都へ。ホテル勤務を経て地元である城崎に戻り、2011年から〈三木屋〉の10代目を務めている。

片岡さんは大学進学を機に京都へ。ホテル勤務を経て地元である城崎に戻り、2011年から〈三木屋〉の10代目を務めている。

「志賀直哉が初めて城崎を訪れたのが1913年。そこから100周年を迎えたタイミングで、
旅館経営に関わる若旦那衆(通称2世会)を集めた〈城崎温泉旅館経営研究会〉を中心に、
もう一度“文学のまち、城崎温泉”を復活させようと、
ユニークな本をつくるプロジェクトが動き始めました」

創業300年以上の〈三木屋〉は国の登録有形文化財にも指定され、木造建築の随所に歴史の趣が感じられる。(写真提供:三木屋)

創業300年以上の〈三木屋〉は国の登録有形文化財にも指定され、木造建築の随所に歴史の趣が感じられる。(写真提供:三木屋)

「宿のなかで完結するのではなく、お客さまがまち全体を巡る“ひとつの旅館”
としての考えを、それぞれの旅館が長年貫き、守ってきました。
城崎温泉が“文学のまち”として浸透し、
みんなが一団となり取り組んできたことが今につながっているのだと思います」と片岡さん。

老朽化のため、2013年より段階的に改修を進め、2022年にはかつて皇族を迎えた特別室「22号室」をリニューアル。最も広い面積をもつ特別室は、もともと2部屋の和室を和洋折衷の新しい客室として更新された。(写真提供:三木屋)

老朽化のため、2013年より段階的に改修を進め、2022年にはかつて皇族を迎えた特別室「22号室」をリニューアル。最も広い面積をもつ特別室は、もともと2部屋の和室を和洋折衷の新しい客室として更新された。(写真提供:三木屋)

2015年7月にリニューアルした「つつじの湯」。城崎温泉では、戦後から内湯の大きさを旅館の規模に応じて制限しているそう。各旅館でも、まちの外湯を楽しんでもらえるよう案内している。(写真提供:三木屋)

2015年7月にリニューアルした「つつじの湯」。城崎温泉では、戦後から内湯の大きさを旅館の規模に応じて制限しているそう。各旅館でも、まちの外湯を楽しんでもらえるよう案内している。(写真提供:三木屋)

information

map

三木屋

住所:兵庫県豊岡市城崎町湯島487

TEL:0796-32-2031(8:00〜20:00)

宿泊料金:「22号室」5万5000円~/大人2名1泊(定員:2~5名)

※宿泊料金はシーズン・人数により変動します。

Web:三木屋

〈BEARD〉原川慎一郎
地元食材にこだわった料理で
「種採り野菜」の文化を伝える

雲仙へ移住するきっかけとなった、ある農家

長崎県雲仙市。街中から湯けむりが上がる小浜温泉で、
原川慎一郎さんが約2年前に〈BEARD〉をオープンした。
それには農家の岩崎政利さんの存在が強く影響している。

昼間には明るい日差しが注ぐ店内。

昼間には明るい日差しが注ぐ店内。

原川さんがかつて東京の神田に〈the Blind Donkey〉をオープンしてまもなくのこと。
アリス・ウォータースの『アート オブ シンプルフード』という本を和訳した人がお店に来て、
雲仙に岩崎さんというすごい「種採り農家」がいると教えてくれた。
そして、岩崎さんが最初に種採りを始めたというニンジンを持ってきてくれた。

種採り野菜とは、育った野菜から種を自家採種すること。
そうして育てていくと地域の風土に合った固定種・在来種といわれる野菜ができ上がる。

「種採り野菜や在来種・固定種の野菜ということを本などで読んだ知識はありましたが、
まだそのときは本当の意味では理解していませんでしたね」

その後、料理家仲間である長田佳子さんと一緒に、
雲仙で〈タネト〉という野菜直売所を運営する
奥津爾(ちかし)さんがthe Blind Donkeyにやって来た。
そこで奥津さんは「自分は岩崎さんという農家さんがいるから雲仙に移住した」と言う。

「違う人から何度も“岩崎さん”が登場してすごい、と思いましたね」

そこで2018年秋に、奥津さんの案内で岩崎さんの畑を訪れることになった。

「それなりにいろいろな産地の畑を訪れてきたので、
そう驚くことはないと思っていたのですが、
岩崎さんの畑に行ったらただの野菜じゃない。
アニメみたいに、ニンジンの葉っぱが踊っているように感じました。
家に帰ったら犬が飛びついてくるくらいの人懐っこさもニンジンから感じました」

現BEARDで提供される「黒田五寸人参」。岩崎さんが最初に挑戦し、40年以上種採りをしているニンジンだ。

現BEARDで提供される「黒田五寸人参」。岩崎さんが最初に挑戦し、40年以上種採りをしているニンジンだ。

そこでつながりを持って以来、
岩崎さんから定期的に野菜を購入することになった。
ただし個人経営である岩崎さんの野菜の量では、
当時40席以上のコース料理を提供していた
the Blind Donkeyの使用量を賄うことはできない。

そこで、コース料理を提供するメインレストランの手前にあるカウンターバーで、
原川さんが岩崎さんの野菜を使った料理を提供することにした。
そのとき蒸したブロッコリーを食べて衝撃を受けたという。

「種採りブロッコリーではありませんでしたが、
想像するブロッコリーの味をめちゃくちゃ超えてきたんです。
岩崎さんの野菜のおいしさって、無意識に襲ってきます。懐あたりが反応する感じ。
おふくろの味や地元の味って、思い出を含めて“おいしい”じゃないですか。
僕は岩崎さんに対して何か思い出があるわけではないのに、この感覚はなんだろうと」

その日のコース料理に使用される野菜を最初に紹介してくれる。

その日のコース料理に使用される野菜を最初に紹介してくれる。

非加熱の〈みさとみそ〉。
〈海南社〉が加工場もレシピも
まるごと事業承継する

photo:Itsuko Shimizu

「金山寺みそ」のルーツから、再び。

いくつもの緑のトンネルを越え
蛇のようにクネクネと曲がる川のほとりに
すっくと建つ〈美里農産物加工場〉。

JAの農産物集荷場として建設された2階建てのこの小さな建物では、
地域の伝統の味「金山寺味噌」と
お味噌汁に使う味噌や麹の生産と販売が行われている。

「金山寺味噌」とは、今からおよそ700年ほど前。
中国の径山寺(きんざんじ)で修行した法燈国師という僧が
当地から紀州に味噌を持ち帰ったことで製造が始まったと伝わる
甘じょっぱいおかず味噌。
麦と米と豆でつくった麹に刻んだナスやウリの漬物がたっぷり入っているのが特徴だ。
ちなみに味噌の発酵途中で、こうした野菜から出る液体の
「たまり」を利用して生まれたのが醤油ともいわれている。
つまり、和歌山県湯浅地方は醤油の発祥地。
そして金山寺味噌はこの湯浅地方を中心に、家々で仕込まれてきた伝統食。
保存食では梅干しと双璧をなす郷土の味だ。

金山寺味噌をおともにすれば、ごはんがいくらでも食べられる。

金山寺味噌をおともにすれば、ごはんがいくらでも食べられる。

しかし、多くの伝統食がそうであるように、欧米化が食が進んだ結果、
金山寺味噌が食卓の定番として上がることはうんと少なくなった。
停滞する売り上げを前に、このまま経営を続けていくことは困難と判断したJAは
2018年に加工場をクローズすることにした。

それを惜しみ「なんとかして継続できないか」と考えた人地域の々は、
〈海南社〉の源じろうさんに味噌工場の跡を継がないか、と声をかけた。

こんな新潟があったのか! 『新潟コメジルシプロジェクト』を 制作・運営して知る新潟のリアル

地域の魅力を地元の人が発信するメディアは、そのまちの暮らしぶりや産業が知れ、
旅行や移住検討の際の貴重な情報源にもなります。

自分のまちの良さをより多くの人に届けたい。そのためにはメディアが必要ですし、
コンテンツをつくる人、運営する人、デザインする人など、
多くの人材を必要とします。
きっと『コロカル』の読者のなかにも、
こうした「ローカルメディア」の立ち上げに携わった経験のある方もいるでしょう。

今回はそんなローカルメディアのひとつの事例として、
新潟県が運営する『新潟コメジルシプロジェクト』を紹介します。

実際に『新潟コメジルシプロジェクト』のコンテンツ制作に携わる
コメジルシ編集部の3名に、制作にまつわるエピソードを聞きました。

県民の数だけある“魅力の回収”がおもしろい

新潟在住のコメジルシ編集部中心メンバーは、
金澤李花子さん、齋藤華さん、小日山隼輔さん。
この体制になったのは、2022年春のことでした。

主力企画である「#新潟のコメジルシ」にて、
県民の方々のお気に入りの場所やモノ、暮らしぶりなど、
「だから新潟がいい!」というエピソードを、テキストと写真で紹介。
こうしたコンテンツ化をこの3名が担っています。

それぞれの役割については、
新潟市古町の複合施設〈上古町の百年長屋SAN〉で副館長を務めている
金澤さんが統括編集し、
新潟市内のデザインコンサルの企業に勤める齋藤さんと、
人材系サービスの企業でディレクターを務めている小日山さんが
インタビュー・執筆業務にあたっているといいます。
県民それぞれの「新潟愛」を記事というかたちにする
「影武者のような存在です」と、金澤さん。

皆、本業を持っているものの、「時間の融通がきく仕事」というのは
3人の共通点でもあります。
その本業の合間を縫って週に2回ほど
『新潟コメジルシプロジェクト』のコンテンツ制作業務に携わっているのです。

東京からUターン移住を果たし、『新潟コメジルシプロジェクト』には2020年から携わる金澤李花子さん(写真右)。齋藤華さんは、群馬県出身、新卒で新潟市内の印刷会社に入社した際に新潟のグルメなどを紹介するオウンドメディアでコンテンツ制作の経験を持つ(写真左)。小日山隼輔さんは、以前は新潟の産直品が買えるサイト〈新潟直送計画〉に従事していました(写真中央)。

東京からUターン移住を果たし、『新潟コメジルシプロジェクト』には2020年から携わる金澤李花子さん(写真右)。齋藤華さんは、群馬県出身、新卒で新潟市内の印刷会社に入社した際に新潟のグルメなどを紹介するオウンドメディアでコンテンツ制作の経験を持つ(写真左)。小日山隼輔さんは、以前は新潟の産直品が買えるサイト〈新潟直送計画〉に従事していました(写真中央)。

基本的には県民へのインタビューはリモートで実施。
「新潟県は縦長で、面積が広いのでインタビューして回るのは難しい」と金澤さん。
リモート会議ツールや電話を駆使しています。

「大体ひとり1時間くらいインタビューに要していると思います。
特に電話は顔を合わせていない分、リズムを掴むのが難しいですね」(小日山さん)
「話し始めると地元愛が止まらない。
それを聞いて私たちもうれしい気持ちになりました」(齋藤さん)

インタビューを重ねるうちに、自分たちも知らなかった新潟の姿を発見することは多く、
「新潟のリアルを知れたのはよかった」と小日山さんは言います。
たとえば、佐渡島に古くから伝わる伝統芸能「鬼太鼓」。
観光協会のサイトなどでは「おんでこ」という表記だったため、
インタビューの際も編集部メンバーはそう読むのだと思っていたそうですが、
取材した佐渡の地域振興事業に携わる上之山博文さんや一部地域では
昔から「おにだいこ」と呼んでいたそうです。

佐渡市で地域振興事業に携わる上之山博文さんの「鬼太鼓」にまつわるお話。

佐渡市で地域振興事業に携わる上之山博文さんの「鬼太鼓」にまつわるお話。

「小学校の時も『おんでこ』と習ったので、そんな読み方があったとは」(小日山さん)
「地域や世代によって神事も読み方が異なるということを
初めて知りました」(金澤さん)
「このインタビューがなかったら、
ずっと知らないままだったかもしれません」(齋藤さん)

※記事はこちら。

こうした県民主体のメディアを運用するおもしろさについて、金澤さんはこう話します。

「“新潟の魅力”が大きなテーマですが、
ひとりひとりに聞いていっても同じ内容になることがない。
たとえば『米について教えてください』と聞いても、話が被らないような気がします。
『あなたの地域のことを教えてください』というテーマは
全県民に聞けるテーマだと思うので、自分たちで新潟の良さを考えるよりも、
人に聞いて回りたいです。人から言われて私もまた魅力を知る。
その“魅力の回収”を、私はおもしろいと感じています。
そして、そういうプロジェクトをやっている新潟県も
また魅力的な県だと感じています」

弟子屈中学校の授業で
アカエゾマツの森を学ぶ。
動画『森の中へ』も完成!

地元の中学生と歩いた「アカエゾマツの森」

きっかけは、地域おこし協力隊の同期、高橋志学くんからの誘いだった。
「弟子屈中学校の先生から
『協力隊と一緒にできることはないでしょうか?』と相談を受けました」

昨年の初夏のこと。
「アカエゾマツの森」を、できるだけ多くの人(とくに町民)に
知ってもらいたいと考えていた私は、迷わず手を挙げた。

そして実現したのが、2日間におよぶ
弟⼦屈中学校1年生 × 東京農業⼤学教授・上原巌先⽣
「川湯の森の散策と森林講座」
(この模様は、上原先生のブログに楽しく紹介されているので、
ぜひご覧ください)

2020年から毎年、弟子屈町の森を訪れている、東京農業大学教授・上原巌先生。「川湯の森の散策と森林講座」は、弟子屈町の広報誌の表紙も飾った。

2020年から毎年、弟子屈町の森を訪れている、東京農業大学教授・上原巌先生。「川湯の森の散策と森林講座」は、弟子屈町の広報誌の表紙も飾った。

1日目は中学校の講堂でスライドを観ながら、
「森とは何なのか?」「弟子屈町にはどんな森があるのか?」など
アカエゾマツなどの蒸留をしつつ学んだ。

2日目は「アカエゾマツの森」と、近くにある「川湯の森」をみんなで歩いた。
「この森は、どんな風に感じる?」「この葉っぱ、どんな形をしている?」
上原先生は、いつも問いかける。
そして参加者は、眺めるだけでなく、考えるようになる。
すると木や森は、いつもとは違う姿をどんどん見せてくれるのだ。

2日目には「アカエゾマツの森」。中学生はタブレットを持ち、写真を撮りながら歩く。

2日目には「アカエゾマツの森」。中学生はタブレットを持ち、写真を撮りながら歩く。

木更津〈KURKKU FIELDS〉に 本を読み耽られる〈地中図書館〉 がオープン

「農」「食」「自然」の循環を体験できるサステナブルファーム&パーク〈KURKKU FIELDS〉

千葉県木更津市、約9万坪(30ha)の広大な敷地で「農」「食」
そして「自然」の循環を体験できるサステナブルファーム&パークの
〈KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)〉。
「育てる・作る・食べる・循環する」といった“人が本質的に生きる心地よさと喜び”を
感じる場所を目指し、広大な土地を10年前からゆっくりとすこしずつ育てています。

2022年秋には宿泊施設“創る暮らしを体感するvilla”〈cocoon(コクーン)〉がオープン。
そして2023年2月16日(木)、〈KURKKU FIELDS〉に、
〈NAP建築設計事務所〉の中村拓志氏の設計による
新たな施設〈地中図書館〉がオープンしました。

〈KURKKU FIELDS〉〈地中図書館〉で体験する一歩先行く晴耕雨読

天井から自然の光が差し込むホール

地中図書館はその名のとおり土の下に、ひっそりと隠されたように存在します。
晴れた日には畑を耕し、雨の日には読書をする。
地中図書館はそんな人のために構想されています。

すり鉢状の特徴的な形をした土地の中腹にあって、大地にそびえ立つのではなく、
洞窟のように地中に横たわる空間です。
訪れた人はKURKKU FIELDSをさまようなかで、突如入り口を見つけて
大地の中へと潜り込み、思いがけない空間と本に出合うことになります。
オープン時は約3000冊を収容し、自然や農的な暮らしに関するものを中心に詩、
哲学、歴史、宗教、科学や経済にも独自の広がりやつながりが感じられる選書です。

本棚の間を抜けると天井から自然の光が差し込むホールが現れます。
〈cocoon〉、〈TINY HOUSE VILLAGE〉の宿泊者は閉館後の17時以降も、
優しい明かりがこぼれる幻想的な〈地中図書館〉で夜の特別な時間を過ごせます。

〈福味鶏 ふくふくレバー〉 長野アップサイクル・フード第1弾  信州福味鶏レバー・ハツを使用した缶詰

食品製造段階で発生する食品ロスを缶詰に

余剰になっている未利用食品原料に付加価値を付けて
新しい食品を生み出す「長野アップサイクルフード」として、
信州福味鶏のレバー及びハツを使用した缶詰〈福味鶏 ふくふくレバー〉が、
2023年2月20日(月)より販売されました。

仕掛け人は、食品原料のWEB売買プラットフォーム
〈シェアシマ〉を運営する〈ICS-net〉。
創業時から、日本の食品廃棄の約20%が食品メーカー由来で、
製造段階での廃棄が生じている現実に着目。
その課題解決をミッションのひとつとしている企業です。

このたび同社と、長野市発の新産業の創出と地域課題の解決に向け活動している
産学官金の連携組織〈NAGANOスマートシティコミッション〉(以下、NASC)
との協働により、福味鶏 ふくふくレバーは生み出されました。

アップサイクルマーク

このプロジェクトは、NASCの令和4年度実証プロジェクトに採択されて実施がスタート。
長野市内の食品企業の未利用食品原料の定量及び定性調査を行い、
そこから、長野県に眠る原料や端材から、また新しい商品として生まれ変わらせた
「長野アップサイクル・フード」の企画・開発に至ったといいます。

福味鶏 ふくふくレバー ご褒美パテ 各1382円(参考価格)煮切った白ワイン、コショウ、ローリエを入れ、レバーの旨味をぎゅっと詰め込んだしっとりなめらかなパテ。パンや茹でたじゃがいもと合わせて。

福味鶏 ふくふくレバー ご褒美パテ 各1382円(参考価格)煮切った白ワイン、コショウ、ローリエを入れ、レバーの旨味をぎゅっと詰め込んだしっとりなめらかなパテ。パンや茹でたじゃがいもと合わせて。

福味鶏 ふくふくレバー 生姜香る時雨煮 各1382円(参考価格)ホッとする定番の味・甘辛い醤油味のしぐれ煮は、生姜のピリリとした辛味と風味がアクセント。普段の食卓にプラス一品して。

福味鶏 ふくふくレバー 生姜香る時雨煮 各1382円(参考価格)ホッとする定番の味・甘辛い醤油味のしぐれ煮は、生姜のピリリとした辛味と風味がアクセント。普段の食卓にプラス一品して。

福味鶏 ふくふくレバー 至福のアヒージョ 各1382円(参考価格)ピリリとした鷹の爪、パンチのあるニンニクにハーブの香りが重なるオイル煮。温めてパンと一緒に、パスタの具にも。

福味鶏 ふくふくレバー 至福のアヒージョ 各1382円(参考価格)ピリリとした鷹の爪、パンチのあるニンニクにハーブの香りが重なるオイル煮。温めてパンと一緒に、パスタの具にも。

〈モノサス〉副社長・永井智子さん
「どこでも仕事はできる」
周防大島町に
サテライトオフィスをつくる

リモートワークやテレワークという言葉は今や日常的に使われるようになった。
実際に、ネットワーク環境さえ整っていれば働けるという職種も少なくない。

東京・代々木に本社を構える〈株式会社モノサス〉は、
Web制作事業を主にマーケティングやプランニング、
デザイン、コーディング、運用などを行うIT企業である。
2017年、取締役副社長の永井智子さんが東京から山口県の周防大島町に移住し、
徳島県の神山町に続くふたつめのサテライトオフィスを開設した。

永井さんは島ではどのような働き方、暮らし方をしているのだろう。

周防大島町の母の生家をオフィスに

周防大島町は青い海に囲まれ、平均気温15℃ほどという年間を通して温暖な気候だ。
モノサスのサテライトオフィスがある地家室(じかむろ)は
周防大島町の中心部から離れた南の沿岸部に位置する。

山口県のガードレールは夏みかん色。その奥に見える集落が地家室と呼ばれる地区だ。

山口県のガードレールは夏みかん色。その奥に見える集落が地家室と呼ばれる地区だ。

オフィス周辺に到着すると永井さんが出迎えてくれた。

「目印になるものはコカ・コーラの自販機です」

この地区唯一の自販機を曲がった突き当たりの木造の建物が
モノサスのサテライトオフィスだ。

この辺りは海に近く、塩害から家を守るために焼杉を使った民家が多いという。

この辺りは海に近く、塩害から家を守るために焼杉を使った民家が多いという。

オフィスに改装した古民家はもともと永井さんの母親の生家だった。
東京と変わらない快適なネット環境を整えたオフィスで、
現在4名の仲間と日々仕事に励む。

「主にホームページを制作する会社で、
私はWebディレクターとして各スタッフにデザインやコーディングの指示、
プロジェクトの進行状況を管理しています。
クライアントによっては週1で打ち合わせをしたり、
メンテナンスやサポートの仕事を行ったりします」

企業のコーポレートサイトなどの制作に関わる業務内容は
東京にいた頃とさほど変わっていないという。
変わったことといえば、打ち合わせの方法。
以前は月に2、3回ほど打ち合わせのために上京していたが、
コロナ禍で東京に行くことは大幅に減った。

「移住して3年くらいは、
東京に行って打ち合わせしないと仕事になりませんでした。
でも最近ではお客さまからリモート会議でお願いしますといわれることも増えて、
環境のほうが変わりましたね」

地方で仕事をする距離的なデメリットが減り、偶然にも時代の流れにマッチした。

近所を一望できる高台へ。仕事の気分転換のためによく散歩するという。

近所を一望できる高台へ。仕事の気分転換のためによく散歩するという。

永井さんは都会から島へ生活環境を変えて、すんなり地域に溶け込めたのだろうか。

「地域に溶け込むのにハードルは感じませんでした。
閉校した近くの地蔵小学校で祖父母が先生をしていたので、
『先生にお世話になったから』といって近所の方によくしてもらうこともありました。
もう50〜60年も前の話なのにね」

学校の夏休みに遊びに来ていた記憶から、地域での暮らしをある程度は予想できたという。

「インターネット通販で注文すれば、翌々日には届きます。
車の運転は、20年以上ペーパードライバーだったんですけど、
さすがに車を買って練習しました。
最初の1、2年は大変でしたが、Wi-Fi環境はむしろ東京よりもいいし、
不自由を感じることはありませんね」

東京ではほぼ外食だったが、移住してからは自炊が増えたという。
自分たちの畑で育てた野菜や魚屋さんで手に入る新鮮な魚が永井家の食卓を彩る。

オフィスの裏手にある畑で季節に合わせた野菜をつくっている。夫婦ふたりで食べる野菜は8割がた賄えるそう。

オフィスの裏手にある畑で季節に合わせた野菜をつくっている。夫婦ふたりで食べる野菜は8割がた賄えるそう。

「スーパーで食材を買ったり、親戚がお米をつくっているので送ってもらったり。
といっても、ピザもパスタもインスタントラーメンも食べるし、
田舎ならではのメニューばかりでもないですよ」

移住後すぐは新しい拠点整備に大わらわだったそうだが、
今では生活にも慣れ地域に馴染んでいる。

〈川上ノ森OWNER’S CLUB〉 キャンプを楽しみながら、 間伐体験をして森の再生に貢献!

キャンプ場〈喜多川CAMPING BASE〉で
森を守る仲間を大募集!

まちの75%が森林で、
かつて林業や織物のまちとして栄えていた埼玉県飯能市。
しかし、林業の衰退により森林が徐々に荒廃していき、
現在その整備が深刻な問題となっています。

まちの75パーセントが森林で、
かつて林業や織物のまちとして栄えていた埼玉県飯能市。

飯能市の建設会社〈株式会社森田建設緑化〉の森田美明社長と奥むさし飯能観光協会は、
奥武蔵のキャンプや登山など山を遊び場にする人たちに間伐の担い手になってもらおうと、
キャンプを楽しみながら森を学び、間伐体験で森を再生する
〈川上ノ森OWNER’S CLUB〉を始動。
現在会員を募集しています。

埼玉県飯能市に位置する喜多川キャンピングベースを利用

このプログラムは、
「100年続く森を育てるための、間伐を知る」をテーマに、
キャンパーや登山家などで人気を博す
埼玉県飯能市に位置する喜多川キャンピングベースを利用し、
地元の木材・西川材の「伐採~加工~植林」までを
1年かけて体験することによって、自然を楽しみながら
伐採・植樹など間伐のサポートを行うというもの。

〈田万里家 FARM STAY〉 広島県田万里町で農業体験できる宿!

現在クラファン実施中!

南北両サイドを山に囲まれた自然豊かな場所・広島県竹原市田万里町。
2023年3月、ここに農業体験ができる宿〈田万里家 FARM STAY〉がオープンします。

田んぼが多く、自然豊かな田万里町。

田んぼが多く、自然豊かな田万里町。

農ライファーズ株式会社のみなさん。

農ライファーズ株式会社のみなさん。

手がけたのは、“世界を農でオモシロくする”をミッションに、
次世代型農家の営み方を学ぶ「コンパクト農ライフ塾」や
限界集落を再生するプロジェクトなどを展開する〈農ライファーズ株式会社〉。
同社はこれまで、田万里町で大豆や米や野菜を生産し、加工食品を製造しながら、
「田万里家(たまりや)」という屋号で農業と六次化事業を展開していました。

今回オープンする〈田万里家 FARM STAY〉は、
地元の集会場を山小屋風にフルリノベーションし、
ドーナツカフェも併設したホステル型の農泊宿。
「宿泊したその日から全員が家族になる」をコンセプトに、
単に泊まるだけではなく、農ライフ(=自然とともにある暮らし)
を通じたリトリートを楽しむことができます。

阿武町地域おこし協力隊・
藤尾凜太郎さん
全国で山口県に200頭しかいない
「無角和牛」の未来をつくる

「なにもない」を解決する人間になりたい

山口県北部にある人口約3000人のまち、阿武町。

日本海に面しているので冬は降雪もあるが年間を通して温暖な気候だ。
阿武町は萩市と合わせておよそ50か所に小型火山が分布する
阿武火山群と呼ばれる火山性土壌で、
古くから野菜や穀物、果物などの栽培が盛んに行われてきた。

山口市の中心部から車を1時間ほど走らせると、
緑豊かな山間にある〈無角和種繁殖センター〉に到着する。
そこで地域おこし協力隊として「無角和牛」に携わるのは藤尾凜太郎さんである。

無角和種繁殖センターの入口では牛が彫り込まれた巨大な看板が出迎える。

無角和種繁殖センターの入口では牛が彫り込まれた巨大な看板が出迎える。

神奈川県出身の藤尾さんは、
阿武町の地域おこし協力隊に着任する前は横浜の大学に通う大学生だった。

幼少期に祖父母の暮らす田舎への帰省や家族と訪れた旅先での思い出から、
生まれ育ったまち以外の地域に対する興味や憧れが芽生えたという。
大学では海外へ日本のよさを伝えたいと語学やまちづくりを学べる学科を選び、
4年次は地理学を専攻した。

「旅行や在学時のフィールドワークで地方を訪れたとき、
自分の知らない日本がまだまだ沢山あることに気づきました。
同時に、訪問した地域の人たちが『なにもない所によく来たね』と言うんです。
それがすごくもったいない。
『なにかある』と思って訪れているのに
『なにもない』と地元の人が突き返してしまうミスマッチ。
謙遜なんかいらないと感じていました。
もっと自信を持ってもらうには、
その地域をおもしろがる若者が必要なのではないだろうか。
将来、その『なにもない』を解決する人間になりたいと思っていました」

さらに、同級生が学校を休学して地域おこし協力隊の活動を始めたことも、
進路を考えるうえで大きなきっかけになったという。