colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧
記事のカテゴリー

連載

新しい〈HOMEMAKERS CAFE〉
ついにオープン!
廃校をリノベ、再び人の集まる場所へ

小豆島日記
vol.335

posted:2024.6.27   from:香川県小豆郡土庄町  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島のなかでもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/

新生HOMEMAKERS CAFEが誕生しました

2024年6月22日(土)に新しいHOMEMAKERS CAFEがオープンしました。
ようやくこの日を迎えることができ、ひとまずほっとしています。ほっ。
今回は、そのオープン日のこと、これからのことを書きます。

おしゃれなカフェの外観

オープン初日。お客さんが来てくれるかドキドキの朝。

木製のカウンターがあるカフェ。大テーブルには、花が飾られている

カフェ真ん中の大テーブルには、畑で咲いていた、にんじんの花を飾りました。

カフェづくりに着手したのは2024年の年明け頃。
中古の厨房器具の掃除や窓枠の塗装など、
まずは自分たちでできるところから作業を進めていきました。

本格的に工事が始まったのは4月頃。
水道やガス、電気などの設備工事からスタートし、
大工工事や家具の製作、天井や壁の塗装など、
毎日たくさんの職人さんたちが来てくださり、
ひとつひとつ工事が進んでいきました。
工事の様子は、前回の小豆島日記vol.334で書きましたので、
気になる方はぜひご覧くださいね。

2023年12月末にこれまでのHOMEMAKERS CAFEの営業を終え、
2024年3月末頃には新しい場所で移転オープンとして開けたいなと
思っていたのですが、その頃にはオープンできる気配など1ミリもなく、
もう焦らずにできるタイミングでオープンしようと
気持ちを切り替え粛々と作業を進めてきました。

木材がたくさん並ぶ

厚さ10センチほどある巨大な松の一枚板が、カフェの大テーブルになりました。運搬だけでもとても大変でした。

大きな壁を漆喰で塗る作業

大きな壁をこの土地の赤土を混ぜた漆喰で塗りました。大きな壁をふたりの女性が赤土色の漆喰で塗り上げていく後ろ姿がとてもかっこよかった。

次のページ
オープンはいつにする!?

Page 2

人の手を借りてのオープン準備

そろそろオープン日を決めよう! と思い立ったのが5月末頃。
6月下旬くらいならなんとかオープンできそう。
それなら6月22日がいいなと。
この日は満月&一粒万倍日!
そして、これまで営業してきたカフェは
2014年2月22日がオープン日なので、同じ22日。

あまり開運日とかは気にしないたちなのですが、
なんだかおめでたい感じがとてもいいなと思い、なんとかその日に開けたい! 
と決めました。

お店のカウンターに立つふたり

オープン1週間前に、ようやくオープン日をお知らせ。1日作業が終わった夕方にふたりで写真を撮ったら、みんなから「あの写真めっちゃ疲れてたね。大丈夫?」と心配されました(笑)。

窓掃除

急きょ手伝いにきてくれた島で暮らす友人夫婦。この日は窓掃除をしてくれました。応援してくれる人たちがいることは私たちにとって本当に励みになります。

オープン日を決めたのはいいですが、やることはまだまだ山積み。
6月に入ってからは、オープンにむけて必死で準備を進めてきました。
土日も休みなし、娘にも手伝ってもらったりしながら。

今振り返るとちょっと無理をしすぎてしまったかなぁという思いもあります。
自分たちだけじゃなくて、まわりの仲間も巻き込んでしまっているので、
きっとみんな疲れていたんじゃないかと思います。
「遅くまでごめんなさい」と「手伝ってくれてありがとう」
ばかり言っていた気がします。

ミーティングする人たち

カフェスタッフ全員が集まってキックオフミーティング。

まかないごはん

オープン2日前。ようやく厨房がそれなりに使えるようになり、みんなでまかないごはん。

でも人のパワーは本当にすごい。
大変だったけれど、みんなのおかげでどんどん仕上がっていきました。
カウンターや家具を塗装し、掃除して、床を塗装し、
細かな備品をどんどん運び込んでいく。
オープン2日前にようやくある程度の備品もそろい、料理ができるようになり、
カフェで働いてくれるスタッフ全員が集まってキックオフミーティング。
みんな疲れてはいたものの、ようやくここまできたという安堵感や、
オープンにむけてのワクワク感などいろんな感情があふれてました。

カフェのロゴマーク

エントランスのガラスに「FARM & CAFE HOMEMAKERS」のロゴが入り、この場所に命が吹き込まれた感じがしました。

次のページ
ついにオープン当日……

Page 3

大切に育てていきたい場所

いよいよオープン当日の6月22日。
当日の朝も、足りていなかった備品をまだこんなにもあるのかと
運び込んで設置。
ほぼHOMEMAKERSチーム総出で、お客さまをお迎えしました。

オープンの日は、小豆島の友人や知人たちがたくさん来てくれました。
そしてたくさんの方がお祝いのお花を贈ってくださり、
とてもうれしかったです。
あらためて、たくさんの方々のお世話になりながら
私たちのお店は成り立っているんだなと感じた1日でした。
オープンの日のことを覚えていただいているだけでも、
本当にありがたいことだなと思っています。

カフェの会計

オープン日に訪れてくれた地元の友人たち。

カフェのメインテーブル

カフェのメインテーブル。いろんなお客さんが相席で。和気あいあい。

野菜たっぷりのスパイスカレー

お久しぶりのHOMEMAKERSカレー。うまっ。

お祝いの花を届けてくれる人

雨のなか、地元のお母さんたちがお祝いの花を届けてくれました。こういうのがとてもうれしい。

新しいカフェがオープンし、これから営業日が増え、ともに働く仲間が増えます。
新しい場所ができ、チームが大きくなっていくとき、
今までのやり方ではうまくいかないことがたくさん出てくると思います。
小さな違和感に気づきながらも、忙しさにかまけて放置しておいたら、
これまで育ててきたチームが壊れてしまうこともあるかもしれない。
そんなことにはなりたくない。

私たちの大切にしたいことは、
ここで働く仲間が幸せであること。
ここにきてくれる方が幸せであること。
この地域が幸せであること。

いつもその気持ちを忘れちゃいけないなと、あらためて感じています。
リニューアルしたHOMEMAKERS CAFEという場を、
仲間とともに日々大切に育てていきたいと思っています。

みなさんとこの場でお会いできるのを楽しみにしています。
ぜひ小豆島に遊びにきてくださいね。

information

map

HOMEMAKERS CAFE 

住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲1735 農村ゲストハウスNOTEL 1F

TEL: 080-4425-8192

営業時間:11:00〜17:00(16:30L.O.)

定休日:水・木曜

Web:HOMEMAKERS CAFE

Feature  特集記事&おすすめ記事