連載
posted:2012.2.29 from:山梨県北杜市 genre:活性化と創生
〈 この連載・企画は… 〉
全国に52カ所ある、自然エネルギー自給率100%の地域 = 100%Village。
TOPICでは、全国各地の100%Villageやそれを目指そうとするモデルケースをひもとき、
STUDYでは、自然エネルギーにまつわる用語を解説していきます。
writer's profile
Hidefumi Kurasaka
倉阪秀史
くらさか・ひでふみ●千葉大学大学院人文社会科学研究科教授。 専門は環境政策論・環境経済論。著書に、『環境を守るほど経済は発展する』(朝日選書)、『エコロジカルな経済学』(ちくま新書)、『環境-持続可能な経済
参考文献
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)「大規模電力供給用太陽光発電 系統安定化等実証研究(稚内・北杜サイト)」/「北杜メガソーラーの成果」『環境ビジネス』2011年4月号
山梨県北杜市は、山梨県の北西部に位置する人口4万4千人の市です。
北に八ヶ岳連峰、西に甲斐駒ヶ岳に囲まれ、釜無川をはじめとする多数の川が流れています。
水資源が豊かで、サントリーの白州工場もこの地に立地しています。
また、雨の日が少なく、日本で一番長い日照時間を誇る土地としても知られています。
住宅用太陽光パネルで発電された電気の余剰分を固定価格で買い取る制度が
2009年11月に導入されましたが、
今年7月から住宅用太陽光パネル以外にも対象を拡張した
新しい固定価格買取制度が導入されることになっています。
このため、全国各地でメガソーラーへの関心が高まっています。
北杜市は、長い日照時間を生かして、
その先駆けとなるメガソーラーを2006年から運営しています。
このメガソーラーは、
系統連系時に電力系統側へ悪影響を及ぼさないシステムの実現を目指した実証実験設備として、
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託によって設置されました。
実証実験の終了にともない、
2011年4月からは市営の「北杜サイト太陽光発電所」となっています。
中央高速道路脇に設置されたこのメガソーラーには、
さまざまな種類の太陽光パネルが合計1840kW設置されています。
面積は約10haで、事業費は約32.3億円でした。
年間発電量は約200万kWhで、2008年度の設備利用率は15.16%、
2008年4月から2010年4月の期間における設備利用率は14.26%と良好な結果を残しています。
このサイトでは、大規模な太陽光パネルシステムを支える
大容量パワーコンディショナの開発を行うとともに、
さまざまな種類の太陽光パネルの性能評価やモジュールの設置角度の検討などが行われました。
北杜市ではメガソーラーの見学会も行っています。
メガソーラーサイトには、展望台と説明パネルが設置されており、
見学会に参加しなくても概要を把握することができます。
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