絶景の〈みはらし亭〉を ゲストハウスに。坂のまち、尾道発 空き家再生プロジェクト
瀬戸内海に面した坂のまち、尾道。
中心地には町屋や土蔵、茶室や日本庭園のあるお屋敷、洋風建築など、
各時代を象徴する建造物がたくさん残っています。
なかでも山の手地区には、起伏の多い地形に合わせてつくられた不定形な家や、
絶景の家、増築を重ねたユニークなかたちの家など、
個性的な家がたくさんあるのだそう!


写真提供:尾道学研究会

写真提供:尾道学研究会
ところがいまでは、このまちにも高齢化と空洞化の波が押しよせ、
空き家が増加しています。
約2キロの徒歩圏内に500軒近い空き家があるという調査結果も。
今回は「そんな空き家をどうにかしたい」
そして「尾道建築の面白さや失われつつある職人技などを多くの人に伝えたい!」
という思いから発足されたプロジェクトをご紹介します。
その名も、〈尾道空き家再生プロジェクト〉。

2007年より活動を始め、手がけてきた空き家の数は、なんと100軒近く!
多様な空き家をコミュニティ、環境、建築、アート、観光の視点から眺め、
シェアハウスやゲストハウス、個人住宅、子連れママための井戸端サロン、
洋品店、ものづくりの拠点などに再生させてきました。

〈北村洋品店〉

ゲストハウス〈あなごのねどこ〉

そしていま、このプロジェクトのみなさんがこれまでで最大規模の空き家を
ゲストハウスとして再生させるために、大奮闘しているんです。
物件の名は〈みはらし亭〉。石垣の上に建つ、絶景の別荘建築です。

国登録有形文化財にも登録されており、
尾道の茶園文化のシンボルともいえる建物なのだとか。
映像制作:山口 翔平(尾道市立大学)空撮:野田尚之 協力:大谷治 土堂小学校のみなさま
〈みはらし亭〉は、尾道が港町として栄えた時代に、
当時の豪商たちがこぞって山の手に建てた“茶園”と呼ばれる別荘住宅のひとつ。
大正10年に、自然が豊かな千光寺の真下にある石垣の上に建てられました。
当時の家主さんは、尾道水道を見下ろしながらお茶をたしなんだり、
客人をもてなしたりと、優雅に暮らしていたのだそう。
ところが最近では、その不便さと老朽化から20年近くも空き家になっていました。

そこで、こんなに素晴らしい建物を時代の変化とともに
失ってもいいのかという思いと、家主さんの建物に対する思い入れを
受けて立ち上がったのが、代表の豊田雅子さんをはじめとする
〈尾道空き家再生プロジェクト〉のみなさんだったのです。

〈尾道空き家再生プロジェクト〉代表 豊田雅子さん 撮影 吉田亮人


坂のまち、尾道には車の入れない路地がたくさんあります。
ゆえに尾道は車社会から取り残され、高齢化と空洞化が進んできてしまったのです。
チームのみなさんは、そんな山の手で何年も放置された空き家を片付け、
人海戦術リレーでゴミを運び出し、空き家を再生させてきました。
これはとても大変な作業ですが、人力だからこそできることなのかもしれません。


〈みはらし亭〉の再生には、約1年前から取りかかり始めました。
建物はゲストハウスとして活用するため、安全を最重要視し、
かつ登録文化財としての価値を失わないようにしながら、
職人さんを中心に修繕を進めています。

みはらし亭の工事前の様子

また、これまではボランティアベースで作業を進め、
少額資金で活動してきたのですが、今回は大規模なプロジェクトになったため、
初の試みとして、クラウドファンディングにも挑戦しています。



〈みはらし亭〉の再生は、若い職人さんや
その担い手を育てていく試みでもあるのだそう。
クラウドファンディングのリターンには、宿泊券つきのものもあります。
支援した宿へ遊びに行く旅というのもいいですね!

クラウドファンディングでこのプロジェクトを支援したい方はこちらから。
尾道は誰もが懐かしさを覚えてしまうような、日本の原風景が息づくまち。
ぜひチェックしてみてくださいね。
information
みはらし亭
時代:大正
年代:大正12年頃(1923年頃)
住所:広島県尾道市東土堂町甲150-2
国登録有形文化財(建造物)
