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writer profile
Yu Ebihara
海老原 悠
えびはら・ゆう●コロカルエディター/ライター。生まれも育ちも埼玉県。地域でユニークな活動をしている人や、暮らしを楽しんでいる人に会いに行ってきます。人との出会いと美味しいものにいざなわれ、西へ東へ全国行脚。
鹿踊り(ししおどり)や神楽の演舞などの芸能、鹿の解体などを通して
郷土芸能の本質を未来へと継承する催し〈ヘンバイバライ2022〉が
10月16日(日)に、岩手県一関市厳美町の〈祭畤(まつるべ)スノーランド〉で開かれます。
ヘンバイとは「反閇」と書き、
鎮魂や邪気を払い除くために大地を踏みしめる、芸能特有の足さばきのこと。
岩手に伝わる郷土芸能の多くの踊りの中に、
腰を低く大地を踏みしめる反閇の動きがあることから、無病息災や五穀豊穣を願い、
日々の暮らしへの感謝を願い舞います。
岩手の先人たちが芸能を通して伝えてきた、命への感謝と供養という本質を見つめ、
いつの時代も変わることのない大切な価値観を未来へと伝えていく祭り、
それがヘンバイバライです。
見どころのひとつは、岩手県内に広く多数伝わる郷土芸能です。
今回のイベントでは、
1700年代に三陸沿岸の水戸辺(みとべ)村(現宮城県南三陸町)から伝授され
現代に伝わる〈行山流舞川鹿子躍〉の、一関市舞川中学校の生徒による演舞や、
遠野市小友町山谷地区に伝わる幕踊り系の獅子踊りである〈山谷獅子踊り〉、
花巻市の無形⺠俗文化財である〈上根子神楽(かみねこかぐら)〉など、
県内6団体の伝統芸能、演舞を見ることができます。
土地に伝わる祈り、伝統、歴史を体感できるまたとない機会です。
また、一関市で染め物や祭り衣装などのプロダクトを手がける〈京屋染物店〉による、
鹿踊りのお面をもとにデザイン・制作した手ぬぐいが発売中です。
この〈ヘンバイバライ手拭〉の売上金は運営資金に当てるそう。
イベント開催を応援したい方はぜひ、ヘンバイバライ手拭のご購入を。
受付にてヘンバイバライ手拭を提示の方には、
イベントオリジナルステッカーをもらえるという特典もあるそうです。
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岩手県大槌町で、鹿肉加工工場をしている〈株式会社MOMIJI〉さん指導のもと、
実際に鹿を解体し、山の獣が食べ物になる過程を学ぶ食育体験も開かれます。
解体終了後は鹿肉のバーベキューも。
生き物が食べ物に変わっていく食育体験を通して、
あらためて「いただきます」を考える機会になりそうです。
鹿踊りは、その迫力ある踊りの中にどこか可愛げなしぐさやユーモラスな姿があり、
年齢・人種を超え多くのファンを惹きつけています。
今回のワークショップは、いつもは見るだけの鹿踊りに、
大人も子どもももっとぐっと中に入って体感することで、
鹿踊りをはじめとする郷土芸能を身近に感じられる企画です。
昨年大盛況だった「シシガシラ絵付けワークショップ」は、
形を変えて今年も開催予定です。
鹿踊りのモチーフにもなっている鹿をかたどった面に、
自分で絵をつけてオリジナルのシシのお面をつくります。
さらに、鹿踊りの踊り手に教わりながら、踊りを体験するワークショップも。
実際の鹿踊りの太鼓のリズムに合わせて、ステップを踏んだり、シャンプしたりと、
体全体でシシになりきって鹿踊りを踊ります。
オリジナルの鹿の面を身に着け、
みんなで「化けて、踊って、シシ踊りを体験する」。
大人から子どもまで、身近に鹿踊りがある方もそうでない方も、鹿踊りを舞ってみると、
岩手という広大な地が生み出した郷土芸能への理解が、より深まるかもしれません。
入場は無料ですが、体験や物販は有料で事前予約が必要なものもあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
information
*価格はすべて税込です。
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