YouTubeチャンネルも開設! 青森からクラフトビールの 魅力を発信する 〈Aomori Brew Pub〉& 〈Be Easy Brewing〉
挑戦できる「遊び場」のような醸造所
青森駅から徒歩約5分、
青森市安方に、市内初のクラフトビール醸造所〈Aomori Brew Pub〉がオープンしています。
ギャレス・バーンズさんが代表を務める弘前で人気のクラフトビール醸造所
〈Be Easy Brewing〉&タップルーム〈ギャレスのアジト〉の姉妹店です。

自社製品のほか、国内外のクラフトビールを販売。毎週訪れても新商品に出会えるほど、品揃えは日々変わっています。
弘前の人気店が、青森にも店を構えるきっかけとなったのは、
2019年青森市で開催された〈ドイツビアフェスト in アスパム〉。
〈Be Easy Brewing〉も出店し、
訪れた人から「やっと飲めた」という声を多く聞いたことでした。
「ずっと飲みたいと思っていたけど、
青森から弘前に飲みに行く機会がなかなかなくてというお客さんが多かったんです」
と話してくれたのは、代表のギャレスさん。

2016年に〈Be Easy Brewing〉&〈ギャレスのアジト〉をオープン。平川市在住で、〈Be Easy Brewing〉で提供する野菜を育てる〈Be Easy Brewing Farms〉も運営。年に1度、自家栽培ホップを収穫したその日のうちに醸造する〈青森フレッシュホップエール〉も販売しています。
「青森県内は、車で移動する人が多いこともあって、
たしかに、自分も五所川原や青森に気になるお店があっても、
なかなか行けずに数年経ってしまうことはあるなとその時気がつきました。
待っているお客さんがいるのなら、青森市内にも店をもちたいと思ったんです」
物件との縁もあって着々と話は進み、
2020年夏に〈Aomori Brew Pub〉はオープンしましたが、世はコロナ禍。
当初は食事も提供する予定でいましたが、計画を変更し、
醸造所とボトルショップという現在のスタイルとなります。

店内では、弘前の〈Be Easy Brewing〉で醸造する缶ビールと、
国内外100種類以上のクラフトビールを販売。
〈Aomori Brew Pub〉で醸造するビールを購入できるのはここだけです。

(左から)〈Aomori Brew Pub〉で醸造した〈後潟(うしろがた)蕎麦エール〉、〈横内(よこうち)ブルーベリーセゾン〉、〈喫茶 マロン〉(青森市)の自家焙煎コーヒー豆を使用した〈マロンコーヒーポーター〉。〈マロンコーヒーポーター〉は需要が高く再販しましたが、基本定番商品はないので気になったものは早めに購入することをおすすめします。
商品名に付く、「後潟」や「横内」は青森市の地名。
第1号商品は〈安方(やすかた)ペールエール〉で、
〈Aomori Brew Pub〉がある地名がつけられました。
「この場所から、徐々にクラフトビール文化が広がっていくイメージで名前をつけています。
いきなり浅虫温泉のような、ここから距離のある有名観光地に飛ぶのではなくて、
青森のことをもっと知ってもらったり、再発見してもらえるように、
古川(ふるかわ)とか長島(ながしま)といった
お店の近くの地名から名前をつけています。
いずれ青森の地名のビールを全部つくれたらいいなと思っているんです」

おつまみとして自家製のスモークナッツも販売します。現在ビールは瓶・缶製品の販売のみ(店内の席で飲むことは可能)ですが、コロナウィルスの流行が落ち着いたときには、生ビールも提供したいと考えています。
〈Aomori Brew Pub〉では、100リットルのタンクで醸造を行っているため、
ひとつのタンクでできるビールは約250本。
いろんな素材を使ったビールづくりに挑戦できることが魅力だと
ギャレスさんは話します。
「“遊び場”や“研究所”のようなイメージです。
〈Be Easy Brewing〉では1000リットルのタンクで醸造しているので、
たくさん売れる商品でないと醸造することが難しいですが、
〈Aomori Brew Pub〉では、
スタッフがつくってみたいというビールや、変わったビールもつくることができます。
パクチーのビールとか、ホップを使わないハーブのビールとか、
青森県産のブナを使用した木工品〈ブナコ〉で風味づけをするビールとか……。
うまくいくかわからないけど挑戦できる。
青森県産のハチミツを使ったミードもつくってみたいですね」
ビールを通じて青森の魅力を伝える
このほか、コロナ禍にギャレスさんが新しく取り組み始めたのが、
〈Be Easy Brewing〉での缶ビールの製造です。

(左から)〈青森エール〉、〈へごま〉、青森市で栽培した「あおもりカシス」を使用した〈あおもりカシスビール〉、〈岩木山の秋〉。へごまは「真面目・集中する」を意味する津軽弁で、醸造に手間がかかるライ麦を使ったビールに名付けられました。〈岩木山の~〉はシリーズで季節の商品が登場する予定。
これまでは瓶製品で、購入できる店も限られていましたが、
量販店での流通も開始。インターネットでも購入できるようになりました。
〈Be Easy Brewing〉の商品には、定番で販売する3種
〈青森エール〉、〈レイズ ミルク スタウト〉、〈デビーズ ペール エール〉以外には、
ほとんどに津軽弁の名前がつけられています。
「お店でオーダーしてもらうときは、
津軽弁を使わないと頼めないんです。〈へごま〉ハーフとか、
〈へごま〉パイントとか。そうすると〈へごま〉って何だろうって調べるでしょう?
津軽弁おもしろいね、青森おもしろいねって興味をもってもらえたら
うれしいなと思って名前を考えています」

コラボ商品も多く販売。最近話題となったのが、〈青森エール~白麹(こうじ)ver 〉。弘前市の〈加藤酒店〉がプロデュースし、〈豊盃(ほうはい)〉で知られる〈三浦酒造〉(弘前市)の白麹を使用してつくられました。「定番の〈青森エール〉に白麹を加えただけなのですが、全然違う仕上がりになりました。今度は黒麹や黄麹でもやってみたい」とギャレスさん。
クラフトビールを軸に、青森の魅力を伝えているギャレスさんですが、
使う素材の決め手は、青森県産であることではなく、いい素材であること。
「県産だからなんでもいいわけではなくて、おいしいものがいいんです。
おいしくないものを、一生懸命つくっているビールに入れて、
味が落ちてしまうのは意味がないですよね。
だからBe Easy Brewingを始めた当初は、
あえてリンゴを使いませんでした。
青森の醸造所がつくるからリンゴを使用するのではなくて、
まずおいしいビールをつくって、認めてもらって、
ギャレスのビールで青森のリンゴを使っているから
飲んでみたいと思ってもらいたかった。
そのほうがリンゴのPRにもなるでしょう」

「いつも勉強。これでいいと思うことはありません。山の上に行ったら、隣の山の下にたどり着くだけ。だからずっと登らないといけない。ビールづくりに限らず、これが人生だと思っています」とギャレスさん。
いろんな世界とつながれる
10年以上前にクラフトビールに魅了されたギャレスさん。
「クラフトビールは今のように盛んではなくて、
東北でつくろうとする人がいなかったんですよね。
自分がやらなければと思ったんです」と独学で醸造を始めます。
「おいしいものはおいしい。まちに大手のファーストフード店があっても、
手づくりの小さなハンバーガー屋さんはあってほしいし、
スーパーで焼き鳥を売っていても、小路の小さな焼き鳥屋さんもあってほしい。
だから大手のビールがあるとしても、
クラフトビールの需要は広がる可能性があると思いました」

定番商品の〈デビーズ ペール エール〉が、〈Be Easy Brewing〉ではじめてつくったビールです。デビーはギャレスさんの母の名前。当初は第1号製品にも津軽弁の名前をつけようと思っていましたが、苦労して完成した日がたまたまデビーさんの誕生日だったことからこの商品名が生まれました。
クラフトビールは業種や分野の壁を超えて
つながれるものがたくさんあることも魅力だとギャレスさんは話します。
「〈Be Easy Brewing〉では、楽天イーグルスのオフィシャルビールもつくっています。
ユナイテッドアローズとコラボしたビールも発売になりましたし、
メーカーから廃棄野菜でつくるビール開発の相談も受けました。
ビール屋さんなのに、いろんな業界とつながることができる。
津軽弁も教えられるし、青森県産のものも広げられる。すごく楽しいです」

ジャパン・クラフト・ビール・チャンネル開設!
そんなギャレスさんが今、力を入れているのが、
全国のクラフトビール魅力を伝えるYouTube。
『ジャパン・クラフト・ビール・チャンネル』を開設し、
〈ベアレンビール〉(岩手県)、〈沼津クラフト〉(静岡県)、
〈くにぶる〉(東京都)など、自身で全国のクラフトビール工場を旅して、
紹介しています。

「職人と職人の会話なので、
普通のインタビューでは聞けない話が満載でおもしろいですよ。
本音も出るし、ここでしか伝えられないクラフトビールの世界の魅力を
発信できると思っています」
いずれは海外の醸造所も訪問し、
日本人が旅行する際の手助けになるような映像も
配信していきたいと考えています。
「クラフトビールは、つくっている人の味が出るのがおもしろいんです。
すごく魅力的な世界。携わっている人たちは仲が良くて、
いいビールができたらうれしいってみんな思うから、
新しい製品ができたらすぐつくり方を教え合います。
なぜなら絶対真似はしないから。
みんなまったく同じものをつくるのはおもしろくないと感じていて、
方法を聞いて、“自分の味”のビールをつくるんです。
そこがおもしろいし、深いし、本当にこの仕事が楽しい」
クラフトビールの世界が大好きだというギャレスさん。
その魅力を青森から全国・世界へ発信しています。
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