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posted:2018.5.23 from:北海道当麻町 genre:食・グルメ
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writer profile
Yuka Nakamura
中村由香
なかむら・ゆか●東京都出身の江戸っ子。スイーツ研究家。おやつ番長と言われること十何年。世界中のお菓子を探し訪ねています。温泉とサッカー好きでもあり、サッカーを通じて日本中世界中を訪ねています。
神奈川県横須賀から北海道当麻町へ移住した、
川端学さんが作った「トマトジュース」が今年の9月から発売を開始します。
神奈川県横須賀市生まれの川端学さん。
東京で大学を出て、メーカーに就職。
たまたま、札幌へ転勤になりました。
そこで感じた自然の豊かさ。
北海道の美しさ。農業の素晴らしさ。
もともと奥様の祖父母が農業をやっていたため、全く抵抗なく農業をやる気になったそうです。
メーカーも退職し、かねがね考えていた無農薬、
有機栽培に力を入れている地域を探し始め、たどり着いたのは上川郡当麻町。北海道のど真ん中。
旭川のそば、石狩川の流れに沿った町、冬には雪が2m近くにもなる町です。
この町では移住支援を行っていて、住居、子育て、農業支援をしています。
川端さんは農地(1.5ha)とビニールハウス10棟、トラクター2台、
除雪機に納屋2棟、オマケに住宅も付いてくる好条件の土地を購入しました。
格安だったそうですが、築70年の立派なものでした。
北緯43度49分に位置する当麻町。
日本の中でもかなり北に位置するために、夏の日中時間が長く、冬は短い。
大雪山の麓に位置する上川盆地は昼夜の温度差が大きく、
トマトの体内にゆっくり糖分を蓄えて、甘味の強いトマトが出来上がります。
そのトマトで大玉で作るのが普通とされているなか、
川端さんは、小さいサイズのトマトでトマトジュースを作ってみました。
すると、今までにない、甘いトマトジュースが出来上がりました!
トマトの酸味が全くなくフルーツジュースを飲んでいるような味。
「トマト嫌いの子供でもこくこくと飲んでしまいますね」と言うのも頷けます。
小さいサイズのトマトでジュースを他でも作っているところはあるのですが、
なかなかの出来栄えだと大評判。
もちろん有機栽培無農薬で育てているトマトから作ります。
ラベルのイラストはイラストレーターの幼稚園の同級生、長澤星さんに依頼しました。
飼っている北海道犬を入れてもらってきれいなトマトの色のイラストの完成です。
Page 2
去年、川端さんは実家の横須賀に帰省しました。
イラストを描いてもらった長澤星さんを訪ね、奥様を連れて鎌倉観光へ。
長澤さんから「鎌倉の三留商店の奥様は自分たちの幼稚園の時の先生だよ」と
教えてもらっていたのでお店を覗いてみたところ、三留商店の奥様は覚えてくれていたのです。
教え子の二人が手をかけたとまとジュース、置かないわけにはいかないでしょう。
と早速、注文してくれました。
三留商店は鎌倉長谷で創業1882年、今は新しい建物になりましたが、
鎌倉の中でも由緒ただしいグロサリーショップ、オリジナルで作成している
「薬膳ソース」や「ピクル酢」で知ってるかたも多い人気店です。
仕入れたジュースはあっという間に売り切れ、慌てて追加しましたがまた完売!
今年は9月から発売する予定だそうですが、去年の倍以上仕入れる予定だそうです。
「まさか教え子が北海道へ引っ越してとまとジュースを作って、
ラベルをまた教え子が描いてるなんて、びっくり。北海道なんて想像もつかなかった。
けれど、こういうのはとてもいいご縁だからこれからも応援していこうと思っています」
と三留商店の三留昭代さん。
三留商店のおかげもあって、2年目で軌道に乗りそうな川端さんのとまとジュース。
直送もできるようにしたい、とサイトも作成中。
この秋からは、横須賀発北海道産の美味しさが、
いろんなところで飲まれるようになりそうです。
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