【無料オンラインセミナー】中川政七商店と読み解く、産地発ビジネスの“売れ続ける仕組み”とは?

「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、300年の歴史を持ちながら常に革新を続ける〈中川政七商店〉。同社が主催する「地産地匠アワード」でグランプリを受賞したデザイナー・菅野大門さんをゲストに迎えた「コロカルアカデミーVol.12」が、4月7日に開催されました。

今回は初の「90分拡大版」。単なる成功事例の紹介にとどまらず、ビジネスとして「売れ続ける仕組み」をどう実装するのか、その核心に迫る熱いトークが展開されました。

見逃した方、もう一度じっくり学びたい方のために、アーカイブ動画を配信中です!

中川政七商店が実践する「ブランド戦略」の核心

中川政七商店のオンラインセミナーの様子

第1部では、〈中川政七商店〉で地産地匠アワードを担当する野村隆文さんが登壇。同社が実践するSPA(製造小売業)事業と産地支援事業の両輪モデルについて語りました。

「自分たちの商売だけがうまくいったとしても、産地やメーカーさんが続けられなくなっていくと、自分たちの売るものがなくなる。ブランド自体も立ち行かなくなってしまいます」

野村さんは、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンが、CSV的な目的ではなく、自社のブランドの独自性や差別化に直結していると説明。さらに、ブランドづくりは「総力戦」であると強調しました。

「ロゴを変えたりパッケージを作ったりといったことだけではなく、本当に一挙一投足で、全体が総力戦である。商品が表現していることと接客で言ってることが乖離してしまわないように、できるだけ整合性と一貫性が取れるように考えています」

工場から実況中継!「大門箸」誕生の裏側

第2部では、「地産地匠アワード2025」グランプリ受賞デザイナーの菅野大門さんが、なんと奈良県の箸工場から実況中継で登場!

中川政七商店のオンラインセミナーの様子

菅野さんが手がけた「大門箸」は、吉野ヒノキの端材を活用し、持ちやすさと美しさを両立させた極細の箸。しかし、その開発のきっかけは、単なるデザインの追求ではありませんでした。

「来月にも倒産しかねない、瀬戸際にある地方の家族経営の工場に入りました。まずは何より利益を生み、会社を存続させなければなりません。しかし、そのためにはまず『まともに働ける環境』が必要です。そこで、トイレの改装やWi-Fiの整備、伝票のDX化といった現場の基盤づくりから手をつけました。そうした業務効率化や環境改善という一連の立て直し作業(ワークフロー)の中から、結果として生まれたプロダクトの一つが『大門箸』なのです」

さらに、パッケージデザインについても、単に「洗練されたたデザイン」を目指すのではなく、店頭での機能性を重視したと語ります。

「デザイナーがつくったシュッとしたデザインが僕はあまり好きじゃなくて。やっぱり社会や、店頭できちんと機能するもの。黙ってても売れていくものっていうのが一番理想だなって思ってデザインしました」

「売れ続ける」ではなく「売り続ける」仕組み

中川政七商店のオンラインセミナーの様子

セッションの終盤、野村さんは「売れ続ける仕組み」について、次のように語りました。

「売れ続けるというより、やっぱ『売り続ける』ことがすごい大事で。いかに健やかに長く売り続けられるように設計をするか。他方で、たくさん売れたことに対して対応できる、作る方の「持続可能性」もすごく大事です」

「ブランドの作り方」から「具体的な販路開拓の実践」まで、90分間ノンストップで語られた熱いセッション。記事では紹介しきれなかった「売り続ける仕組み」の全貌や、実際の箸工場の製造風景は、ぜひアーカイブ動画でご覧ください!

アーカイブ動画の視聴はこちらから!

参加者の声

  • 「売れ続ける」ではなく「売り続ける」という視点がとても印象的で、なるほどと感じました。また、地方においてデザイン業としてどのように立ち回るかについても、多くの学びがありました。
  • ビジョンコンセプトバリューのつながりが勉強になりました。企業の社会的意義を整理するためにビジョンは必要だが、それだけを押し出した場合、商品を購入する生活者との乖離が生まれてしまうと実感しました。商品と生活者を結びつけるためには、コンセプトそしてバリューに落とし込むことが重要だと学びました。
  • 地方で手工芸を営む会社におりますが、経営は厳しく、来年にはどうなるかわからないという状況です。地産地匠アワードのパートで、実際に現地で働くデザイナーの方のお話を伺うことができ、少し希望が持てました。

登壇者プロフィール

野村 隆文(のむら・たかふみ)さん

野村 隆文


〈中川政七商店〉社長室・コーポレートブランディング担当。1993年兵庫県生まれ、福島県在住。大学卒業後、コピーライターとして広告制作に従事。2021年より〈中川政七商店〉に所属し、MD計画や商品開発・コーポレートブランディングを担当しながら、コンサルタントとして全国のものづくり企業の経営とデザインを支援。2023年からは「地産地匠アワード」を立ち上げ、事務局として受賞者の伴走支援を行っている。

菅野 大門(かんの・だいもん)

菅野 大門

雑貨メーカー〈A4/エーヨン〉主宰。1983年福島県生まれ。農家と古物商の祖父を持ち、米作り・物作り・古物売買に親しみながら育つ。発明と実用を両立させ、これまでにない雑貨の開発・デザイン・販売、そして“売れ続ける仕組みづくり”に取り組む。主な代表作に、シヤチハタ「faces stamp」、「活字ブックマーカー」、「tumi-isi」、「大門箸」など。受賞歴にグッドデザイン賞、グッド・トイ賞などがある。

HP:https://www.designofficea4.com/

杉江 宣洋(すぎえ・のぶひろ )

杉江編集長

〈コロカル〉編集長。マガジンハウス入社後、『anan』『BRUTUS』などの副編集長を経て、2022年『Hanako』編集長就任。2025年より現職。

【視聴無料】地方の建築は、地域創生の入り口だった。建築史家・倉方俊輔に学ぶ、建物から始まるまちの再発見

地域の暮らしや文化に根ざした新しい学びの場「コロカルアカデミー」は、今回で第14回を迎えます。主催は、日本各地のローカルの魅力を発信し続けるWebマガジン「コロカル」です。

今回のテーマは「建築を開き、地域をつなぐ」。 日本最大級の建築公開イベント「東京建築祭」や「イケフェス大阪」の実行委員を務め、建築の価値を社会に広く伝える活動を行う建築史家・倉方俊輔氏をゲストにお迎えします。

地方には、時代や設計者、地域の歴史を物語る「建築」が数多く存在します。しかし、それらが単なる「古い建物」として見過ごされたり、維持管理の課題に直面したりしているケースも少なくありません。

建物の見方を変え、地域の資源としてどう活かし、未来へ受け継いでいくのか。本セミナーでは、倉方氏の最新刊『建築を旅する』の視点や、これまでの実践的な活動をもとに、普段入れない建築の扉を開くことで地域にどのような変化や人の交わりが生まれるのかを紐解きます。

【セミナー構成(60分 )】

【導入】建築史家という仕事と、建築の面白さ
建築史家とは何か? 建物を通して「時代・設計者・地域」のつながりを読み解く視点についてお話しいただきます。

【第1部】建築を開くことで生まれる価値
イケフェス大阪や東京建築祭の実践から。普段入れない建築を開くことで、地域にどんな変化や人の交わりが生まれるのか、具体的な事例を交えて解説します。

【第2部】「建築ツーリズム」と地方創生
最新刊『建築を旅する』を軸に。地方の名建築を観光資源や地域の誇りとしてどう活かし、未来へ受け継ぐか。コンバージョン(用途転換)やリノベーションが地域固有の歴史的文脈を自然に学ばせることに繋がる点など、地方創生へのアプローチを深掘りします。
最後にはQ&Aの時間もございます。

【こんな方におすすめ】

  • 自治体の地域振興・商工観光の担当者様
  • まちづくりや地域資源の活用に携わる方
  • 「建築ツーリズム」や歴史的建造物の保存・再生に関心のある方
  • 地域の魅力を再発見し、新たな価値を生み出したい方

【開催詳細】

  • 開催日時:2026年6月10日(水)15:00〜16:00
  • 開催方法:Zoomウェビナーでのオンライン配信(お申し込み後にURLを送付)
  • 参加料:無料
  • 申し込み期限:2026年6月9日(火)18:00まで

【登壇者プロフィール】
コロカルアカデミー倉方俊輔

建築史家/大阪公立大学教授 倉方 俊輔(くらかた・しゅんすけ )

1971年東京都生まれ。大阪公立大学教授。 日本近現代の建築史の研究と並行して、日本最大級の建築イベント「東京建築祭」の実行委員長、「イケフェス大阪」「京都モダン建築祭」の実行委員を務めるなど、建築の価値を社会に広く伝える活動を行う。著書に『建築を旅する』『悪のル・コルビュジエ』『建築を楽しむ教科書』ほか多数。受賞歴にグッドデザイン賞グッドデザイン・ベスト100、日本建築学会賞(業績)などがある。

杉江編集長
杉江 宣洋(コロカル編集長)
マガジンハウス入社後、『anan』『BRUTUS』などの副編集長を経て、2022年『Hanako』編集長就任。2025年より現職。

 

【前回参加者の声】

  • 「無料とは思えないほど内容が濃く、とても有意義なウェビナーでした。また同様のウェビナーがあれば、ぜひ受講したいです」
  • 「ブランディングとは伝えるべき情報を整理して正しく伝えること。今の自分にできることを照らし合わせて活かそうと思いました」
  • 「テーマを別のものに置き換えて、今の自分の問題解決の糸口になるアイデアをたくさんもらえました」

【注意事項】

  • 本イベントはオンライン開催です。
  • 音声や映像の乱れが生じる場合があります。安定した通信環境でご視聴ください。
  • 録画・録音・再配信はご遠慮ください。
  • お申し込みいただいた方には、後日見逃し配信のご案内をお送りします。当日ご参加が難しい場合も、ぜひお気軽にお申し込みください。

 

【視聴無料】〈ゴールドウイン〉が地方で「公園」づくり!? 地域と共創し、成し遂げるコツ、未来を描く創造力とは

〜富山県南砺市「Play Earth Park Naturing Forest」の事例から学ぶ、企業と地域の新しい関係〜

地域の暮らしや文化に根ざした新しい学びの場「コロカルアカデミー」は、今回で第13回を迎えます。主催は、日本各地のローカルの魅力を発信し続けるWebマガジン〈コロカル〉です。

今回のテーマは「企業と地域の共創による、未来の場づくり」。スポーツアパレルメーカーとして知られる〈ゴールドウイン〉、創業の地である富山県で進めている次世代型ネイチャーパーク「Play Earth Park Naturing Forest(プレイアースパーク ネイチャーリング フォレスト)」プロジェクトに焦点を当てます。ゲストには、株式会社PLAY EARTH PARK 事業本部長 兼 管理部部長の斎藤洋史氏をお迎えします。

<ゴールドウイン>が地方で「公園」づくり!? 地域と共創する苦労、成し遂げるコツ、未来を描く創造力とは。


約40ヘクタールという広大な土地で、多くの地権者や自治体とどのように合意形成を図り、プロジェクトを前進させてきたのか。単なる豪華な施設の紹介にとどまらず、地域と信頼関係を築いていく道のりや、自治体を巻き込むコツ、そしてゴールドウインが実践する「2050年の未来を描く創造力」の核心に迫ります。

【セミナー構成(60分)】

【第1部】プロジェクトの背景と「Play Earth Park」構想
ゴールドウインがなぜ富山県で「公園」をつくるのか。プロジェクト発足の裏側や、2050年を見据えた企業のビジョンを公開します。

【第2部】地域共創のリアルと実践
約40ヘクタールの広大な土地、多数の地権者。南砺市と連携し、どのように交渉し合意形成を図ってきたのか。地域が求めることと、企業としての洗練されたデザインやコンセプトをどう両立させているのか、実務責任者ならではのリアルなエピソードを紐解きます。

最後にはQ&Aの時間もございます。

【こんな方におすすめ】

•自治体の地域振興・まちづくり・商工観光の担当者様
•地方での新規事業やプロジェクト開発に携わる方
•企業と地域の連携、ステークホルダーとの合意形成に課題を感じている方
•「社会性とビジネス成果を両立」するアイデアを学びたい方

【開催詳細】

•開催日時: 2026年5月13日(水) 15:00〜16:00
•開催方法: Zoomウェビナーでのオンライン配信(お申し込み後にURLを送付)
•参加料: 無料
•申し込み期限: 2026年5月12日(火) 11:59まで
※申し込みは終了しました。

【登壇者プロフィール】

株式会社PLAY EARTH PARK 事業本部長 兼 管理部部長
斎藤 洋史(さいとう ひろし)

株式会社PLAY EARTH PARK 事業本部長 兼 管理部部長 斎藤 洋史

2006年ゴールドウイン入社。財務領域で基盤を築いた後、スイムウエアブランド「Speedo」にてディストリビューターとメーカー双方の視点からブランド再構築を推進。2022年よりPLAY EARTH PARK事業に参画。地域・自治体との連携交渉を主導し、建築計画や多様なステークホルダーとの合意形成を横断的に統括。プロジェクトを前進させる実務の責任者を務める。

杉江 宣洋(コロカル編集長)

杉江編集長

マガジンハウス入社後、『anan』『BRUTUS』などの副編集長を経て、2022年『Hanako』編集長就任。2025年より現職。

【前回参加者の声】

•「内容がとても面白く、あっという間の1時間でした。仕事のモチベーションも上がりました」
•「具体的な数字や、イベントの“裏側”の話が非常に参考になった」
•「ビジネスとしてどう成り立っているかが初めて理解でき、納得感がありました」

【注意事項】

•本イベントはオンライン開催です。
•音声や映像の乱れが生じる場合があります。安定した通信環境でご視聴ください。
•録画・録音・再配信はご遠慮ください。
•お申し込みいただいた方には、後日見逃し配信のご案内をお送りします。当日ご参加が難しい場合も、ぜひお気軽にお申し込みください。

※申し込みは終了しました。

【講座動画あり】計画で終わらせない地方創生。さとゆめの「実現」する力

日本のローカルの魅力を発信する〈コロカル〉のウェビナー講義シリーズ〈コロカルアカデミー〉第11回を開催しました。

ゲストには、地域創生を「理念」ではなく「事業」として成立させ続けてきた実践者、株式会社〈さとゆめ〉代表取締役CEO・嶋田俊平さんをお迎えしました。

「すべての人がふるさとに誇りを持ち、ふるさとの力になれる社会をつくる」というビジョンを単なる言葉にとどめず、計画から実装、そして継続可能な事業として地域に根付かせてきた〈さとゆめ〉。これまで手がけてきた数々のプロジェクトを手がかりに、地域創生コンサルティングの本質に迫る、濃密な時間となりました。

見逃し配信を視聴したい方はこちらからお申し込みください。

計画で終わらせない地方創生。「実現」まで伴走する、さとゆめの思想と実践|コロカルアカデミー Vol.11

嶋田俊平(しまだ・しゅんぺい)株式会社さとゆめ 代表取締役 CEO
京都大学大学院農学研究科森林科学専攻修了。環境系シンクタンク勤務を経て、2013年に株式会社さとゆめを設立。地方創生の戦略策定から商品開発、販路開拓、店舗立ち上げ、観光事業運営まで、地域に一気通貫で伴走する事業プロデュースを行う。山梨県小菅村「NIPPONIA 小菅 源流の村」、JR東日本との「沿線まるごと」事業、HISとの「Destination Create Project」など、全国各地で多数のプロジェクトを手がける。

「沿線まるごとホテル」という着想と実装

計画で終わらせない地方創生。
「実現」まで伴走する、
さとゆめの思想と実践

嶋田さんから最初に紹介されたのは、「沿線まるごとホテル」という事業です。

JR東日本と〈さとゆめ〉が共同で進めているこのプロジェクトは、鉄道沿線の複数の地域に点在する地域資源を編集し、一つの「ホテル」として見立てた世界観を構築し、新たな滞在型観光やマイクロツーリズムの創出を図る地域活性化プロジェクトです。

鉄道会社にとっては沿線の魅力を高めることで乗客を増やせる。地域にとっては新しい宿泊施設や雇用が生まれる。旅行者にとってはその地域でしかできない体験ができる、三方よしのモデルを目指しています。実際、ベンチマークとなっている山梨県小菅村で手がけた古民家ホテルの事業では、地域経済の活性化に大きな貢献をし、地域系の主要アワードでは三冠を達成するなど、大きな注目を集めています。

地域を活かす、ロジカルかつ独創的な事例に胸が躍ります。

〈さとゆめ〉が生まれた経緯

計画で終わらせない地方創生。 「実現」まで伴走する、 さとゆめの思想と実践

そんな独創的な地域事業を支え続けてきた〈さとゆめ〉の創業は、2013年のこと。「ふるさとの夢をかたちに」をミッションに掲げ、地域に徹底的に伴走するスタイルで、全国50以上の地域で、古民家ホテルや地域商社、沿線活性化など、さまざまな事業の立ち上げや運営支援を行ってきました。

伴走から生まれた事業は多岐にわたりますが、その背景にあるのは、〈さとゆめ〉が持つ事業化プロセスのフェーズ区分です。詳しくは本編に譲りますが、NPOフェーズ、コンサルフェーズ、事業フェーズに分けたマトリクスは、多くのプロジェクト立案や遂行に関わる人にとって、役に立つ視点となるでしょう。

ついに辿り着いた「さとゆめモデル」

計画で終わらせない地方創生。
「実現」まで伴走する、
さとゆめの思想と実践


地域創生事業に伴走し続けた〈さとゆめ〉が見出した、究極のモデルとも言えるのが「さとゆめモデル」です。特徴は下記の4つ。

1つ目は、調査・計画から事業の立ち上げ、運営までを一気通貫で伴走すること。
2つ目は、計画・人材・資金をトータルでコーディネートすること。
3つ目は、エリアマネジメントとファシリティマネジメントを両立させること。
4つ目は、所有と運営を分離する仕組みをつくること。

一つの部分だけでも達成が難しい中、これら4つを同時に実装しているのが〈さとゆめ〉の強みです。ここまでは、プロジェクトのスキームに特化した話でしたが、後半では嶋田さんご自身の哲学や思想にフォーカスが当たります。

情緒が形成された場所、としての「ふるさと」

計画で終わらせない地方創生。 「実現」まで伴走する、 さとゆめの思想と実践

嶋田さんは、「ふるさと」を単に生まれ育った場所ではなく、自分の情緒が形成された場所。その風景や人との関わりの中で、自分が何者であるかを感じられる場所、として捉えています。

そこで大切なのは、「誇りを持てるかどうか」。〈さとゆめ〉のビジョンである「すべての人がふるさとに誇りを持ち、ふるさとの力になれる社会をつくる」こと。この言葉こそが、すべての活動の根底にあると嶋田さんは語ります。

最後は民俗学の宮本常一さんにまで話は及び、日本の地方という場所や文化が持つポテンシャルと哲学を肌で感じるひとときでした。

ふるさとにこだわる、ということ

嶋田さんの知的で説得的かつ情緒的なアプローチは、地域創生に本気で関わってきた人にしか出せない、論理とロマン溢れるものでした。その知性と情緒にまたがるように宿り、本質となっているのは、まさに民俗学的視座ともいうべき、ふるさとに対する眼差しです。

人口減少社会となり、ミニマムかつコンパクトな社会が望まれる一方で、日々刻々と失われゆく自然やふるさとの景色があります。そんな地域のポテンシャルをなんとかして引き出し、善意ではなく事業として成立させ、人々の役に立つように創り上げていく。そのこだわりの迫力は、これからの地域創生にとっての希望であり、まさに夢を背負った取り組みだと感じました。

講座本編終了後のQ&Aでは、地元の皆さんとのより深い関わり合いや、離島における地方創生など、より具体的な話題も盛りだくさんでした。

地域創生に取り組もうとしている人、地域のポテンシャルを引き出したいと考えている人、地域課題にロジカルかつ情緒を大切に事業として向き合いたい方など、多くの方におすすめの内容です。

本講座の全編は、以下のリンクから見逃し配信でご視聴いただけます。

 

【視聴無料】中川政七商店と学ぶ、工芸が“売れ続ける”仕組み

〜地産地匠アワード2025グランプリ事例から学ぶ、経営とデザインの融合〜
地域の暮らしや文化に根ざした新しい学びの場「コロカルアカデミー」は、今回で第12回を迎えます。主催は、日本各地のローカルの魅力を発信し続けるWebマガジン〈コロカル〉です。
テーマは「経営とデザインの融合による、産地の再生」。「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、300年の歴史を持ちながら常に革新を続ける中川政七商店。そして、その中川政七商店が主催する「地産地匠アワード2025」でグランプリを受賞したデザイナー・菅野大門氏をゲストに迎えます。
前回のアンケートでいただいた「事例をもっと深掘りして聞きたかった」という声にお応えし、今回は初の「90分拡大版」特別枠として開催。単なる成功事例の紹介にとどまらず、ビジネスとして「売れ続ける仕組み」をどう実装するのか、その核心に迫ります。


【セミナー構成(90分)】
【第1部】経営・ブランド戦略

中川政七商店が実践する「産地の一番星をつくる事業」の思想と事業の考え方を公開。単なる支援に留まらない、持続可能なブランドづくりの核心に迫ります。
【第2部】地産地匠アワード 実践深掘り
2025年グランプリ受賞デザイナーの菅野氏を迎え、「どう関われば道が開けるのか」を具体的に解説。発明と実用を両立させたデザインが、いかにして販路を切り拓いたのか、その実態を紐解きます。
最後にはQ&Aの時間もございます。

【こんな方におすすめ】

  • 自治体の地域振興・商工観光の担当者様
  • 地場産業の経営者・ものづくりに携わる方
  • 「社会性とビジネス成果を両立」するアイデアを学びたい方
  • デザイナーとの連携や、具体的な販路開拓に課題を感じている

【開催詳細】
開催日時:2026年4月7日(火) 15:00〜16:30
開催方法:Zoomウェビナーでのオンライン配信(お申し込み後にURLを送付)
参加料無料
申し込み期限:2026年4月6日(月) 23:59まで

【登壇者プロフィール】
地産地匠アワード事務局
中川政七商店 社長室・コーポレートブランディング担当
野村 隆文

1993年兵庫県生まれ、福島県在住。
大学卒業後、コピーライターとして広告制作に従事。2021年より中川政七商店に所属し、MD計画や商品開発・コーポレートブランディングを担当しながら、コンサルタントとして全国のものづくり企業の経営とデザインを支援。2023年からは、産地のメーカーとデザイナーのタッグに光を当てる「地産地匠アワード」を立ち上げ、事務局として受賞者の伴走支援を行っている。


地産地匠アワード2025 グランプリ受賞デザイナー
A4/エーヨン
菅野 大門


1983年福島県生まれ。雑貨メーカー「A4/エーヨン」主宰。
農家と古物商の祖父を持ち、米作り・物作り・古物売買に親しみながら育つ。発明と実用を両立させ、これまでにない雑貨の開発・デザイン・販売、そして“売れ続ける仕組みづくり”に取り組む。主な代表作に、シヤチハタ「faces stamp」、「活字ブックマーカー」、「tumi-isi」、「大門箸」など。受賞歴にグッドデザイン賞、グッド・トイ賞などがある。
www.designofficea4.com


杉江 宣洋(コロカル編集長)
 

マガジンハウス入社後、『anan』『BRUTUS』などの副編集長を経て、2022年『Hanako』編集長就任。2025年より現職。


【前回参加者の声】
「内容がとても面白く、あっという間の1時間でした。仕事のモチベーションも上がりました」
「具体的な数字や、イベントの“裏側”の話が非常に参考になった」
「ビジネスとしてどう成り立っているかが初めて理解でき、納得感がありました」 


【注意事項】
本イベントはオンライン開催です。
音声や映像の乱れが生じる場合があります。安定した通信環境でご視聴ください。
録画・録音・再配信はご遠慮ください。
お申し込みいただいた方には、後日見逃し配信のご案内をお送りします。当日ご参加が難しい場合も、ぜひお気軽にお申し込みください。

【講座動画あり】ユニクロが瀬戸内で続けてきたこと。24年の社会貢献と現場のリアル

日本のローカルの魅力を発信する〈コロカル〉によるウェビナー講義、第10回を開催しました。ゲストは、〈ユニクロ〉のサステナビリティを24年間現場で支えてきた、サステナビリティマーケティング部長のシェルバ英子さん。

四半世紀にわたり支援を続ける〈瀬戸内オリーブ基金〉の事例を中心に、グローバル企業が地域とどう向き合うべきか、その本質を語っていただきました。


【登壇者プロフィール】

シェルバ 英子(しぇるば・えいこ)
株式会社ユニクロ サステナビリティマーケティング 部長
大学卒業後、外資系アパレル企業などを経て、2001年ファーストリテイリングに入社。同年に発足した、現在のサステナビリティ部の前身「社会貢献室」に配属され、以降24年にわたりサステナビリティ領域を一貫して担当。「全商品リサイクル活動(現:RE.UNIQLO)」や「ユニクロ東北復興応援プロジェクト」、「Clothes for Smiles」など、数々の社会貢献・環境プロジェクトの立ち上げに参画。2020年より、サステナビリティの情報発信を担当。

〈ユニクロ〉とサステナビリティの長い歴史


世界中で愛される〈ユニクロ〉ですが、そのサステナビリティ活動には長い歴史があります。

2001年の「社会貢献室」立ち上げ当時、〈ユニクロ〉は山口から東京に本部機能を設置した直後でした。フリースの大ヒットで急成長する中、柳井正社長(当時)が掲げたのは「利益を上げたなら、社会に還元しなければならない」という強い意志。

「地域との共存共栄がなければ、企業は生き残れない」という同社の哲学は、SDGsという言葉が広まるずっと前から、組織の基礎として徹底されてきました。

アパレル産業の課題に「現場」で向き合う

一方で、アパレル産業は「世界で2番目に環境負荷が高い」と言われる深刻な課題を抱えています。人権、廃棄、動物愛護……。〈ユニクロ〉はこれらの問題から目を背けず、むしろ独自のアプローチで向き合ってきました。

掲げているのは「Think globally, Act locally」。 グローバルな視点を持ちつつ、各地域の現場で課題を解決する。2004年にCSR部が設立され、組織として社会課題と事業活動を統合させる体制を整えてきました。

グローバルとローカルのダイナミックな行き来

〈ユニクロ〉の戦略はシンプルです。「掛け声はグローバル共通、実行はローカル」。 ミッションや価値観は世界で共有しつつ、具体的な実行方法は各地域に委ねる。この積み重ねが、独自の循環を生み出しています。

  • 障がい者雇用:各国の事情に合わせた多様な働き方の推進
  • RE.UNIQLO:服の修理やリメイクを通じた循環型モデル
  • 衣料支援:世界各地のニーズに応じたダイレクトな支援

世界で生まれた成功事例をグローバルへ広げていく、そのダイナミックな動きに〈ユニクロ〉の強さがあります。

瀬戸内オリーブ基金:支援の原点と「継続」の価値


今回のメインテーマである〈瀬戸内オリーブ基金〉は、戦後最大級の不法投棄事件「豊島事件」をきっかけに設立されました。

特筆すべきは、その圧倒的な継続力です。

  • 店頭募金:累計4億円を突破(2025年12月時点)
  • ボランティア:延べ1500人の社員が参加
  • 現場主義:資金援助に留まらず、社員が自ら現場へ入る

「一度関わったからには、最後まで見届ける責任がある」。このシェルバさんの言葉は、サステナビリティの本質を突いています。続けることでしかノウハウは蓄積されず、信頼の輪も広がらないからです。

循環は「続けること」から始まる

サステナビリティで語られる「循環」は、続けることが大前提です。途絶えてしまえば、めぐることは不可能です。

〈ユニクロ〉という巨大企業の取り組みは、私たち個人や小さな事業においても、「日々の積み重ねを投げ出さない」という普遍的な教訓を与えてくれます。

アーカイブ動画では、サステナビリティ分野でのキャリア形成や、〈ユニクロ〉で服を買うことの意味など、Q&Aセクションも必見の内容です。アパレルや衣服が好きな方はもちろん、サステナビリティの実践に関心があるすべての方に。

見逃し配信を視聴したい方はぜひ、こちらからお申し込みください。