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コーヒー片手にほっとひと息
「わたしのまちの喫茶店」

このまちのくらしとけしき
vol.024

posted:2020.6.30   from:全国(岩手・秋田・福島・山口)  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?

text & photo

Tatsuya Furutomi, Itsumi Shigehisa, Mina Ohba, Takayuki Endo, Saki Kunishige, Chihiro Ogawa

古冨竜也/重久 愛/大場美奈/遠藤孝行/國重咲季/小川ちひろ


今月のテーマ 「わたしのまちの喫茶店」

ふらりと入った喫茶店やカフェのコーヒーがおいしかった。
それだけで、ちょっぴり幸せになりませんか。
地元の方々に愛され長く営業している喫茶店、
新しくオープンしたおしゃれなカフェ。
歴史は違えどオーナーのこだわりは、味はもちろんのこと
内装からティースプーンひとつに至るまで広がっています。

今回は日本各地の〈地域おこし協力隊〉のみなさんが住むまちにある
喫茶店やカフェをご紹介いただきました。

ニューノーマルの生活が始まり、
外出する機会が増えた方も少なくないのでは?
まだまだ注意は必要ですが、まちにある喫茶店やカフェでほっとひと息ついて
リフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

【山口県萩市】
市指定文化財の中にある喫茶店

萩市土原にある市指定文化財「小川家長屋門」。
その敷地内に今回ご紹介する自家焙煎珈琲店〈長屋門珈琲 カフェ・ティカル〉と
土原の歴史を伝える小さな資料室があります。

カフェ・ティカルの外観

観光地にありながら「いつものコーヒー」と注文する
常連客もいらっしゃるような地元の方に愛されているお店です。

長年続けてこられたのはコーヒーへの情熱と技術。
そして、いつも笑顔で「いらっしゃいませ」と迎えてくれ
「ホッとする」場所を提供してくれるマスターとその家族の存在があるからこそです。

カフェ・ティカルのコーヒー

コーヒーは世界各地の農園から取り寄せた新鮮な生豆を焙煎、ドリップ。
常時20種類以上用意されていいます。
そのなかには萩の味のコーヒーと名づけた、やさしい味わいの「箱入娘」、
酸味苦味の調和した「勝兵衛」、やや強口の「ふくみみ」の3タイプも。
自宅でもおいしいコーヒーが楽しめるように
自家焙煎されたコーヒー豆の販売も行っています。

コーヒーカップ

もちろん、コーヒーだけではなく
夏みかんジュースや手づくりケーキ、トーストなどもあります。
萩市に遊びに来られた際は「ホッと」しに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

information

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長屋門珈琲カフェ・ティカル

住所:山口県萩市土原298-1

TEL:0838-26-2933

営業時間:9:30〜19:00(日曜・祝日 9:30〜18:00)

※新型コロナウイルス対策のため、営業時間の変更や臨時休業の場合あり。

Web:https://localplace.jp/t200311134/

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古冨竜也 ふるとみ・たつや

山口県、兵庫県、新潟県、長崎県、広島県と全国各地で暮らし、趣味で海外を放浪する。2019年、理学療法士から山口県萩市の地域おこし協力隊に着任。3秒で地域に溶け込む力を生かし、地元の人が主役の持続可能な地域づくりを目指す。

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【秋田県秋田市】
地産地消にこだわったランチも絶品

行き交う経糸(たていと)、緯糸(よこいと)のただその交点でありたい。
そんな想いから名づけられた喫茶店、それが秋田市にある〈交点〉さんです。

保戸野という風情溢れるまちなかの一角に〈交点〉があります。

保戸野という風情溢れるまちなかの一角に〈交点〉があります。

2018年に秋田市へ移住されたご夫婦が営む喫茶店。
レンガ造りの建物の2階で、扉を開けると、
そこには静かな空間と上質なコーヒーの薫りが漂っています。

ひとりひとりの居場所にすてきなひと時をもたらしてくれる空間になっています。

ひとりひとりの居場所にすてきなひと時をもたらしてくれる空間になっています。

こだわりはコーヒーだけではありません。
雑貨の購入もできますよ(オンラインでもお取り寄せ可能)。
できるだけ秋田でつくられたものを使用した
地産地消のランチメニューも大満足、間違いありません。

あきたこまちを使ったバターチキンカレー。

あきたこまちを使ったバターチキンカレー。

何が出るかはお楽しみの日替わりデザートも魅力的。

今回は濃厚チーズケーキをいただきました。

今回は濃厚チーズケーキをいただきました。

秋田市の保戸野というまちは、
例えると秋田の「小江戸川越」のような風情あるまち並みなのですが、
〈交点〉はそのなかでも特に、
ひたすらに時間が過ぎるのを忘れてしまえるようなすてきな喫茶店です。

リース

夏の香りがしてきた今日この頃。
秋田市〈交点〉で心から涼んでいきませんか?

information

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交点

住所:秋田県秋田市保戸野通町6-2(2階)

TEL:018-838-7275

営業時間:12:00〜17:00 ※ラストオーダー16:30

定休日:水・木曜

URL:https://www.kouten-akita.com/

※新型コロナウイルス対策のため、営業時間の変更や臨時休業の場合あり。

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重久 愛 しげひさ・いつみ

「死ぬまでには一度は行きたい場所」で知られる鹿児島県与論島出身。2019年に縁あって秋田県秋田市にIターン。よそ者から見た秋田市の魅力や移住に至る経験を生かして、秋田市の地域おこし協力隊に着任。YOGAを生かした地域交流を図る事業や、移住者を受け入れる市民団体事業をプロデュース中。山菜採りにすっかり夢中に。自称「立てばタラの芽、座ればバッケ、歩く姿はコシアブラ」。

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【福島県広野町】
学校の中にある〈カフェふぅ〉のスタッフは高校生

広野町には少し変わったカフェがあります。
以前「わたしのまちのお土産品」でお土産をご紹介した、
運営から商品の販売まで高校生が行う〈カフェふぅ〉です。

このカフェのこだわりのメニューは、やはりコーヒー。
生徒が1杯ずつドリップして提供しています。
毎回、練習をして飲み比べをして腕を磨いています。

飲み比べ

授業中は一般スタッフが営業を担当。
コーヒーのほかにも農業を専攻している生徒がつくった
自家製ケーキなども販売しています。
こちらも季節に合わせた商品展開を心がけていて、
生徒はメニュー開発にも参加。
今はマンゴーゼリーやコーヒーゼリーなどの
涼しさを感じられる商品が並んでいます。

今回はコーヒーゼリーを使った新メニューを試飲しました。まだまだ課題はありますが完成が楽しみです。

今回はコーヒーゼリーを使った新メニューを試飲しました。まだまだ課題はありますが完成が楽しみです。

リットを並べる

地域から若者が出ていくなかで、高校生の新しい視点で
地域に寄り添ったカフェを目指して日々、奮闘中です。
ぜひ、広野町にお越しの際は〈カフェふぅ〉で
高校生たちが煎れたおいしいコーヒーを楽しんでみてください。

information

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カフェふう

住所:福島県双葉郡広野町中央台1-6-3

   ふたば未来学園高等学校敷地内 地域協働スペース

TEL:0240-23-6825

営業時間:11:00〜18:00(生徒営業 16:00〜18:00) ※ラストオーダー17:30

定休日:土・日曜・祝日

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大場美奈 おおば・みな

1993年生まれ。福島県いわき市出身。医療系専門学校を卒業後、委託職員として広野町入庁。そのときに広野町に恋をして、まちと共に生きることを決意。まちづくりの修業のため、一旦まちを離れて山形県南陽市地域おこし協力隊に着任。2019年4月に広野町起業型地域おこし協力隊に着任。現在は民間がつくるコミュニティースペース〈ちゃのまベース〉を立ち上げ、運営を開始。地域課題を企業というかたちで解決しながら会社設立に向けて奮闘中。

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【福島県猪苗代町】
廃校の小学校校舎内にあるハーブとスパイスを使ったカフェ

全国で4番目に大きな湖「猪苗代湖」の湖畔にある「旧山潟小学校」。
多くの子どもたちが学び、地域の方々に愛され続けているこの場所に、
猪苗代町内にあった人気カフェ〈cafe entotsunoki〉が
今年9月にリニューアルオープンします!

10数年前に廃校になった「旧山潟小学校」。

10数年前に廃校になった「旧山潟小学校」。

ここ「旧山潟小学校」に、工務店とショップ、カフェ、森のプレイパークが一体となった
複合店〈Roots猪苗代〉が6月27日にオープン※しました。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、縮小営業中。

小学校の教室がカフェに生まれ変わった店内。

小学校の教室がカフェに生まれ変わった店内。

窓の外に見える、きらめく木々。湖から吹き抜ける、心地よい風。
あたたかい雰囲気の店内は、日常の喧騒から少し離れて、
ほっとひと息つくことができるやさしい空間です。

小学校で使用されていたテーブルやスピーカーをきれいにし、活用しています。

小学校で使用されていたテーブルやスピーカーをきれいにし、活用しています。

〈cafe entotsunoki〉では、化学肥料や農薬を使用せず栽培する
〈FLOS HERBA(フロースヘルバ)〉の体にやさしいハーブを使用した
オリジナルメニューを提供しています。

メニューは、バターチキンカレーなどのカレー、ナポリタン、ワッフル、
チコリカフェオレ、チコリソフトクリームなど。
子どもも大人も楽しめる内容です!

大人気のバターチキンカレー。子どもも食べられる辛さです。

大人気のバターチキンカレー。子どもも食べられる辛さです。

根強いファンも多いというナポリタン。おいしい!

根強いファンも多いというナポリタン。おいしい!

スタッフの渡部祐子さんと店長の齋藤誠さん。

スタッフの渡部祐子さんと店長の齋藤誠さん。

〈cafe entotsunoki〉のオープンは2020年9月頃の予定。
詳しい時期などは、Facebookページからチェックしてみてくださいね。

information

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cafe entotsunoki

住所:福島県耶麻郡猪苗代町大字山潟字湊志田191

TEL:0242-23-4331

営業時間:11:00〜17:00

定休日:火・水曜

Facebook:https://bit.ly/37j4pqf

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遠藤孝行 えんどう・たかゆき

福島県の会津に位置する「猪苗代町」で地域おこし協力隊をしています。もともと東京でエンジニアをしていたこともあり、ITのノウハウを活かして「ふるさと納税」と「猪苗代湖の環境保全」を担当しております。現在、協力隊3年目となり、情報発信・教育・観光事業を主とした株式会社アウレを起業しました。

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【秋田県にかほ市】
駅を出ると見える灯りの下でほっとひと息

くにまつ内観

にかほ市象潟駅の前に30年もの間、あかりを灯し続ける〈喫茶くにまつ〉。

絵

席につくとまず目に入るのは、かわいい女の子の絵。
これは池田修三というにかほ出身の木版画家の作品で、
地元の人にいまなお愛されている、まちを代表する芸術です。

豆から挽いて淹れるコーヒー

看板商品は注文後に豆から挽いて淹れるコーヒー。
そしてもうひとつのおすすめは、広東焼きそばです。
有名中華料理店でシェフを務めていたマスターがつくる、本格中華の味。

広東焼きそば

「まず駅に降り立って、周りが真っ暗だったら寂しいから」と、
年中無休で店を開けています。

くにまつ外観

知識も豊富なマスター。
来店の際には、まちの見どころなども聞いてみてください。

information

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喫茶くにまつ

住所:秋田県にかほ市象潟町家の後64 2階

TEL:0184-43-3908

営業時間:7:00〜18:30

年中無休

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國重咲季 くにしげ・さき

京都府出身。秋田県の大学に進学したことを機に、東北各地の1次産業の現場を訪ねるようになる。卒業後は企業に勤めて東京で暮らした後、にかほ市で閉校になった小学校の利活用事業「にかほのほかに」に携わるべく秋田にAターン。地域で受け継がれてきた暮らしを学び、自給力を高めることが日々の目標。夢は食べものとエネルギーの自給自足。

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【岩手奥州市】
ジャズを愉しむ喫茶店〈Half Note〉

奥州IC付近の人通りの少ない道路沿いにあるJAZZ喫茶 〈Half Note〉。
2004年4月のオープン以来、地元はもちろん全国からジャズファンが訪れています。

お店の名前の〈Half Note〉とは「二分音符」の意味。

お店の名前の〈Half Note〉とは「二分音符」の意味。

物静かでやさしい面持ちのマスターはもともとJAZZがお好きで、
生まれ育った水沢を一旦離れたあとも
「地元に戻ってJAZZ喫茶をやりたい」という思いから夢を実現されたそうです。

内観

グランドピアノが店内の真ん中に。以前はライブも開催されていたそう。

グランドピアノが店内の真ん中に。以前はライブも開催されていたそう。

木目調であたたかい空間の店内に外から光が差し込む
大きな窓際の席もおすすめですが、私が毎回必ず座るのは
巨大スピーカー「パラゴン」が目の前にあるテーブル席。

テーブルと席

1960年代物のパラゴン。現在は生産終了しているので、置いているお店は日本でもわずかだとか。

1960年代物のパラゴン。現在は生産終了しているので、置いているお店は日本でもわずかだとか。

レコードがスピーカーを通じて天井の高い店内に迫力満点の大音量で響き渡り、
ジャズを普段聞かない私もリズムを刻みながら時間を忘れて聞き入ってしまうほどです。

お店にあるレコードの数は15,000枚以上も。写真に映るガラス越しのブースでレコードを選ぶマスター、見つけらますか?

お店にあるレコードの数は15,000枚以上も。写真に映るガラス越しのブースでレコードを選ぶマスター、見つけらますか?

このエリアには1970年代頃から水沢の〈レイ・ブラウン〉や、
一関の〈ベイシー〉といった有名店もあり、
横のつながりもあってジャズ文化が盛んだったようです。

扉を開けると、異世界に入ったような
ノスタルジックな気持ちにさせてくれる〈Half Note〉。
ぜひとも訪れていただきたいお店です。

その時に流しているレコードのジャケットがブース前に置かれます。この時はジャズピアニストBille Evansの曲が流れていました。

その時に流しているレコードのジャケットがブース前に置かれます。この時はジャズピアニストBille Evansの曲が流れていました。

お砂糖入れには〈BLUE NOTE〉のマグカップを活用。アルコールや軽食もあります。

お砂糖入れには〈BLUE NOTE〉のマグカップを活用。アルコールや軽食もあります。

information

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Half Note

住所:岩手県奥州市胆沢小山字北昼沢38-5

TEL:0197-47-1582

営業時間:13:00〜21:00

定休日:水曜 ※6、7月は不定休

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小川ちひろ おがわ・ちひろ

東京都品川区出身。大学で移民を学び、言語や異文化に興味を抱く。オーストラリア留学、台湾ワーキングホリデーと海外生活を経験。着任前は都内ギャラリーカフェに勤務。2018年5月岩手県奥州市地域おこし協力隊着任。今年度は台湾向けに東北のリアルライフスタイルやカルチャーシーンを伝えるウェブメディア立ち上げを目指し、自身も旅するように東北でしか味わえない経験を堪能中。

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