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まちの歴史を知り、
地域に愛される「わたしのまちの老舗」

このまちのくらしとけしき
vol.025

posted:2020.7.31  from:全国(岩手・秋田・福島・栃木・山口)  genre:暮らしと移住 / 買い物・お取り寄せ

〈 この連載・企画は… 〉  毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?

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Itsumi Shigehisa, Naoko Shindo, Tatsuya Furutomi, Chihiro Ogawa, Takayuki Endo

重久 愛/進藤菜央子/古冨竜也/小川ちひろ/遠藤孝行


今月のテーマ「わたしのまちの老舗」

味や技を守り、歴史と伝統のあるお店は
「老舗」と呼ばれ、地域内外の人から愛されています。

今回は全国の〈地域おこし協力隊〉のみなさんから
まちにある老舗店を紹介してもらいました。

和菓子から、染物屋まで日本の伝統を受け継ぐお店ばかり。
オンラインで手に入る商品も多いので
ぜひこの機会に100年続く味や技術を楽しんでみてください。

【秋田県秋田市】
TVでも紹介され、秋田っこに知られる和菓子店

地元に愛され、TV『嵐にしやがれ』でも取り上げられたほど有名な
和菓子の老舗が秋田市にあります。
秋田の和菓子といえば、と言われるほどの老舗〈三松堂〉。
創業当時は煎餅屋から始まったとされ、
洋菓子の提供なども経て、現在は和菓子に特化した専門店として営業しています。

古き良き面影の残る店舗は大正13年創業。

古き良き面影の残る店舗は大正13年創業。

長きにわたり修業を積んできた4代目イケメン店主の後藤さんは、
秋田の和菓子の開拓者でもあります。

一番のこだわりは“あんこ”。
通常の菓子店だと、既製品の餡に砂糖を加え、
どの和菓子にも同じあんこを使用するのですが、
〈三松堂〉では、厳選された小豆から丁寧に、粒あん・こしあん別、
さらに商品ごとにあんこをつくり分けるところまでこだわり抜いています。

店内にもあんこに命をかける工程がコミカルに描かれたポスターも。

店内にもあんこに命をかける工程がコミカルに描かれたポスターも。

こだわりはあんこだけではありません。
わらび餅や生地にも店主の想いが詰まっています。
通年人気商品の〈千秋最中〉は、自分であんこを挟めるように工夫され、
パリッとした食感も楽しめます。

生地が口裏に付く最中が苦手だった私ですが、〈千秋最中〉を食べて眼から鱗! 大好きになりました。

生地が口裏に付く最中が苦手だった私ですが、〈千秋最中〉を食べて眼から鱗! 大好きになりました。

その他、ロングセラーには、〈あんドーナツ〉や〈いちじくパイ〉。
季節限定の商品もあり、夏は〈若桃大福〉や〈麩饅頭〉が。
もちろん、どのあんこも違ったテイストです。

秋田はいちじくを好んで食べる文化があり、〈いちじくパイ〉も地元の味。

秋田はいちじくを好んで食べる文化があり、〈いちじくパイ〉も地元の味。

また、夏季限定のかき氷も。
和菓子屋さんが提供するかき氷はとはひと味違います

人気商品〈黒蜜きなこあずき〉700円(税込)。6月中旬~9月上旬頃までの夏季限定です。

人気商品〈黒蜜きなこあずき〉700円(税込)。6月中旬~9月上旬頃までの夏季限定です。

食べなきゃ損! お取り寄せもできますので、
ぜひ秋田市の老舗〈三松堂〉の和菓子を堪能してみてください。

information

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三松堂

住所:秋田県秋田市中通5丁目7−8

TEL:018-833-8401

営業時間:9:30〜18:00

定休日:日曜・祝日

Web:https://www.wagashi-otoriyose.jp/

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重久 愛 しげひさ・いつみ

「死ぬまでには一度は行きたい場所」で知られる鹿児島県与論島出身。2019年に縁あって秋田県秋田市にIターン。よそ者から見た秋田市の魅力や移住に至る経験を生かして、秋田市の地域おこし協力隊に着任。YOGAを生かした地域交流を図る事業や、移住者を受け入れる市民団体事業をプロデュース中。山菜採りにすっかり夢中に。自称「立てばタラの芽、座ればバッケ、歩く姿はコシアブラ」。

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【栃木県矢板市】
北と南に1軒ずつある日本酒蔵元

おいしい米と、おいしい水。

このふたつがあれば美味なる日本酒が誕生するのは必然であり、
栃木県矢板市には現在2軒の酒蔵があります。
まずは北の泉地区にある〈森戸酒造〉。

外看板

かつてこの地区には15軒あったという酒造もいまは〈森戸酒造〉1軒に。
創業明治7年ですが、もともとは神社の家系で御神酒造りからスタートしていたという
長い歴史が引き継がれています。

〈森戸酒造〉5代目の森戸康雄さん。

〈森戸酒造〉5代目の森戸康雄さん。

現在5代目の森戸康雄さんは農業大学出身で非常に研究熱心な方。
こだわりの酒造りは切れ味がよく、地元でも熱いファンが多いのです。

2軒目は南の大槻地区にある〈富川酒造〉。
大正2年創業の蔵は風格があり、
日本百名水「尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)」の流れを汲む、
伏流水で造られています。

使用している道具は代々受け継がれたもの。

使用している道具は代々受け継がれたもの。

小説でいい香りが漂うことを表す“馥郁(ふくいく)たる香り”という表現を
読んだことがありますが、〈富川酒造〉の酒の特徴はまさにそれ。
華やかですっきりとした味わいです。
私自身、日本酒大好きで休日にはおうちでまったり地元酒を楽しんでおります。

今回試飲させていただいた5種類の日本酒。

今回試飲させていただいた5種類の日本酒。

どちらの蔵も事前申込すれば蔵見学ができます。
ぜひ酒造りへの想いをじっくり聞いてみてくださいませ。

information

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森戸酒造株式会社

住所:栃木県矢板市東泉645

TEL:0287-43-0411

Web:https://morito-brewery.com/

information

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株式会社富川酒造店

住所:栃木県矢板市大槻998 

TEL:0287-48-1510

Web:http://www.kubun.jp/index.html

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進藤菜央子 しんどう・なおこ

お料理すること、食べることが大好きで、そんな豊かさで満たされる暮らしができるまちへの移住を希望し、2019年2月より栃木県矢板市地域おこし協力隊として着任。矢板の食の魅力、古道や史跡が眠る歴史の魅力にハマり、〈矢板リトリート〉という、都会からの観光客を惹きつける新しい観光スタイルを構築中。任期後には、カフェ&ゲストハウス起業も目指している。矢板リトリートFacebook

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【山口県萩市】
職人の技が光る大漁旗を生かした色鮮やかなオリジナル商品

城下町の姿が残る萩市。
ほんの少し前までは各商店には暖簾。地域ごとにある神社仏閣には仏閣幕。
そして今も新鮮でおいしい日本海の魚を届けてくれる漁師には大漁旗。

「萩のまちの日常」には旗があり、その彩りを添えていたのが染物屋。
今回紹介するのは萩市で100年以上続く染物屋〈岩川旗店〉です。

外観

創業から変わらず“信用第一”を信条に、確かな技術をもとに
丁寧な仕事を行うため、いまでも機械化することなく
すべての商品が人の手によってつくられています。
まさに職人の技が光る“handmade”の一品です。

商品

その手間と時間を惜しみなくかけてつくられた商品を紹介します。
まずは看板商品である大漁旗、暖簾、手ぬぐい。

大漁旗バッグ

バッグ、Tシャツ、ぬいぐるみなど、贈答品から日常使いできるものまで
旗店の技を生かした商品を販売しています。

ぬいぐるみ

また、オーダーメイドも可能です。
相談にものってくれ、初めての方でも安心して注文することができます。
オンラインからも商品を購入できるので、
気になる方はそちらもチェックしてみてください。

information

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岩川旗店

住所:山口県萩市大字古萩町40

TEL:0838-22-0273.

Web:http://www.iwakawahataten.com/

オンラインショップ:https://iwakawahataten.shop-pro.jp/

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古冨竜也 ふるとみ・たつや

山口県、兵庫県、新潟県、長崎県、広島県と全国各地で暮らし、趣味で海外を放浪する。2019年、理学療法士から山口県萩市の地域おこし協力隊に着任。3秒で地域に溶け込む力を生かし、地元の人が主役の持続可能な地域づくりを目指す。

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【岩手県奥州市】
和食を通して日本の古きよきものを伝える〈新茶家〉

創業当初から掲げられている看板。

創業当初から掲げられている看板。

城下町だった江刺はいまもなお蔵のあるまち並みが残っています。
江戸末期創業以来、170年の歴史を先祖代々受け継いできた
〈日本料理 新茶家〉もこのまちで愛され続けている和食のお店です。

大広間から見える庭園。大正5年には政治家・原敬が若者たちとこの大広間で政治を語りながら会食した記述も残されています。

大広間から見える庭園。大正5年には政治家・原敬が若者たちとこの大広間で政治を語りながら会食した記述も残されています。

個室からも季節の風景を眺めながらお食事を堪能できます。

個室からも季節の風景を眺めながらお食事を堪能できます。

料理長お気に入りの灯篭。昔はお店のすぐ近くで馬市も開催されていて、この向こう側で馬車が停まっていたこともあったそう。

料理長お気に入りの灯篭。昔はお店のすぐ近くで馬市も開催されていて、この向こう側で馬車が停まっていたこともあったそう。

7代目和賀靖公さんは大阪で専門学校卒業後、京都で修業を積み、6年前Uターン。
その後すぐに父親に調理場の一連の流れをひとりで任された時は
とにかく必死だったそうです。

専門学校卒業後、京都の由緒ある料亭〈瓢亭〉や〈柳家〉で修業を重ねたそうです。

専門学校卒業後、京都の由緒ある料亭〈瓢亭〉や〈柊屋〉で修業を重ねたそうです。

「自分で考え行動をする経験があったからこそ、いまの自分の感覚が身につきました」
と、当時を振り返る和賀さんは現在30歳という若さながら、
堂々と落ち着きのある料理長に成長されています。

席

お料理

旬な食材のお料理。器にもこだわって目でもおいしくいただけます。

旬な食材のお料理。器にもこだわって目でもおいしくいただけます。

しかし、老舗店としてのプレッシャーは拭えません。
昨今では料亭も減少し、厳しい指導をする先輩も減り、
和食のクオリティが低下している懸念もあるそうです。

「だからこそ、和食を通して古き良き日本文化を伝えていきたい」
和賀さんは侘び寂びの魅力に惹かれ、
自身も華道や茶道などの日本文化を勉強するなど、努力を惜しみません。

お店には自然の草花や、古材をリデザインしたインテリアがあちこちに飾られていて、
和賀さんの美意識が料理以外の細部にまで感じとれます。

京都の老舗和傘専門の職人にオーダーした名入りの竹と和紙でできた和傘。

京都の老舗和傘専門の職人にオーダーした名入りの竹と和紙でできた和傘。

アンティーク家具の一部をリメイクして、壁掛けに。

アンティーク家具の一部をリメイクして、壁掛けに。

今後は別店舗を構え、お客さまと顔を合わせながら
アラカルトやカフェなど、気軽に和食・日本文化を味わえるお店を
つくっていきたいと熱い想いを語ってくれました。

有名なシェフたちと共に地元のフードイベントにも参加。いろいろなかたち、場所で「食」に向き合う取り組みも積極的にされています。

有名なシェフたちと共に地元のフードイベントにも参加。いろいろなかたち、場所で「食」に向き合う取り組みも積極的にされています。

古きよき日本文化を重んじ、
新しい感性を磨き続ける〈新茶家〉の歴史はこれからも色濃く続いていきます。

information

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日本料理 新茶家

住所:岩手県奥州市江刺中町4-1

TEL:0197-35-2025

※完全予約営業のため2日前までに電話にて予約。

Web:http://shinchaya.info/

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小川ちひろ おがわ・ちひろ

東京都品川区出身。大学で移民を学び、言語や異文化に興味を抱く。オーストラリア留学、台湾ワーキングホリデーと海外生活を経験。着任前は都内ギャラリーカフェに勤務。2018年5月岩手県奥州市地域おこし協力隊着任。今年度は台湾向けに東北のリアルライフスタイルやカルチャーシーンを伝えるウェブメディア立ち上げを目指し、自身も旅するように東北でしか味わえない経験を堪能中。

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【福島県猪苗代町】
明治8年創業。5代にわたり無添加味噌をつくる〈麹屋商店〉

雄大な磐梯山と猪苗代湖がある、自然豊かな猪苗代町。
町内の商店街の一角には、創業140年以上にもなる〈麹屋商店〉があります。

84歳で現役社長の中澤キヌ子さんと、仕込みを担っている中澤悦子さんの笑顔に、ほっと心が和みます。

84歳で現役社長の中澤キヌ子さんと、仕込みを担っている中澤悦子さんの笑顔に、ほっと心が和みます。

創業当時は、麹加工を行い、各家庭に味噌づくりの道具をリースしていました。
時代とともに、委託加工や味噌の販売に移行したそうなのですが、
店名は昔のままの〈麹屋商店〉を使用されています。

店内には、代々使用している趣ある家具があちこちに。

店内には、代々使用している趣ある家具があちこちに。

歴史を感じる家具が多くある店内では、農機具や除雪機のベルトも販売しています。
田植えや稲刈り時期には、農機具が不調で困ったお客さんが
田んぼから駆け込んでくることも。
昔から、食の面からも農家さんや町民の生活を支えています。

左から〈こうじ味噌〉800円(税込) 、〈すり味噌〉960円(税込)。やさしい旨みがぎゅっと詰まっている、おいしい味噌です。

左から〈こうじ味噌〉800円(税込) 、〈すり味噌〉960円(税込)。やさしい旨みがぎゅっと詰まっている、おいしい味噌です。

〈麹屋商店〉一番のおすすめは〈こうじ味噌〉。
そのほか、麹ごとすりつぶした〈すり味噌〉や、
季節限定で販売している〈三五八〉も大人気です。

毎年、大寒の日に1年分をまとめてつくるという〈三五八〉590円(税込)。リピーターも多いそうです!

毎年、大寒の日に1年分をまとめてつくるという〈三五八〉590円(税込)。リピーターも多いそうです!

大人気の〈あまざけぷりん〉。道の駅猪苗代で販売しています。

大人気の〈あまざけぷりん〉。道の駅猪苗代で販売しています。

麹屋商店の麹でつくった甘酒を加工した〈あまざけぷりん〉も大人気商品!
麹は猪苗代産の米〈天のつぶ〉を原料にしています。

〈麹屋商店〉の味噌は、オンラインショップでも購入可能です。
老舗の味をぜひ味わってみてください。

information

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麹屋商店

住所:福島県耶麻郡猪苗代町字町尻347

TEL:0242-62-3167

営業時間:8:00~19:00

定休日:年始

Web:http://www.matsu21.net/~koujimiso/

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遠藤孝行 えんどう・たかゆき

福島県の会津に位置する「猪苗代町」で地域おこし協力隊をしています。もともと東京でエンジニアをしていたこともあり、ITのノウハウを活かして「ふるさと納税」と「猪苗代湖の環境保全」を担当しております。現在、協力隊3年目となり、情報発信・教育・観光事業を主とした株式会社アウレを起業しました。

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