七飯町〈Hütte(ヒュッテ)〉 森の中の小さなパン屋さん。 地元民が足しげく通う理由は?

現在は息子さんご夫婦が手がけているこなひき小屋は、
すっかり七飯の土地に根づいたまちに愛されるパン屋です。
こちらの人気は菓子パンやデニッシュ系。
函館西部地区の宝来町に店を構えて、お弟子さんに譲った2軒目の〈Pain屋〉は
まちなかでお年寄りが多いので、小さめサイズのフランス系パンが中心。
それぞれまちのニーズに合わせて
パンの特徴を出してきた親方が3軒目のヒュッテで焼くのは、田舎風のドイツパン。
小麦のほかにライ麦をふんだんに使ったパンも並んでいます。

女将手づくりのジャムは地元素材がしっかり生きたやさしい味わい。七飯町峠下の大畑農園のいちごでつくったジャム(500円)、七飯産のルバーブのジャム(320円)。おいしさお墨つきのチーズや雑貨の販売も。

ところで、当初福祉施設で思い描いていた
「障がいのある方が仕事のできる場所」という目的は、
始めてみたら、パンづくりのほうが目的になってしまったと笑う親方。
とはいうものの、親方のもとではこれまで何人もの障がいをもつ方が働いてきました。
現在はこなひき小屋で、十数年間の勤務を通じて障がいが緩和されたスタッフがひとり、
パソコン周りの仕事を長年勤めてくれているそう。

「息子の同級生で親戚のように近しく、店になくてはならない存在なんです」

とご夫妻はうれしそうに語ってくれました。

親方の木村幹雄さんと、大学1年生からのパートナーで女将の由紀枝さん。「今まで働いてばかりだったから、ちゃんと暮らしながら働ける今が楽しい反面、やってみたら暮らしのほうが大変だったの」と笑顔をみせる。

親方は金曜と日曜に、かつて大沼公園で売られていた思い出の〈大沼あんぱん〉を
自ら復刻させて焼いているそう。ほかにも〈函館バル街〉や
道南の料理人が集まり、技術を高めあう場〈クラブ・ガストロノミー・バリアドス〉などの
函館で行われているイベントや団体にも
メンバーとして関わりながら、楽しいと思うことをシンプルに続けている親方。

「最近はここで女将といるほうが楽しいんだけどね」と笑います。

会社名にしている「アインシュタックブロート」とは、
ドイツ語で「大きなパン」という意味。
「パンって、“切って分け合う”っていうのが原則。大きなパンをつくって、
みんなで分け合いましょう、半分こしましょうって、そういうものなんです」
その意味を体現するヒュッテのパンには、
穏やかな仁山で醸されるおいしさや豊かさがぎゅっとつまっています。

information

map

Hütte 
ヒュッテ

住所:亀田郡七飯町仁山461

TEL:090-8909-0711

営業時間:9:00〜18:00

定休日:火曜日・水曜日

駐車場:あり