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posted:2018.1.24 from:静岡県掛川市 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
静岡県掛川市に〈資生堂企業資料館〉があるのをご存知ですか?
同館では商品や宣伝制作物などの資料が見られるほか、
ガーデンやミュージアムショップ、近現代の美術品を収蔵する
美術館〈資生堂アートハウス〉も隣接し、
さまざまなジャンルのアート・デザイン・工芸が楽しめるスポットになっているんです。
2018年1月から、同館にて
『資生堂のデザイン ー新しい価値づくりへの挑戦ー』展がスタートしました。
本展で見られるのは、1960年代から近年までの広告・宣伝物をはじめとする貴重な作品群。
1872年(明治5年)に日本初の
民間洋風調剤薬局として創業し「美」を追求し続けてきた資生堂。
そのデザインは、初代社長・福原信三さんが創設した「意匠部」に集まった
トップクリエイターたちによって洗練されたといいます。
そして資生堂の歴史を語る上で欠かせないのが、戦前・戦後を通じて活躍した、
イラストレーター・デザイナー、山名文夫(やまなあやお)さんの存在。
山名さんの登場により、アールヌーヴォー、アールデコを基調としたデザインが磨かれ、
繊細で優美な「資生堂スタイル」が完成しました。
1960年代に入ると、ライフスタイルの変化とともに新しい表現が登場します。
本展の中心となるのは、そうした「反資生堂スタイル」と呼ばれた作品たち。
当時のクライアントや社会に新鮮な驚きを与えた、資生堂の挑戦を垣間見ることができます。
また、常設展には山名文夫さんや山本武夫さん、前田貢さんらが手がけたポスターや、
資生堂書体・花椿マーク・欧文ロゴの変遷、創業以来の商品パッケージなども。
資生堂のデザインが好きな方にはたまらないですね。
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資料館の隣には、1978年(昭和53年)に開設した〈資生堂アートハウス〉があります。
同館では2018年1月16日(火)から4月1日(日)まで、
『資生堂アートハウス名品展』が開催されています。
こちらには、1947年から続く資生堂ギャラリーを代表するグループ展『椿会美術展』と、
1975〜1995年にかけて開催した『現代工藝展』の出品作を中心に、
約80点の洋画、陶芸、ガラス工芸、金工、現代美術作品を展示。
梅原龍三郎さん、牛島憲之さん、舟越桂さん、八木一夫さん、
内藤四郎さん、岩田久利さんなどの作品が見られます。
資生堂アートハウスは、モダンな建築も見もの。設計を手がけたのは、
ニューヨーク近代美術館(MoMA)新館の設計を手がけた谷口吉生さんと、
谷口さんのパートナーとして日本建築界を牽引してきた高宮真介さん。
その建物は70年代を代表するモダニズム建築として、
1980年(昭和55年)に「日本建築学会賞(作品)」を受賞しました。
資生堂企業資料館と資生堂アートハウスの展示は、すべて無料で見られます。
静岡へ行かれる際はぜひお出かけになってみてください。
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資生堂のデザイン ー新しい価値づくりへの挑戦ー
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