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きょうのイエノミ
旅するイエノミ
本格芋焼酎と、横須賀の秋しらす

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
vol.005

posted:2013.10.15   from:神奈川県横須賀市  genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ

sponsored by 宝酒造

〈 この連載・企画は… 〉  伝統を継承するということは、昔のものをそのまま受け継ぐだけではありません。
わたしたちの生活に合うよう工夫しながら、次世代に伝えることが、伝統を守ることにつながります。
酒造りの伝統を守りつつ次世代につなげる宝酒造と、
ローカルな素材を活かしてとっておきのつまみを提案するcolocalのタッグで
「きょうのイエノミ 旅するイエノミ」はじまりはじまり。

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

空が青く澄み渡り、いよいよ秋本番がやってきました。
ふーっと深呼吸したくなるような毎日が続きますが
ぐっと冷え込む夜には、あったかいお酒が恋しくなりませんか?
そんな秋のイエノミには、ほわほわ~と甘い香りの湯気に癒される
本格芋焼酎のお湯割りなんて、いかがでしょう。
料理研究家・飛田和緒さん行きつけの直売所にも
そろそろ冬の気配を感じさせる野菜が登場するころです。
きょうの相方は、秋が深まるほどにおいしくなる根菜と
飛田さんちの目の前の海で獲れた「秋しらす」など
お湯割りにぴったりな、しみじみ系おつまみがそろいました。

飛田さんが秋の到来を感じるのは、テラスの景色からだそうです。
春夏はご無沙汰だった富士山が海越しにちらり。
富士山が見えることと「しらす」のおいしさは
引っ越す前には考えてなかったうれしい「おまけ」だったとか。
というのも、飛田さんは大のしらす好き。
ここ相模湾沿岸の名物だと知って、本当に飛び上るほどうれしかったそうです。
それからは漁港ごとにある、しらす直売所を巡っては食べ比べて
1年ほどかけて探したお気に入りが、横須賀の秋谷にある『紋四郎丸』。
たまたまだけど、家からいちばん近い漁港のしらすでした。

●ローカルな逸品「横須賀市・紋四郎丸の秋しらす」
名物にうまいものあり、相模湾の釜揚げしらす。

「ようやく秋しらすの時期が来たわね」
飛田さんちの冷蔵庫には、いつもしらすが常備されています。
釜揚げは、炊きたてご飯にそのまま載せたり、おつまみに。
干ししらすは、しらすトーストやかき揚げ、パスタにとどちらも大活躍。
この「イエノミ」でも早く紹介したかったそうですが
はやる心を抑えて、いちばんおいしいと思う「秋しらす」の時期まで待ったとか。
観光客には生しらすが珍しいと人気があるけれど
飛田さんは『紋四郎丸』の釜揚げしらすがいちばんのお気に入り。
きょうもひとくちパクリとつまみ食いをして
「う~ん、やっぱりおいしいから、このままでいいわね」
たしかにふっくら、しっとり、つるんと柔らかなうえに、絶妙な塩加減。
そのままおつまみとして食べるのに、ちょうどいい感じです。
相模湾では、しらすの禁漁期が1月から3月10日までなので
いましっかり食べておかないと、また来年の春を待ち焦がれることになる。
これから年末まで、飛田さんちはしらす三昧になるというのもよ~くわかります。

そういえば、「湘南しらす」の直売所は、いくつあるかご存じですか?
『紋四郎丸』のご主人・堀江一さんに電話でうかがってみると
なんと三崎から大磯にかけて32か所のしらす漁師直営店があるんだとか
じゃ、相模湾沿いならどこでも「ご近所しらす」が味わえる?
「そうそう。だから地元の人はご町内のしらすを、まずは食べてほしいよね」
獲るだけじゃなく、加工や販売まで手掛けるのが「湘南しらす」の特徴で
朝獲れをすぐに加工して昼には売るから、とにかく新鮮なのが共通点。
浜ごとにしらすの「たち」が異なり、茹で具合や塩加減も微妙に違うので
飛田さんのように、自分好みのしらすを見つける楽しさがあるんですよね。

ちなみに、しらす漁専業で120年という『紋四郎丸』で
この「絶妙な塩加減」の鍵を握るのが加工を担当する恵子さん。
「でも塩加減といっても、粗塩をアワビの殻で何杯か入れるだけ。目分量ですよ」と
お祖母ちゃんから釜茹で奉行を引き継いだ恵子さんはこともなげにいいますが
「いや、しらすの大きさで茹で具合も変わるし、俺にもその塩梅はわからんね」
毎日夜明けとともに漁に出る63歳現役漁師のご主人は
「俺は獲るばっかり」と、味に関しては奥さまに全権をゆだねている様子。
ところで、飛田さんがこだわった「秋しらす」ですが
たしかに春のしらすは柔らかくて少し色黒、秋は身が引き締まって色白だとか。
「しかし和さんは、本当にしらすが好きだよね」と
神奈川県のしらす組合元会長も、飛田さんのこだわりには脱帽です。

『紋四郎丸』(神奈川県/横須賀市)の秋しらす

●お取り寄せデータ

住所:横須賀市秋谷1-8-5

電話:046-856-8625

FAX:046-858-0930

営業時間:8:00~17:00 不定休

Webサイト:http://sea.ap.teacup.com/sirasu/29.html

※釜揚げしらす 160g 500円、312g 1000円(賞味期限約3~4日) 
注文は電話かFAXで。

●便利な常備菜「牛肉と根菜のきんぴら」
三浦半島産牛肉とごぼうで主役級の常備菜を。

飛田さんの常備菜は、ややしっかりめの味付けが基本形です。
冷蔵庫にあると、忙しいときや食欲がないときでも安心。
「根菜のきんぴら」は、そんな「これさえあれば」的常備菜の代表選手です。
きょうは、そのきんぴらにお肉を合わせたプチ豪華版。
飛田さんちの定番、三浦半島で育てられた「葉山牛」はうまみが強いので
手頃な切り落としでも、おいしさがぐんとアップ。
いまからが旬のゴボウをたっぷりささがきにして
牛肉と一緒に炒めた甘辛味なので、お湯割りにもぴったりなんですね。
本格芋焼酎の本場・鹿児島ではお醤油自体が甘めなので
甘辛味のおつまみが芋焼酎には合うといわれていますが
まさにそのことを実感できる「主役級」の常備菜です。
ポイントはごぼうの皮をむかず、水にさらし過ぎないこと。
きんぴらがより香り高く、おいしくできるからお試しあれ。
切り終わるころに水から取り出すくらいがちょうどいいそうです。
想像よりもずっと簡単で手早くできるから
お湯割りの相方やごはんのおかずに、ぜひつくってみてくださいね。

牛肉と根菜のきんぴら

●つくりかた

ごぼうはよく洗って皮つきのまま、ささがきかせん切りにする。

1を5分ほど水にさらす。

牛肉の切り落としをせん切りにする。

鍋にごま油を熱し2を炒めてしんなりしたら3を入れる。

肉の色が変わったら醤油、日本酒、砂糖を入れて煎りつける。

※お好みで一味をふって召し上がれ。 
ごぼうはタワシでゴシゴシこすり洗いすれば早くて簡単。

●飛田さんのお気に入り牛肉店

葉山旭屋牛肉店(神奈川県/葉山町) 詳細

●簡単おつまみ「薄切りかぶのケーパー和え」
いつもの和えものがひと手間で新鮮な味わいに。

旬の時期のかぶは、どんな料理にしてもおいしいですよね。
飛田さんも、ずっしり重い採れたてのものを直売所で買って
みずみずしいおいしさを、とことん楽しみつくします。
なかでも登場回数が多いのが、家族が大好きなこの和えもの。
切って塩して和えるだけだから本当に簡単ですが
そこにケーパーのみじん切りが加わると、あら不思議。
独特の酸味と風味で、なんともオツなお酒の友に変身するんです。
「ほら、ケーパーってちょっとだけ冷蔵庫に余っていることが多いでしょ」
それを味のアクセントにしちゃうのが、いかにも飛田さんらしい。
ケーパーといえばスモークサーモンの付け合わせというイメージですが
飛田さんは、むしろ「薬味」としてどんどん活用します。
サワークリームに混ぜて、ふかしたじゃがいものディップにしたり
玉子サンドやハムサンド、サラダに入れてみたり。
いつもの味に少しだけ上等で複雑なニュアンスがプラスできるので
これからは安心してケーパーを買ってくださいね。

薄切りかぶのケーパー和え

●つくりかた

かぶは薄切りにし、かぶの葉少々はざく切りにする。

1に塩を軽くふって混ぜ、しばらくおく。

ケーパーをみじん切りにする。

2の水気をしぼり、3とレモン汁、オリーブオイルを加えて和える。

味見してから塩を加え、こしょうを最後にふる。

※かぶの水気をしぼるときに塩加減を確認し、濃ければさっと水洗いして。 
レモン汁はできればフレッシュなものを使う。

●きょうの和酒 全量芋焼酎「一刻者」(いっこもん)
南九州のおいしいさつまいもだけでつくりました。

焼酎の味わいを決める麹。多くの芋焼酎は米麹を使っていますが、
「一刻者」は芋麹を使った芋100%の「全量芋焼酎」。
南九州産のさつまいものみ使い、芋本来のおいしさを実現しました。
芋ならではの甘く芳醇な香りと、すっきりした上品な味わいが楽しめます。
これからの季節だと、身も心も暖まるお湯割りがいいですよね。
ただ意外と知られてないのが、おいしいお湯割りのつくりかた。
できれば70~80度のお湯を用意して器に入れておき
「一刻者」をゆっくりと注げば、お湯と焼酎がいい感じでなじみます。
自分好みの濃さにできるのも、お湯割りのありがたいところですが
おつまみや食事と一緒にいただくなら、お湯6焼酎4の通称「ロクヨン」がおすすめ。
“一刻者”(いっこもん)とは、南九州の話し言葉で“頑固者”のこと。
その名のとおり、頑固なまでに芋のおいしさにこだわった「一刻者」と一緒に
秋の夜長をゆっくりと過ごしましょう。

全量芋焼酎「一刻者」(いっこもん)720ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://www.ikkomon.jp/

profile

KAZUWO HIDA
飛田和緒さん

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

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