連載
〈 この連載・企画は… 〉
毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?
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Chihiro Ogawa, Chigusa Ide
小川ちひろ/井出千種
初詣や特別な日、普段の日に訪れて
神仏へ願掛けを行う人も多いはず。
全国にはさまざまなお寺や神社があり、
多種多様な参拝、祈願方法が行われています。
今回は全国にお住まいのみなさんに
近所にあるお寺・神社の祈願方法について教えてもらいました。
そのまちに住む人や参拝者を見守っているわたしたちの身近なスポット。
その数は、全国のコンビニよりも多く、
お寺は約7万、神社は約8万社もあるのだそうです。
地域のお寺や神社へ今年の開運を願いに訪れてみてはいかがでしょうか。
〈妙見山黒石寺〉は岩手県奥州市の山間に位置し、
静寂で厳かな雰囲気に包まれた天台宗の寺院です。
ご本尊である薬師如来坐像は日本最古の在銘木彫仏として
国の重要文化財に指定され、厄除けパワースポットとも言われています。
初夏の黒石寺本堂。
このお寺では毎年旧正月7日夜から翌日早朝にかけて、
五穀豊穣と厄払いを祈願する「黒石寺蘇民祭」というお祭りが開催されています。
当日の行事内容。
この「黒石寺蘇民祭」は1000年以上の歴史を誇っているお祭りで
東北中心に全国各地にある「蘇民祭」のなかでも
日本3大裸祭りのひとつに数えられる有名なもの。
「裸の男と炎の祭り」という異名の通り、雪が降りしきる極寒のなか、
ふんどし姿の男性陣が氷点下の川の水を浴びて体を清め、
交互に組まれた木の上で立ち込める火と煙のなかでお祓いをしてから行われます。
勝ち取った人に福をもたらす「蘇民袋争奪戦」など、
なんともワイルドでエネルギッシュな行事が
夜通し繰り広げられるんです。
見ているだけでも凍えてしまいそう……!
参加者はそれぞれの願いを書いた角灯を手に。「ジャッソー!ジャッソー!」「ジョヤサ!ジョヤサ!」という呪文のような掛け声が飛び交います。
その奇祭っぷりに地元の人に混じって都心や海外から
わざわざ参加しにくるお祭りマニアも少なくないそうです。
この夜限定の〈蘇民食堂〉という藁づくりの休憩所を兼ねた食堂の雰囲気もたまりません。
蘇民食堂の中。おでんや地元のどぶろく「とらまづ」など体を温めてくれるメニューが楽しめます。
昨年に引き続き今年も感染防止のため、中止が決定。
来年こそは世界中の災厄消除が叶って
無事開催できることを心より願っています。
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小川ちひろ おがわ・ちひろ
遊軍スタイルフリーコーディネーター。東京出身。オーストラリアや台湾での海外生活も経験する放浪人間。異なる文化や感覚を持つ「人」に興味を抱く。 転職を機に〈地域おこし協力隊〉の制度を活用して岩手へ移住。現在は遊軍スタイルのフリーコーディネーターとして、旅するように東北の暮らしを堪能中。フットワークの軽さとコミュニティの広さをいかして、人をつなげてケミカルな反応が起こる「場」や「間」を創り出すことを楽しんでいる。
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かつては硫黄の採掘地であった、標高512メートルの硫黄山は、川湯温泉の源。いまでもゴウゴウと音を立て噴煙を上げています。この山はアイヌ語で別名「アトサヌプリ」とも呼ばれています。
阿寒摩周国立公園の中にある道内屈指の温泉地・川湯は、
いまなお噴煙を上げる硫黄山(アトサヌプリ)の麓に広がり、
強酸性の希少な泉質と豊富な湯量で多くの湯治客に愛されてきました。
北海道のニュースでは「気温が低い場所ランキング」の上位になる日が多く、霧氷の美しさでも人気が高いのです。
いたるところに源泉があり、その数は100以上。
真冬はマイナス20度以下になる日も少なくない川湯温泉街は、
温泉の湯気が霧氷となり、美しい景観でも楽しませてくれるのです。
秋は紅葉も美しい、森に囲まれた温泉街「川湯」。名横綱・大鵬の出身地であることから、神社の境内には土俵もつくられています。
温泉街の中心にある〈川湯神社〉の起源は、明治20年。
以来、温泉守護、開発(創意工夫)、往来安全、
商売繁盛、五穀豊穣、招福、縁結などの守護神として、
川湯で暮らす人々やこの地を訪れる観光客を見守ってきました。
川湯神社の境内にある手水舎には、約60度の温泉が。「気をつけてお使いください」との貼り紙もあります。
そして手水舎からは、なんと約60度の温泉が常に湧き出ているのです。
「アチッ、アチ」と言いながらも温泉で手を清めて参拝すれば、
運気がアップする気がしませんか?
information
川湯神社
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井出千種 いで・ちぐさ
横浜市出身。大雪山登山で雄大な自然に感動、北海道のファンになる。2018年、帯広市に移住。2021年5月、弟子屈町地域おこし協力隊着任。摩周湖観光協会に籍を置きながら、弟子屈町、道東、北海道の魅力を発信するべく努力中。
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