「3代目のうちの夫が跡を継いだ頃は、当時まだ現役だった2代目とふたりで、
店先でずーっとかごを編んでいましたよ」
と振り返る純子さん。
店頭横にある、20畳もの畳間でかごをつくる職人の姿は、
2006年に弘文さんが亡くなって以来絶えていますが、
ここでかごを売り続けたいという思いから純子さんは「斉藤製籠店」を廃業させ、
新たに〈斉藤籠店〉の店主としてお店を受け継ぎます。
「自分のところでつくったかごがないのはやっぱり悔しいけど、
選ぶのはお客さんだから」と笑顔を見せてくれました。

かご使いの達人、純子さんの台所には使い込まれた普段使いのかごがずらり。プラスチックにはない、自然のものならではの温かみが感じられます。

長年使われてきた行李やかごも美しい佇まいに。道路の拡張に伴って曳家(ひきや)し、お店の裏手につながる自宅は、厚沢部の〈鈴木木材〉の道産木材を使って建てられています。
なぜ、沖縄のローカル食材が?

お店には、かごのほかにも純子さんが自信を持っておすすめする沖縄の食品がずらり。
実は、沖縄出身の純子さん。お店を続けるにあたって、
自分の故郷の食品や雑貨を扱い始めました。
「北と南で、極端でいいでしょ? このあたりにはほかに売っているお店がないし、
観光用のお土産じゃなくて、地元の普段使いの食品だけを並べてるの。
困ったら私が食べてもいいような、そんな気持ちで売っています」
ほかに、江差町名物の〈かもめ島せんべい〉や、
純子さん撮影の江差町ポストカードの取り扱いも。

「沖縄より、江差にいるほうが長くなりましたね」。歴史あるお店を受け継ぎ、今日も軽快なトークを振りまく純子さん。明るい笑顔に元気をもらえます。
「かごって、あれば何でも入れられちゃうんです。散らかさないからいいですよ。
手づくりだからみんな形が違うので、ひとつずつ比べてみてね」
まちを支えてきたかごの歴史と魅力を伝える斉藤籠店。
ちょっとかさばっても持ち帰りたくなる、
毎日使いたくなる、そんなかごに出会えるお店です。
information
斉藤籠店
住所:檜山郡江差町姥神町112
TEL:0139-52-0422
営業時間:8:00〜18:00
定休日:不定休
駐車場:なし
