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きょうのイエノミ
旅するイエノミ
スパークリング清酒と、
天草の車海老

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
vol.011

posted:2014.9.26   from:神奈川県横須賀市  genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ

sponsored by 宝酒造

〈 この連載・企画は… 〉  伝統を継承するということは、昔のものをそのまま受け継ぐだけではありません。
わたしたちの生活に合うよう工夫しながら、次世代に伝えることが、伝統を守ることにつながります。
酒造りの伝統を守りつつ次世代につなげる宝酒造と、
ローカルな素材を活かしてとっておきのつまみを提案するcolocalのタッグで
「きょうのイエノミ 旅するイエノミ」はじまりはじまり。

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、
手軽で簡単、しかもちょっとした旅気分が味わえる
日本各地のおいしいものと三浦半島の旬の食材を使った、
和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

涼しくなってきたなと思っていたら今年もあと3か月。
月日がたつのは本当に早いものですね。
ようやく秋めいた食材がおいしくなってくる季節です。
つやつやの秋ナスにコロコロ太った里芋。
どちらも、あまり手をかけなくてもおいしいおつまみになるし
天草の車海老もそろそろシーズンを迎える頃。
ならば、友人たちを呼んでゆっくりイエノミしてみませんか。
スパークリング清酒で乾杯したら、あとはおしゃべり三昧。
たまには、こんな秋の夜長の過ごし方もいい感じかも。

肌寒くなり、衣替えが気になる時期になると
料理研究家の飛田和緒さんは「大人女子会」を計画し始めます。
それは毎年恒例の自家製味噌を仕込む会。
「ま、味噌つくりは名目で、単に飲みたいだけなんだけど」
飛田さんは楽しそうに打ち明けてくれましたが
仲の良い友だちばかりなので、準備といっても大豆を用意するだけ。
麹や塩は放っておいても、誰かが持ってきてくれるし
おつまみも、いつもの常備菜を多めにつくっておけばいい。
「でも、それだけじゃつまんないでしょ」と
みんなに喜んでもらえるサプライズも必ず何かひとつ。
それが天草から生きたまま届く車海老でした。

●ローカルな逸品「上天草市・丸山水産の車えび」
天草の美しい海から届く贈り物。

おしゃべりしながらの味噌つくりが終わったら
次はお待ちかねのイエノミタイム。
そこでじゃじゃーんと、おがくずに入った車海老が登場。
「もういい年なんだけどね、ほら、そこは女子だから」
元気よく跳ねまわる車海老に、わーわー大騒ぎはするものの
「頭と皮をむいて、みんな勝手に食べ始めちゃうの」
どうやって食べる? と飛田さんが聞いても
いいよ、いいよ、気にしないでと
台所になるべく引っ込まなくてもいいように配慮してくれる。
仕事を持つ友人たちで集まるのだから、お互い忙しいのは承知のうえ。
さすが大人の女子会って感じですよね。
だから、生のままやゆでただけでも甘くておいしい活車海老は
サプライズのお取り寄せ品として大活躍。
きょうは背ワタをとったものをさっとゆでていただきましたが
「みんな、あっというまにひとり5本は食べるわよ」
と、思い出し笑いをする飛田さんです。

そんな飛田さんお気に入りの天草の車海老。
どんな人が育てているのか知りたくて電話をしてみると
「僕は4代目の車海老職人なんです」と
丸山水産の丸山恭徳さんが話をしてくださいました。
なんでも、天草、それも丸山さんの住む維和島は
日本の車海老養殖発祥の地で、ひいお祖父さんも草分けのひとりだとか。
「1905年からということは、もう100年以上前ですね」
なんと明治の頃に養殖を始めたとは、さすが海老好き日本人!
車海老は海老類のなかでも旨み成分がきわだって多い。
でも非常に繊細なので養殖は難しいそうです。

なかでも危機を迎えたのが20年ほど前。
ウィルスのせいで海老が5年連続で全滅してしまい
丸山さんの周りでも廃業者が続出。
天草の車海老養殖は存亡の危機を迎えましたが
なんとか、海老の免疫力を高めることで対処できないか。
丸山さんはそう考えて、さまざまな試行錯誤を続けたそうです。
その結果、免疫成分・フコダインの含有率が高い
海藻の「アカモク」を餌にまぜることで
薬品類を使わないで元気な海老を育てることに成功。
「どうせなら、安心して食べてもらいたいですもんね」
同じ天草の海で採れた車海老の卵を孵化させているので
「ウチの車海老は、生まれも育ちも天草」という丸山さんは
きれいな天草の海の環境を守るため
アカモクを使って海水浄化にも取り組んでいるそうです。

その丸山さんがちょっと動揺したのが
飛田さんちでは、生のままワイワイ食べちゃうんです、とお伝えしたとき。
「そうですか、そりゃおいしいとは思いますよ」
ただ、丸山さん自身は、生で食べたことはないんだとか。
「ほら、生きたまま頭をむしらなきゃいけないでしょ」
それが残酷な気がして、という言葉に愛があると思いませんか?
寒くなってきたら、その車海老も大きく育って出荷を待つばかり。
愛情込めて育てられた車海老、おいしくありがたくいただきたいものですね。

『丸山水産』(熊本県/上天草市)の車海老

●お取り寄せデータ

住所:熊本県上天草市大矢野町維和1430

電話:0964-58-0007

FAX:0964-58-0153

営業時間:8:30~18:00 日休

Webサイト:http://e-ebi.jp/

※車海老の出荷は10月中旬から。500g(18~20尾)で5000円前後が目安。

●便利な常備菜「里芋のポテサラ風」
里芋のねっとり感がクセになる。

誰もが大好きな常備菜といえばポテトサラダやマカロニサラダ。
飛田さんもいつも驚くほど大量につくるとか。
「彼がお子ちゃま舌だからマヨネーズ味が好きなのよ」
大量につくったものの、あっという間にいつも容器はからっぽ。
ご主人にそんなに喜んでもらえるって、幸せですよね。
だからバリエーションも自然と増えていくそうです。
里芋を使ったこの「ポテサラ風」もそのひとつ。
ねっとりした舌触りが独特で、またジャガイモとは違うおいしさ。
これから旬を迎えるブロッコリーも柔らかくゆでて混ぜ込んで
見た目も美しい「ポテサラ風」のできあがり。
「これにね、海苔を加えるのがポイントなの」
ポテサラに海苔? と思うけれど、食べてみてびっくり!
ねっとりしっとりのマヨネーズ味に、香ばしい海苔がとっても合う!
いわば味のアクセントって感じなので、ぜひお試しを。
それにしても「おいしい」という言葉は魔法の言葉。
いわれると誰だってやる気とアイデアがどんどん出るのだから
おいしいと思ったら、出し惜しみしちゃ絶対ダメですよ。

里芋のポテサラ風

●つくりかた

里芋は皮をむいてからゆでる。

ブロッコリーはひと口大に切って柔らかめにゆでる。

1と2を軽くつぶして混ぜる。

3に塩とマヨネーズ、オリーブオイルを混ぜて味見する。

食べる直前に、海苔をちぎって4に混ぜ込む。

※海苔は韓国海苔でもおいしい。

●簡単おつまみ「秋ナスと鶏もも肉の蒸しもの」
秋ナスのおいしさをシンプルに。

「これは本当に簡単なの」
そういいながら、飛田さんは電子レンジをセットします。
あれ? 飛田さんが電子レンジを使うのを初めて見たような。
「そんなことないわよ、よく使います」
とくに、大好きなナスを蒸すときには便利だとか。
近所の直売所でつやつやとおいしそうな秋ナスを売っているので
つい大量に買ってしまい、いまの時期はナス三昧だそうです。
「でもね、こうやって下ごしらえしておけば応用が効くのよ」
あとは、手持ちの調味料をアレンジして、好きな味でいただけばいい。
葱ソースでなくても、ポン酢と柚子胡椒など
あれこれ工夫して食べるのも楽しいですよね。
きょうは鶏もも肉も一緒にチンしたので
おかずにも良さそうなボリュームです。
ポイントは鶏もも肉に片栗粉をまぶすこと。
旨みがとじこめられるし、とっても鶏肉がジューシーに。
秋ナスがおいしい時期に、つくってみてくださいね。

秋ナスと鶏もも肉の蒸しもの

●つくりかた

ナスはヘタを残して皮をむき、水に5分ほどつける。

1を半分に切って塩を軽くすりこむ。

鶏もも肉はひと口大に切り塩少々をもみこみ片栗粉を軽くまぶす。

2と3を耐熱皿に載せ、ふんわりとラップをかける。

4を電子レンジに5分ほどかける。

ナスに火が通ったら、葱ソースをかけていただく。

※葱ソースは、白ネギのみじん切りに、酢、砂糖、醤油、胡麻油を混ぜたもの。
ナスのヘタも食べられるので、切り落とさなくても大丈夫。

●きょうの和酒 松竹梅 白壁蔵「澪」(みお)スパークリング清酒
軽やかな泡のお酒は「大人女子会」にもぴったり。

お米と米麹由来のほのかな甘みとさわやかな酸味。
気軽にしゅわしゅわの泡が楽しめるスパークリング清酒「澪」は
冷蔵庫に常備しておくと、とても気持ちが浮き立ちます。
お料理を選ばないので、ふだんのイエノミには最適だし
食後のカクテルがわりにいただいてもいい感じ。
とくにフルーツとの相性は抜群なので
いまの時期ならブドウやナシと合わせてぜひどうぞ。
もちろん「大人女子会」の乾杯にもぴったりです。
美しいブルーのボトルは食卓を華やかに彩り
楽しいおしゃべりもよりいっそうはずむはず。
国境を越え、世界中の人に愛されているスパークリング清酒を
ぜひ、身近な「イエノミの友」として楽しんでみてくださいね。

松竹梅 白壁蔵「澪」(みお)スパークリング清酒 150ml 300ml 750ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://shirakabegura-mio.jp/

profile

KAZUWO HIDA
飛田和緒

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

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