連載
posted:2024.1.29 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島のなかでもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
2013年10月に〈小豆島カメラ〉というチームを結成し、
「見たい、食べたい、会いたい。」をテーマに小豆島の写真を撮り続けてきて10年!
2024年1月、小豆島カメラ10周年の写真展
『10年たってもやっぱり!見たい、食べたい、会いたい』が、
東京・新宿にある〈OM SYSTEM PLAZA〉で開催されました。
あらためて、まずは〈小豆島カメラ〉というチームについて。
小豆島カメラは、小豆島で暮らす女性7人と、
カメラメーカーのオリンパス(現在はOMデジタルソリューションズ)、
写真メディア『PHaT PHOTO』、写真家MOTOKOさんが一緒になって進めてきた
地方×カメラプロジェクト。
私たち島のメンバー7人が、それぞれの日常の暮らしのなかで出会うシーンを
カメラで撮影し、Webサイトや写真展、イベントなどを通して発信してきました。
この小豆島日記でも2014年から2019年にかけて
何度か小豆島カメラのことを書いています。
気になる方はぜひそちらもご覧ください。以下、その一部です。
vol.043『小豆島で暮らす、写真を撮る』(2014.2.10)
小豆島カメラ立ち上げまでの話
vol.051『「小豆島カメラ」本格始動』(2014.4.7)
具体的に活動が始まった頃の話
vol.141『地方で仲間をつくって活動するということ』(2016.2.22)
活動2年目、「生産者と暮らしに出会う旅」の様子など
vol.208『〈小豆島カメラ〉を始めて5年。活動を続けていくということ』(2018.9.24)
活動5年目、写真展のことや当時の思い
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小豆島カメラの活動が始まってから最初の3年は、さまざまな人たちのサポートもあり、
私たちのモチベーションも高く、写真展やイベントの開催など本当によく動いていました。
振り返ってみると、それぞれ仕事や家のことをしながら、よくあんなに動けたなと思います。
その後も、東京や大阪で写真展を開催したり、小豆島をまわる撮影ツアー
『生産者と暮らしに出会う旅』を企画したりと、定期的に活動を続けてきました。
活動4年目あたりから、活動に慣れて、飽きがでてきます。
最初の勢いがだいぶ弱まり、大変なことは続かなくなります。
結婚したり、出産したり、日々の仕事もあるなかで、
メンバーそれぞれの活動時間が少しずつ減っていきました。
そんなときに起こったのが、2019年末から3年以上続いたコロナ禍。
それまでなんとか続けて開催していた写真展や小豆島をめぐる撮影ツアーはストップ。
人が集まる機会、出かける機会が減ってしまい、なかなか写真が撮れない。
同じような風景写真だったり食べものの写真だったり、写真がマンネリ化していました。
それでも、日々の暮らしのなかでいいなと思った瞬間を撮り、
メンバーが交代で小豆島の写真をほぼ毎日投稿し続けてきました。
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世の中が以前のように戻ってきた2023年末、
ずっと小豆島カメラのことをサポートしてくださってきたカメラメーカー、
OMデジタルソリューションズの方から
「年明けに小豆島カメラ10周年の写真展やりませんか?」と
うれしいお声がけをいただきました。
なんてうれしい機会。やるしかないでしょ。
ゆるりとしていた時間が急に10倍速くらいになって、
5年ぶりとなる写真展開催に向けて2023年年末は準備で大忙しに(汗)。
メンバー全員で久々に集まって集合写真を新しく撮り、写真をセレクトし、
お知らせを制作し、おそろいのオリジナルパーカーを新調し、
なんとか2024年年明けから写真展をはじめることができました。
私たちが在廊した2日間は、写真展とあわせて
「写真によるまちづくり」をテーマにしたトークイベント、
小豆島のポップアップマルシェも開催され、たくさんの方が訪れてくれました。
東京で暮らしている小豆島出身の方、小豆島を旅行して小豆島が好きになった方、
小豆島での仕事でつながりがある方、ほかの地域で写真活動をされている方、
それから友人や家族など、10年で築かれたつながりの広がりにちょっと驚きました。
大きな活動ができず、粛々と写真を投稿していた数年間も、写真を見てくれていた人、
小豆島カメラのことを気にかけてくれていた人がたくさんいて、
そんな方々にお会いしてお話することができて、とても励まされました。
さて最後に、どうして小豆島カメラの活動が10年続いてきたのか?
一番根底にあるのは、私たち自身が小豆島での暮らしが好きで楽しんでいるからだと思います。
そしてもうひとつ、カメラが好き。
楽しんで暮らし、楽しんで写真を撮っている、そのポジティブな雰囲気のまわりに
人が集まってきてくれている。応援してくれている。そんなふうに思います。
私たち小豆島カメラは島を拠点に活動してきましたが、
この10年の間にこういった地域の写真活動は全国に広がり、
今回の〈いこまち宣伝部〉のみなさんなど仲間が増えました。
それは小豆島カメラの立ち上げからサポートいただいている写真家のMOTOKOさんや、
カメラメーカーOMデジタルソリューションズさんの活動によるものです。
これからまだまだ増えていくと思います。
そんな全国各地のみなさんに会いに行きたくなるし、その場所を訪れたくなる。
きっと小豆島にも来てくれる。
つながりが活動をより楽しくしてくれますね。
2024年の小豆島カメラはどんなふうに活動していこうか。
常に100%の力を注ぎ込むことはできないけれど、流れのなかにあるいいチャンスを
つかみながら、仲間とともにちょっとワクワクすることをやれたらいいなと。
10年経ってもやっぱり写真を撮り続けていこう!
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