いいものを未来へ残す
「わたしのまちで受け継がれる技」
今月のテーマ 「わたしのまちで受け継がれる技」
高齢化が進み、日本で古くから伝わる
職人の技術の担い手が少なくなっているというニュースも耳にしますが
若い世代が引き継ぎ、現代的なアレンジを加えて
伝統に新しい息吹をもたらしている工房や工芸品は全国各地にあります。
今回は、〈地域おこし協力隊〉のみなさんに
お住まいのまちで継承されている匠の技について紹介してもらいました。
師から弟子へと脈々と受け継がれている
その技術から生み出される品々は
伝統的でありながらもどこか新しさを感じます。
次世代の担い手たちの挑戦をぜひチェックしてみてください。
【秋田県秋田市】
繊細で優美な工芸品“秋田銀線細工”を守り抜く秋田美人3人衆
きっと多くの女性は「ひとつだけのアクセサリー」を
もらったらとても幸せな気持ちになりますよね。
それが数少ない職人さんが手がけた
工芸品だったとしたらどうでしょうか。
この上ない幸せを感じるのでは?
県内に7人しかいない秋田銀線細工の職人のなかで
3人の女性職人が運営している工房〈矢留彫金工房〉が秋田市にあります。

思わずうっとりしてしまう秋田銀線細工。
秋田ではその昔、大変良質な銀がとれる銀山があり、
当時その銀を使用した金属工芸が発展しました。
戦後、秋田銀線細工の技術が確立され、
その技術は現在も伝統工芸として残っています。
〈矢留彫金工房〉では秋田美人3人衆が
「現代に合った、若者にも手に取ってもらいやすいアクセサリー」として
銀線細工の技を引き継いでいます。

細いものでは0.2ミリの銀線素材を加工していきます。
銀線細工の制作工程に惹かれ、つくり手不足に危機感を抱き、
繊細なこの技術を後世に残すべく2019年に工房を設立。
セミオーダーでのアクセサリーをはじめ、
金属工芸の基礎が学べる教室なども展開しています。
もちろん、既製品も購入することができますよ。
「若い方にも手にとっていただき
銀線細工のよさを知ってもらいたいし、
今まで見てきた銀線細工と違う新たなデザインも楽しんでほしいです」

クラウドファンディングで支援してくれた方への返礼品として制作した雛人形の持道具。
「制作工程は、何度も線の太さなどの具合を見て、
時には互いの意見を聞いてみんな切磋琢磨して取り組んでいます」と、
話す3名の瞳も大変輝いていました。
あなたもひとつだけのアクセサリー、つくりませんか?

おだやかな雰囲気の職人さんが、ひとつひとつ心を込めて制作。内に秘めた情熱は思わず応援したくなります。
information
矢留彫金工房
photo & text

重久 愛 しげひさ・いつみ
「死ぬまでには一度は行きたい場所」で知られる鹿児島県与論島出身。2019年に縁あって秋田県秋田市にIターン。よそ者から見た秋田市の魅力や移住に至る経験を生かして、秋田市の地域おこし協力隊に着任。YOGAを生かした地域交流を図る事業や、移住者を受け入れる市民団体事業をプロデュース中。山菜採りにすっかり夢中に。自称「立てばタラの芽、座ればバッケ、歩く姿はコシアブラ」。
