連載
posted:2018.12.23 from:全国(白川村・花巻市) genre:食・グルメ
〈 この連載・企画は… 〉
毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?
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Fuko Nagasaka, Kanta Suzuki
長坂風子/鈴木寛太
その土地ならではの郷土食。
1日の元気の源となる朝ごはん。
みなさんは、どんな食事で日々の活力を得ていますか?
今回は、地域おこし協力隊のみなさんから、
その地域で食べられる“冬ごはん”を投稿してもらいました。
白川村の冬ごはんといえば「漬物ステーキ」。
村外出身の私にとって、初めて出合ったときは衝撃的でした。
漬物を焼くの? ステーキ? と。
豪雪地帯である飛騨地方で漬物は、野菜が不足する冬の貴重な食料でした。
寒さで凍りついてしまった漬物を溶かすためや、
熟成が進んだ漬物を食べるための調理法として、焼いて食べたのが漬物ステーキの始まりです。
現在でも、自家製の漬物を漬ける家庭は多く、冬の定番メニューです。
一般的には、白菜の漬物を卵でとじますが、
家庭によってはごま油やバターで漬物を炒めたり、ツナ缶を入れたりします。
そして、漬物を温めて食べることで、腸内の乳酸菌の働きが活発になり、
免疫力が上がるという、うれしい効果もあるそうです。
漬物ステーキは、白川村の人々の冬の健康を支える郷土料理なのです。
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長坂風子 ながさか・ふうこ
愛知県生まれ。大学卒業後、映像制作会社に勤務。地域の“今”を残したいと思い、岐阜県白川村に移住。好きなことは、映画を観ること、おいしいものを食べること。
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朝食といえば、「パン派」か「ご飯派」に分かれますが、
やっぱりご飯を選んでしまうのは、
食欲をそそる彩りで、手間がかかっていて、心に染みるからだと思います。
今回はとあるご家庭の朝食におじゃましました。
冬野菜を使った朝食をとてもスピーディーにつくるのは、
料理の腕はピカイチの佐藤千代子さん。
横からひょっと、お孫さんも卵を手にとり、きれいに卵を割ったかと思うと、
手際よく目玉焼きを完成させました。
気がつけば、焼き塩鮭、キャベツとベーコンの煮込み、お孫さん手づくり目玉焼き、
煮干しからダシをとった冬野菜たっぷりの味噌汁、煮豆、切り干し大根、
申し訳なさそうに横にはちょこんと小さな納豆、デザートにはリンゴ。
テーブルの上には豪華な朝ごはんが並べられました。
冬の寒さに負けないように、朝食を食べ、1日のスタートに気合が入ります。
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鈴木寛太 すずき・かんた
1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。
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