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古材・廃材で古民家リノベーション!
「床張り」を失敗しないDIYのコツと
ビフォー&アフターをご紹介

糸島での自給自足の日々を綴った
―田舎暮らし参考書―
vol.040

posted:2021.10.15   from:福岡県糸島市  genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築

〈 この連載・企画は… 〉  田舎へ移住を考えている人、すでに移住した人。
そんな方の、暮らしの参考やアイデアになるはずです。農業、狩猟、人とのつながり、四季のこと。
福岡県糸島で自給自足生活を営む〈いとしまシェアハウス〉の暮らしをお届けします。

writer profile

CHIHARU HATAKEYAMA

畠山千春

はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。
ブログ:ちはるの森

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

今回のテーマは、みんなが憧れる(?)古民家リノベーション。
リノベするのは、我が家の畳の和室です。

別の場所に保管していた畳が雨漏りで腐ってしまったので、
強度を上げる&部屋をいい感じにするため、
畳下地の上にさらに板を張り、フローリングにすることにしました。

畳の和室に木材を並べて、仕上がりをイメージする風景

切った木材を並べて、仕上がりをなんとなくイメージしていきます。

材料には、使われなくなった古材や、
解体をお手伝いしたときにもらった廃材などを使用します。

壁や天井のリノベーションに比べて、
“部屋の中で目に入る面積”が広いため、ガラリと印象が変わるのが床張り。
どんな部屋になるのか、ビフォー&アフターをどうぞお楽しみに。

床にねじを打ち付ける男性の写真

リノベ初体験のシェアメイト・こうじくん。

さて。私たちの住む家は築80年以上の古民家。
移住して9年目になりますが、壊れた場所は1か所や2か所ではありません。
台風が来ては窓が割れ、瓦が吹っ飛び、大雨が来ては雨漏りし、湿気で床板が弱り……
そのたびに、みんなで修理しながらここまで住み続けてきました。

今では、家の弱った部分を修復するため、月に2回「DIYの日」を決めて、
シェアメイトのみんなで家の手入れをしています。
この床張りも「DIYの日」を使って、合計2日で仕上げました。

次のページ
畳の和室が大変化! ビフォー&アフター

Page 2

床張りに使う道具や、きれいに仕上げるコツとは?

まずは、畳の和室のビフォー写真から。

和室のビフォー写真1

和室のビフォー写真2

畳を外した和室のビフォー写真。

こうして見ると、ふすまのくすみと汚れが気になったので、
まずはふすまをペンキで色塗り。
完全なホワイトだと、周りになじまず浮いてしまうので「アイボリー」を塗っていきます
(写真で見ると真っ白に見えるから不思議ですよね)。

ふすまの張り替えよりも塗ったほうが簡単で速いので、
我が家ではささっと塗ってしまいます。

ふすまにペンキを塗っている風景

ふすまも普段過ごしていて目に入りやすい位置にあるので、色を塗るだけで部屋がパアッと明るくなります。

いざ、床張りへ!

DIYに使った道具は

・丸ノコ(木材をカットする機械)

・電動サンダー(木材をやすりがける機械)

・インパクト(小さなネジを打ち込む機械)

の3つ。

まずは木材の準備から。
ざっくりと床の面積を測り、計算した長さに合わせて丸ノコで木材を切っていきます。

丸ノコで木材をきる男性

丸ノコがあるとDIYの幅がグッと広がるので、家にひとつあると便利。

私たちが使う廃材や古材は、端っこが割れていたり汚れていたりするので、
使えない部分はカットして取り除き、丈夫できれいな部分だけを取り出して使います。

木材の準備が整ったら、次はそれを電動サンダーでやすりをかけていきます。
電動サンダーは、サンドペーパーを高速で振動・回転させて素材を磨く道具のこと。

電動サンダーで木材をやすりがけている風景

まさに文明の利器。感動の仕上がり。磨かれた木はワントーン明るくなり、手触りすべすべ。

もちろん紙やすりを使って手動でもできますが、
大量の木材をツルツルにするには、かなりの時間と手間がかかります。

電動サンダーを初めて使ったときは、その仕上がりとスピードにただただ感動! 
手にすべすべと吸いつくような滑らかさがとっても気持ちいいのです。

木材が仕上がったら、床に打ちつけていきます。

畳の和室の床に木材を敷き、ねじを打ち付けている風景

ここでは、小ネジを打ち込む機械・インパクトが大活躍!

床張りDIYの極意をご紹介

いとしまシェアハウス流、DIYのコツは3つ。

(1)余白を持たせること

古民家なので、そもそも家全体が歪んでいます(笑)。
壁に沿って測って切ったのに板が収まらない! 床板が斜めになってる! 
そんなこともしばしば。

なので、床板を張るときは壁にピッタリくっつけすぎず、
木材同士に少し余白を持たせて、数ミリ程度離して張ります。

ギチギチにくっつけて床張りをすると、
最初の小さな歪みが最後には数センチの大きなズレになり、
きれいに床張りができなくなってしまいます。

インパクトで釘を打ち付けている写真

余白が大事、ってなんだか人生とか人間関係とかにもいえそうだな、と思ったり。

(2)目立たないところからスタートする

どんなDIYでも、手を動かしていくうちにだんだん感覚がつかめて上手になっていくので、
まずは家具を置く場所とか、人が通らない隅っことか、目につきにくい場所から始めます。
そこなら、多少失敗しても見えないので気になりません。

(3)よく目に入る場所は、見た目がきれいな木材を使う

みんなが寛ぐスペースや、よく歩く場所には、
見た目のよい木材を使うと仕上がりがきれいです。
すべての木材がいい状態だったら、そこまで気にしなくてもいいとは思うのですが、
廃材や古材は、いつもパーフェクトな素材が揃っているとは限らないので、
この小技があとあと効いてくるのです(笑)。

インパクトで床に釘を打ち付けている女性

力仕事もバリバリできちゃう、シェアメイトのにちかちゃん。

床張りを終えた部屋にいる子どもと男性の写真

1歳児も手伝ってくれました。

この床張りで、DIY初体験のシェアメイトたちも道具の扱いにすっかり慣れた様子。
頼もしい。
サンダーで磨いたことで木材もワントーン明るくなり、
部屋の雰囲気もずいぶん変わりました。

よくよく見れば小さな隙間や不揃いなところもありますが、
数日過ごせば馴染んで気にならなくなることがほとんど。
そのときは気になって仕方ないんですけどね。不思議(笑)! 

床板は、上に物が乗っていたりすると「ちょこちょこ直す」というのができないので
細かいことは目をつむり、一気に仕上げちゃうのも大事なポイントです。

では、仕上がった和室をご覧ください!

床張りを終えた部屋にいる子どもと男性の写真。その2

畳の和室のアフター写真

床張りだけでなく、ふすまも白く塗ったので、ずいぶん明るい印象に。

そして、リノベで生まれ変わったこの部屋に、
シェアメイトのこうじくんが住むことになりました。

「人生初のリノベ、古材の組み合わせを決めるのが大変だったけど楽しかったです!
自分でつくった部屋に自分で住めるのもうれしいし、めっちゃ良い体験できたなって思ってます」

と笑顔。

笑顔の男性の写真

初のリノベ、お疲れさまでした!

自分で手を動かしてつくったものって、ほかでは得られない愛着が湧きますよね。
この床板が暮らしのなかでどんな風合いに育っていくのか、今から楽しみです! 

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稲刈りの様子のドローン写真

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