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きょうのイエノミ
旅するイエノミ
日本酒と、三陸ワカメ

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
vol.008

posted:2014.3.15  from:神奈川県横須賀市  genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ

〈 この連載・企画は… 〉  伝統を継承するということは、昔のものをそのまま受け継ぐだけではありません。
わたしたちの生活に合うよう工夫しながら、次世代に伝えることが、伝統を守ることにつながります。
酒造りの伝統を守りつつ次世代につなげる宝酒造と、
ローカルな素材を活かしてとっておきのつまみを提案するcolocalのタッグで
「きょうのイエノミ 旅するイエノミ」はじまりはじまり。

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

ようやく本格的な春がやってきました。
料理研究家・飛田和緒さんが住む三浦半島では
いちはやく菜の花が満開になり、続いて浜辺が一気に活気づきます。
春を告げるワカメ漁やハバ海苔(岩海苔の1種)づくりが終わったと思ったら
お次は釜揚げヒジキ、待望のシラス漁解禁ときて
裏山のタケノコがにょきにょきと伸び始めたら春本番。
ひと雨ごとに暖かくなる気配を感じながら
海と山からのうれしい到来物をせっせと料理する飛田さんです。
きょうのイエノミのおつまみは、そんな身近な旬の素材ばかり。
おいしい日本酒と一緒に、春の恵みを思う存分味わってみませんか?

2月頃から、飛田さんちの食卓は「ワカメ尽くし」になることもしばしば。
ワカメと卵の炒めもの、ポタージュ、フリット、オムレツ。
仲良しの漁師さんが生の新ワカメをどっさり届けてくれるので
自然と料理のバリエーションも増えていったのだとか。
なかでも飛田さんがワクワクするのが、生のワカメをゆでるとき。
「熱湯にくぐらせた瞬間、パッと鮮やかな緑になるのね」
こんな楽しみ方を知ったのも、海辺のまちに住んでから。
東京にいた頃は、ワカメの旬を意識することもなかったそうです。
いまでは、ゆでて冷凍するだけじゃなく、カラカラに干して保存するワザも取得。
生ワカメをいただくと「明日晴れるといいな」と思うほど。
なのに、わざわざ取り寄せてまで食べたい
そんなワカメが飛田さんにはあります。

●ローカルな逸品「気仙沼市・マルニシの三陸ワカメ」
たかがワカメといえなくなる三陸の海の恵み。

そのワカメと出合ったのは3年前。
友だちにもらったのがきっかけでした。
ふだん食べ慣れている相模湾のものはしゃきしゃきした歯触りだけど
そのワカメは肉厚なうえになめらかで、明らかに食感が違う。
きょうも、煎りたての胡麻をぱらりと振るだけ。
そのままで食べるのがいちばんおいしいそうです。
自家製味噌のポン酢だれや、柚子胡椒を合わせた醤油を用意し
大事にいとおしむように日本酒と一緒にいただきます。
それは宮城県気仙沼市にある「マルニシ」のもの。
飛田さんが3年前にいただいた岩手県野田村産ワカメは
津波の被害を奇跡的に免れた貴重なものだったのです。

複雑なリアス式海岸が広がる三陸沿岸は
日本一のワカメ産地としても知られていますが
マルニシの新妻さんに電話でうかがってみると
地震が起きた3月11日はワカメ漁のまさに最盛期。
三陸ワカメだけを扱う専門問屋・マルニシは
市内3か所にある工場は全壊と大規模半壊、
ワカメを保管していた冷蔵施設も3か所が全壊しました。
ただ、被災しながらも唯一残った冷蔵施設の3階部分だけは
津波に耐えたのか停電にもかかわらず-11度をきっちりキープ。
その限られた在庫をもとに4か月後に営業を再開したそうです。

とはいえ、三陸のワカメ産地はどこも甚大な被害を受け
生産量は3年たったいまも、震災前の約7割。
「でも、今年は特に出来がいい感じですね」
2014年こそ三陸ワカメ復興の年にしたい、いやそうなるはず。
そんな願いが込められた新ワカメが、いま収穫期を迎えています。
「同じ三陸といっても、浜によってワカメの個性が違うんですよ」
それは食べ比べてみればわかるはず、と新妻さん。
鮮やかな緑が美しく香りがよい宮城産。
深い緑色でもちもちと肉厚な岩手産。
美しい原生林と、その森から流れる川に含まれる栄養分と
「本気の漁師さん」たちが大切に育んできたのが三陸ワカメなのです。
北は岩手県久慈市から、南は宮城県石巻市まで。
「南から行くと、十三浜、志津川、歌津、階上(はしかみ)……」
すらすらと歌うように浜の名前を数え上げる新妻さん。
そのすべての浜のワカメを食べ比べできる日が、早く来ますように。

『マルニシ』(宮城県/気仙沼市)の三陸ワカメ

●お取り寄せデータ

住所:宮城県気仙沼市西八幡町23

電話:0226-22-1235(直売所直通)

FAX:0226-24-4160

営業時間:9:00~17:00 (直売所) 日祝休

Webサイト:http://marunishi.jp/

※飛田さんが取り寄せたのは岩手県野田村産と大船渡市末崎地区産の塩蔵品、宮古市田老町産天然わかめ。お試しなら「三陸わかめ」(宮城県南三陸町産)150g 280円を。

※三陸のワカメはすべて自主検査済み。安全安心という確認がとれている。

●便利な常備菜「タケノコのおかか煮」
ご近所からいただくタケノコはまずシンプルに。

春はなにかとあわただしい季節ですが
飛田さんの場合、タケノコをどっさりもらうのもその一因。
ご近所の知り合いがみんな裏山のタケノコを持ってくるので
なるべく早くゆでて、できれば友人にもおすそ分けせねば、とキッチンで大奮闘。
ようやくゆでおわり、冷蔵庫に収めたと思ったら
次のタケノコが到来なんてこともしばしば。
「だから炊き出しにも使えそうな巨大な寸胴鍋を買ったのよ」
うーん、その気持ちはよくわかる。
わかるけど、それじゃこんどは冷蔵庫がパンクしそうな気が……
そんな飛田さんがいちばん好きなタケノコ料理がこちら。
下ゆでしたタケノコにじっくり味を含ませ
ぱぱっとおかかをふっただけのシンプルな春のご馳走です。
おかかのかわりに実山椒のつくだ煮を加えてもおいしいんだとか。
ちなみに飛田さんは、タケノコを水煮と味付けの2通りで保存します。
その味付けバージョンのベースにもなるこのレシピ。
タケノコフライやステーキなど、簡単にアレンジできるからなるほど便利かも。
これなら冷蔵庫内の回転もよさそうですね。

タケノコのおかか煮

●つくりかた

ゆでたタケノコを大ぶりに切る。

1を鍋に入れダシをひたひたに注ぐ。

2に薄口醤油とみりんを同量入れる。

3が煮立ったら落とし蓋をして弱めの中火で20分ほど煮る。

熱々のうちにおかかをかけてさます。

※日持ちは約3日。市販の水煮タケノコを使ってもいい。

●簡単おつまみ「アサリの春野菜蒸し」
色鮮やかな緑の野菜で春色を楽しんで。

見た目がパッと鮮やかで食卓が華やぐのがこちら。
「おもてなしのとき、よく最初に大鉢でドンとおいちゃうの」
作り方が本当に簡単で、しかもすぐに出来るので
とりあえず、のおつまみにも最適なのです。
きょうは春になっておいしくなるアサリに
スナップエンドウと菜の花をどっさり載せて蒸しあげましたが
この野菜だってなんでもいい。
キャベツやインゲン、絹さやにセリ、三つ葉。
お好きな野菜で、アレンジしてみてくださいね。
また、アサリと野菜から出たスープがなんともおいしくて
飛田さんはいつもアサリの殻ですくって飲んでしまうほど。
日本酒を適当にひとまわしするだけで、
調味料を特に加えなくてもおいしいのだから、アサリってエライ。
そうそう、菜の花は筋をむくと口当たりがよくなるので
ゆでて使うときもぜひ試してみてください。
多めにつくって余ったら、少し水を足してアサリ雑炊にしても
とてもおいしくいただけるそうですよ。

アサリの春野菜蒸し

●つくりかた

砂抜きしたアサリをよくこすり洗いする。

菜の花は筋をとり食べやすい大きさに切る。

スナップエンドウは筋をむく。

鍋にアサリとオリーブオイルを入れ2と3をざっくりのせる。

4に日本酒をひと回ししてから蓋をして中火で蒸し煮する。

アサリの口が開いたらできあがり。

※味見して塩気が欲しければ塩少々を加える。

●きょうの和酒 松竹梅「白壁蔵」< 生酛純米>
ワイン文化が根付いたヨーロッパでも大好評です。

昨年末、ユネスコ無形文化遺産に
「和食:日本人の伝統的な食文化」が登録されたことは
神戸・灘の「白壁蔵」で働く人々にとっても大きな喜びとなりました。
日本酒の伝統的な仕込み方「生酛造り」にこだわり
本当の意味で食事に合うおいしいお酒を造ろう。
その方向性が間違いではなかったと勇気づけられたからです。
もともと、松竹梅「白壁蔵」< 生酛純米>は
食卓で映えるボトルデザインやコルクキャップなど
海外でも喜んでもらえる「和酒」として誕生しました。
厳選された酒造好適米と米麹、灘の宮水を使い
お米の旨さを酵母や乳酸菌による発酵で最大限に引き出した
柔らかでふくよかな味わいは、どんな食事シーンにもぴったり。
ぜひ料理との相性の良さを確かめてみてください。

松竹梅「白壁蔵」〈生酛純米〉640ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://shirakabegura.jp/

profile

KAZUWO HIDA
飛田和緒

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

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