連載
posted:2012.9.23 from:栃木県芳賀郡益子町 genre:アート・デザイン・建築
〈 この連載・企画は… 〉
各地で開催される展覧会やアートイベントから、
地域と結びついた作品や作家にスポットを当て、その活動をレポート。
editor's profile
Rumiko Suzuki
鈴木るみこ
すずき・るみこ●静岡県出身。出版社勤務を経て渡仏後、フリーランスに。女性誌や生活関連書籍の編集&執筆に携わり、2002年には初代編集長と2人で『クウネル』を立ちあげる。10年間編集に携わったあと、つぎにやるべき楽しいことを模索中。編著に『スマイルフード』『パリのすみっこ』等。
credit
撮影(メイン画像):矢野津々美
栃木県益子町。古くから窯業と農業を営んできたこのまちで、
9月の新月から月が満ちるまで、15日をかけて開催される土祭/ヒジサイ。
この土と月の祭りで何が行われるのか。
ひとりの編集者が滞在し、日々の様子を書きおこしていきます。
考えてみれば、2週間もつづくお祭りというのは、そうない。
長くて3日。それも週末などにあて、日常を忘れ
集中的に賑わいで燃えつきるといったものが多いのではないか。
土祭にしても、もちろん2週間まるまる益子の日常機能が停止するわけではなく、
週末が過ぎてウィークデーになれば、勤め人は会社に行き、子どもは学校に行くという、
ごくふつうの生活が戻ってくる。
火曜以降は、訪れる観光客もちらほらになった。
しかし、ふだんどおりの益子の営みのすぐ隣には
アートや特設ショップなどが依然として存在しているわけで、
高揚感が底に流れる静けさというか、日常と非日常が混在する面白い空気を感じている。
エッジのきいた現代アートの会場の受付で、
ボランティアのおじさんがこっくりこっくり居眠りしている様子などは、
なんとも、ほのぼのとしていい。
初日のセミナーで、小倉美惠子さんは
お祭りとイベントの違いから話をはじめていたのが印象的だった。
その意識が風土に向いているとお祭りになり、人に向いているとイベントになると。
新月の奉納演奏会から、満月の千秋楽まで。
風土と先人にじゅうぶんな感謝を捧げるのに、2週間は長すぎない。
月のテンポでゆっくり満ちるものを土祭はめざしている。
以下、昨日と今日の断片。
information
EARTH ART FESTA
土祭2012
2012年9月16日(日)~9月30日(日)
栃木県益子町内各所
http://hijisai.jp
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