コロカルアカデミーは、コロカル編集部が主催するウェビナーシリーズ。地域づくりやブランディング、観光、ものづくりなどをテーマに、各地で活躍する実践者から現場の知見や取り組みを学びます。
第17回のテーマは、「地域資源×IPで熱狂を生むプロモーション」。ゲストに、佐賀県の情報発信プロジェクト〈サガプライズ!〉でプロジェクトリーダーを務める、佐賀県広報広聴課の藤吉洋輔(ふじよし・ようすけ)さんを迎えました。
佐賀県の形がゴジラに似ていることから生まれた〈ゴジラ対(つい)サガ〉や、『キングダム』連載20周年とコラボレーションした〈キングダム×(駆ける)佐賀県〉など、ユニークな企画を仕掛けてきた〈サガプライズ!〉。今回は、こうした事例をもとに、地域資源とIPを掛け合わせ、人の動きにつなげるプロモーションの考え方を伺いました。
本講座で語られたこと
・〈サガプライズ!〉の歩み
・企業・ブランド・IPとのコラボレーションの考え方
・〈ゴジラ対(つい)サガ〉、〈キングダム×(駆ける)佐賀県〉の事例
・地域資源×IPで「人の動き」をつくる方法
見逃した方、もう一度じっくり学びたい方に向けて、アーカイブ動画を公開しています。
「驚き」と「ストーリー」が導くIPコラボのポイント

藤吉さんのお話の大きな軸になっていたのは、行政だからといって、企業やIPホルダーとのコラボレーションが容易に進むわけではない、ということ。さまざまな制約や難しさがあるなかで、「なぜこの企画なのか」が伝わる、企画の精度が求められます。〈サガプライズ!〉は、さまざまなコラボレーションを通して、その方法を探ってきました。
例えば〈ゴジラ対(つい)サガ〉は、佐賀県の形がゴジラに似ているという「気づき」から生まれた企画。そこにゴジラというIPを掛け合わせ、「なぜ佐賀県がゴジラとコラボするのか」というストーリーをつくりました。『キングダム』とのコラボレーションでも、佐賀県出身の漫画家・原泰久(はら・やすひさ)さんが手がける作品であることや、連載20周年というタイミングを生かし、地域との接点をつくっています。
大切なのは、話題になるIPを起用することだけではありません。地域にある資源や背景を起点に、「このIPだからこそできること」を考え、ストーリーまで設計すること。そうすることで、一度きりの話題ではなく、佐賀県への関心を高め、訪れるきっかけへとつなげていきます。
実際の企画が生まれた背景や、IPホルダーとの対話、県内を巻き込む工夫、SNSでの発信については、アーカイブ動画で詳しく紹介しています。
担当編集より

佐賀県が『ゴジラ』と、そして『キングダム』とコラボレーションしたと聞けば、多くの人が「え? あのゴジラと?」「え? あの『キングダム』と?」と驚くのではないでしょうか。
もちろん、IPホルダーや関係者と対話を重ね、一つのプロジェクトとしてまとめ上げるには、大きな労力がかかるはず。さらに、コラボレーションの「組み合わせ」だけでなく、IPへの理解やリスペクトがあるかどうかも、受け手は敏感に見ています。
そうしたなか、藤吉さんを中心に進められている〈サガプライズ!〉は、IPへの熱量と、「なぜこのIPなのか」「なぜ佐賀県なのか」という一貫したストーリーを持って企画を展開しています。そこが、話題性だけではないプロモーションにつながっているのだと感じました。
地域資源の発信も、単に話題や露出をつくるのではなく、その地域だからこそできる企画を考え、愛と熱量を持って実行することが大切。今回のお話から、あらためてそう感じました。
IPとのコラボレーションや地域資源のプロモーションに関心のある方に、ぜひご覧いただきたい講座です。
登壇者プロフィール
藤吉 洋輔
ふじよし・ようすけ/佐賀県広報広聴課 サガプライズ!プロジェクトリーダー。佐賀県出身。出版社勤務を経て、広告代理店にて自治体、金融機関、飲料メーカー、商業施設などのプロモーション業務に従事。2021年に佐賀県庁へ入庁し、映画・ドラマ・テレビ番組の誘致を担当。2024年より情報発信プロジェクト〈サガプライズ!〉を担当している。
杉江 宣洋
すぎえ・のぶひろ/コロカル編集長。マガジンハウス入社後、『anan』『BRUTUS』などの副編集長を経て、2022年に『Hanako』編集長に就任。2025年より現職。