海が見える丘の上の窯元 〈不悉洞〉。真っ白な磁器や 美しい色の伊賀焼を

高田さんと陶芸の出会いは浪人生時代。
たまたまテレビで見かけた職業訓練校の陶芸の授業風景に、
突然、これをやろう!と閃いた高田さんは、陶芸科のある京都のデザイン学校へ入学します。
卒業後、京都の美術陶芸グループ〈走泥社〉の陶芸家の元で6年、
その後伊賀焼きの中興の祖といわれた故 谷本光生さんの内弟子として1年働き
独立のための場所を探し始めます。

あたたかく気さくな人柄の高田さん。骨董品や古書がなにげなく置かれ、そっと野の花が生けられた店内には、高田さんのセンスがちりばめられています。

「金沢か盛岡か小樽で焼きものをやろうと思った」
高田さんは、下見に訪れた札幌で縁あって陶芸講師を始めることになり、
北海道に移住。やがて念願の小樽に構えた窯が立ち退きとなり、
1980年、引っ越し先にと知人が見つけてくれたここ忍路で暮らし始めます。

「忍路はニシン漁で昔栄えたまちだから、よそものも受け入れてくれる大らかさがある。
遺跡が多く、遥か昔から人が住んでいたところだしね。静かでいいところですよ」

庭には、高田さんがつくったチャーミングなオブジェが。

「一番楽しいことを仕事にしてしまった」と笑う高田さんは、
自らを「作家でもアーティストでもない」と言い切ります。
「僕は“ええもん”をつくりたい。手にした人が飽きのこない、
使い続けたくなる普通の器をつくり続けたいんです」

“不悉”とは、大正時代、手紙の末尾に添えられたという言葉。
“言葉至りませず、ことごとく尽くせませんでした”という意味。
「この仕事はこれで100点満点ということはないので、いい言葉だなあと思って」

気づけばいつも、日々の食卓にあるうつわ。
ここには、長く大切につきあっていきたい一品との出会いが待っています。

information

map

不悉洞(ふしつどう)

住所:小樽市忍路1-217

TEL:0134-64-2103

営業時間:9:00〜17:00

定休日:不定休

※駐車場あり