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阿寒湖と深い森に抱かれたホテル
「あかん遊久の里 鶴雅」。
郷土の文化を伝える温かいおもてなし

おでかけコロカル|北海道・道東編

posted:2015.11.6  from:北海道釧路市阿寒町  genre:旅行

〈 おでかけコロカルとは… 〉  一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。

photographer profile

YAYOI ARIMOTO

在本彌生

フォトグラファー。東京生まれ。知らない土地で、その土地特有の文化に触れるのがとても好きです。衣食住、工芸には特に興味津々で、撮影の度に刺激を受けています。2015年に写真集『わたしの獣たち』(青幻舎)が発売した。
http://yayoiarimoto.jp

writer's profile

Team YumYum

チームヤムヤム
(山本 学 ・ 山本えり奈)

旅をしながら十勝に暮らす編集デザインチーム。あいうえお表やカレンダー、すごろくやイラストマップなど、日々の楽しみをデザインする作品をつくっています。「ヤムヤム旅新聞」にて、旅やローカルな魅力を発信中。 http://www.tyy.co.jp

credit

取材協力:北海道観光振興機構

深い森に覆われ、青い水をたたえる阿寒湖は、
道内でも人気の観光名所のひとつ。
特別天然記念物のマリモが生育する特異な自然環境を持ち、
豊かな自然が今なお残るエリアです。
また、アイヌ文化が息づく場所として、
〈アイヌコタン〉(おでかけコロカル道東編にも登場)もあります。

阿寒湖のほとりに建つ温泉旅館〈あかん遊久の里 鶴雅〉は、
大型施設ならではのサービスとおもてなしを大切にする宿として、
道内外から多くの人が訪れています。

鶴雅の魅力のひとつは、阿寒湖や周囲の森を見渡せる美しい風景。
まず素晴らしいのは、宿の最上階にある露天風呂からの眺め。
阿寒湖の絶景を見下ろし、展望台に露天風呂が付いているかのよう。
まさに“空中露天風呂”です。
早朝には青く輝きはじめる阿寒湖を眺めながら、
湖からの涼しい風に吹かれて心地良く湯浴みができます。

別館にある温泉付展望特別室からの眺め。

一階大浴場にある露天風呂は、岩造りの庭園風。
湖と同じ目線の高さで湯に浸かれ、
まるで阿寒湖に浮かんでいるような気分になります。
内風呂の壁には、「大阿寒」をテーマに描かれたという
阿寒湖の動植物やアイヌの伝説が描かれています。
中央には阿寒湖に見立てたという大きな木の浴槽もあり、
広い浴場のあちこちにヒノキ風呂や丸太風呂、洞窟風呂も楽しめます。
1階と8階の大浴場は、時間で男女が入れ替わるので、
滞在中にどちらのお風呂も湯めぐりできます。

空中露天風呂〈天女の湯〉。(写真提供:鶴雅グループ)

阿寒湖に面した緑豊かな中庭では、
木々の間に敷かれた木道を通って湖畔の散策ができ、
阿寒湖畔散策路ともつながっています。
野鳥のさえずりを耳に、気持ちのいい朝の散策にでかけましょう。
中庭には阿寒湖の神々と先人たちへ
アイヌの言葉で「イヤイライケレ(感謝)」の想いを込めた、
火のモニュメントがあり、豊かな自然と調和しています。

阿寒湖に面したホテルの中庭。朝の散策にも。

鶴の羽のように湖に向かって広がって見える、
〈あかん遊久の里 鶴雅〉と〈あかん湖 鶴雅ウイングス〉のふたつの建物。
連絡通路で結ばれ、どちらに宿泊しても大浴場や岩盤浴を楽しむことができます。

また、大規模ホテルとして団体客や家族連れでのにぎわうなか、
静かに過ごしたいという個人客向けに
60周年を機に2015年5月に新しくオープンしたのが〈別館〉です。
別館宿泊者は、専用ラウンジ〈ラウンジ七竃〉にて、
抹茶と和菓子をいただいてチェックイン。
選べる枕やカラフルな浴衣などのサービスも。

別館には専用キーで入るので、大きな旅館でありながら、
個人客が静かに過ごせる空間を提供してくれます。
温泉付きの客室も用意されていて、なかでも「温泉付展望特別室」は、
まるで阿寒湖に浮いているかのようなダイナミックな風景が広がる部屋。
温泉がこんこんと溢れていて、いつでも好きな時に温泉に入れます。
大きく取られた窓の外には目の前に阿寒湖が広がり、
ときおり行き来する観光遊覧船を眺めながら、ソファでゆったりとくつろげます。

温泉付展望特別室はツインベッドと和室が付いています。

こちらは清潔感あふれる洗面台。

肌触りのいい陶器の露天風呂が付いた客室もあります。
夜は星空を眺めながら、朝は木々の葉擦れの音、野鳥のさえずりを耳に。
日がな一日温泉に出たり入ったり、日々の疲れを癒してくれるでしょう。

森側に面した別館お部屋には、露天風呂が付いています。

あかん遊久の里 鶴雅の夕食は、宿泊プランにより、
バイキングまたは会席膳のどちらかを選べます。
〈メインダイニング 天河〉のバイキングは、
広々とした会場に、100品以上もの料理が並びます。
それぞれのブースにシェフがいて、できたての料理を提供。
サーモンやホタテ、エビなどを目の前で握ってくれるお寿司などの和食、
餃子や蒸したてのシュウマイなどの点心がおいしい中華料理に、
プルコギやチャプチェ、キムチが並ぶ韓国料理、
チーズや、カルパッチョやパスタなどのイタリア料理、
クレームブリュレやムースやチーズケーキなどのスイーツまで
多種多様なメニューから、自分好みの料理を選べます。

そして、温泉に浸かってお腹いっぱいになったら、
岩盤浴で汗を流してすっきりしましょう。
実は、岩盤浴を目当てに宿泊する人もいるほどの人気の施設なんです。

あかん湖鶴雅ウィングスにある岩盤浴スパ〈スマ〉は、
バラやハーブなどのアロマの香りがいっぱいの女性専用の高温岩盤浴に加え、
男女共用の低温、高温、クールルームもあります。

更衣室で専用の服に着替えたら、好みの岩盤浴の部屋へ。
専用のバスマットをしいて、
最初に5分間のうつぶせ寝、そして10分間のあおむけ寝。
休憩タイムには、岩盤リビング〈ニカオプ〉で、
冷たいレモン水を飲み水分を補給。
火照った身体にレモン水が染み渡ります。

マットレスとビーズクッションに寝転がって、
ゆっくりと身体を休めれば、まさに極楽気分です。

女性専用の高温岩盤浴のなかはアロマがたかれている。

もともとは純和風をイメージした内装だった建物を、
リニューアルにより、アイヌ文様やアイヌ芸術を代表する彫刻など、
この地で継承されてきた郷土の文化を取り入れました。
外壁や客室、ロビーなど、各所に木彫の彫刻やパネルが置かれ、
ギャラリーも併設するなど、
アイヌ文化の芸術性の高さを伝えています。

〈鶴雅ウイングス〉のロビーには、
阿寒湖温泉在住の彫刻家・藤戸竹喜氏による彫刻が展示されているので、
ぜひ訪ねてみたください。
まず目をひくのが、緻密で美しく迫力のある、翼を広げたフクロウの彫刻。
藤戸氏が鶴雅ウイングスのために制作したという「カムイ・ニ」という作品です。

連絡通路には、アイヌの刺繍が施された衣服や船の模型なども展示。
〈あかん遊久の里〉のギャラリー「ニタイ」には、
瀧口政満氏のコレクションとして“風”をテーマにした彫刻が並んでいます。
夜には、地元有志の語り部によるアイヌの民話や神話に耳を傾け、
阿寒の自然とともに暮らしてきた人々の生活に触れることができます。

この地に息づくアイヌ文化に触れることができるギャラリースペース。

館内のギャラリーやレストラン、オブジェなどさまざまな場所には、
「ニタイ(森)」「イヤイライケレ(感謝)」
「ハポ(お母さん)」など、さまざまなアイヌの言葉も記されているので、
言葉に触れてみることで、よりアイヌの文化に親しみを持つことができます。

自然や先人に感謝をしながら郷土の伝統と文化を受け継ぎ、
心に触れるおもてなしを大切にしている鶴雅。
道東の地で、阿寒の雄大な自然を眺めながら、
存分に湯を楽しみ、心も身体も癒せる宿です。

information


map

あかん遊久の里 鶴雅

住所:釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目6-10

TEL:0154-67-4000

駐車場 あり
http://www.tsuruga.com/

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