四国の「いい湯」は、その多くが山奥にあります。
高知市から車を走らせること約二時間、
津野町にある「郷麓温泉」もそのひとつです。
かつては宿の人自身が「釣り人ぐらいしか泊まらない」というほどに鄙びた宿で、
湯船も小さなものがひとつあるだけだったのですが、
2年前に建物のほとんどを建て替える大規模なリニューアルを行いました。

一番の自慢は、もちろんお風呂。
ご主人が「一番眺めのいい場所に」と、
四万十川支流北川川の流れを望む高台に浴室が設けられています。
源泉自体の湧出量はとても少ないのですが、
ここ郷麓温泉はその湧出量に見合った小さな湯船しかありません。
それゆえ、源泉からひいているお湯は濃厚そのもの。
事前に到着時間を伝えておけば、新しいお湯を張って待っていてくれます。
貸切風呂なので、他のお客さんと一緒になることもありません。
四国では、山間部に点在していた小さな「いい湯」が少しずつ減っていますが、
ぜひともこれからも頑張ってほしいものですね。

源泉水で番茶をわかした「源泉茶」。これをずっと飲んでいると胃腸の調子が良くなるそうで、地元の方の中には源泉を持ち帰ってお米を炊く方もいるのだとか。