山の小さな産直食堂。
高知市内から車で1時間30分、いの町柳野。
そんな山奥にわざわざ食べに行きたくなる、
山菜定食をいただけるお店「ふれあいの里柳野」があります。
四国には全国の約半数の種類の植物が棲息し、
なかでも高知県は植物の種類が豊富な地域として知られる植物の宝庫。
それゆえ、山の恵みを上手に食べる風習がある地域なのです。
「ふれあいの里柳野」の調理場を担うのは、
岐阜県から移住して来られたジュニア野菜ソムリエの松岡昭久さん。
もともと薬剤関係の仕事をされていたのですが、
自然の中での暮らしを送りたいと考えて念願を叶えられる場所を探し回るうち、
ここ柳野にたどり着いたのだそうです。
平均年齢62歳のこの地区では、56歳の松岡さんは若手中の若手、
地区のホープでもあります。

オススメしたいのは「日替り手打ち山菜天ぷらうどん定食」。
山菜の天ぷらがのせられたうどんと、
その日朝に山を回って使えそうな山菜の揚げたての天ぷら、
ご自身が自然栽培で育てた野菜のマリネや炒め物、
柳野産のごはんが並ぶ贅沢メニューです。
お料理で使うのは、オリーブオイルだけ。
健康効果があるだけでなく風味もよく、天ぷらもカラッと揚がるからです。
高知市内のスーパーでも見ることのできない、山菜や木の芽などの山の幸。
山菜の種類はヨモギやコシアブラ、ウド、ドクダミ、タラ、モミジガサなど、
メジャーなものから耳慣れないものまで多種多彩。
山菜だけでなく野菜やお米など素材はすべて柳野産というから驚きです。

お店は村のサロン的な役割も果たしています。
地元のおばちゃんやおじちゃんがつくった農作物や加工品が並ぶ産直コーナーには
ぷりぷりの原木椎茸、地元で採れたお茶、雑穀や新鮮野菜や手工芸品などが並び、
お買い物をしながらお食事ができるのを待つこともできます。
ときおり海や川へ釣りに行った地元の人が魚を持ち込み、
たまたま居合わせたお客さんに魚をまるごとふるまうこともあるのだとか。
おばちゃんもおじちゃんも毎日のようにここに集い、
世間話や情報交換などしながら支え合って暮らしています。
ちなみに、この「ふれあいの里」と柳野を取り仕切るのは、
なんと85歳になる松本和美さん。現役区長であり総責任者です。
先日、ちょっとしたことでかかとを骨折されてしまったのですが、
驚異の回復力で仕事に復帰。
ちょっとおちゃめなところがある
村のアイドル的存在で、お酒好きです。

左から2番目が現役区長で「ふれあいの里柳野」を取り仕切る松本和美さん。