素材にこだわり、シンプルにおいしく。
鳥取駅から長く伸びるメインストリート、若桜街道の道沿いにあるお蕎麦屋さん。
といっても外から見ると蕎麦屋らしからぬ外観です。
古材と波板ガラスを使いながらもモダンな雰囲気で、
店内はコンクリート打ちっぱなしに木の家具を合わせ、音楽はジャズがかかっています。
地元の内装デザイン会社、工作社が手がけたものだそうです。
蕎麦、とあまり身構えることなく、誰でも気軽に入りやすい雰囲気です。

元々和食店で修行していたという店主の川口正之さん。
鳥取には蕎麦屋さんがあまりないし、
自分は何かひとつに絞るほうが向いている、と蕎麦一本で勝負することに。
メニューはシンプルに、
殻付きで蕎麦の香りが高い、いわゆる田舎蕎麦を「黒」、
殻を取った繊細で滑らかな食感のものを「白」と呼んでいます。
どちらも粗挽きで、蕎麦らしい風味を大切にしています。
材料にはこだわりがあり、本日の蕎麦粉が黒板に書かれています。
産地は毎度変わりますが、
できるだけ山陰のものを使いたいと思っているそうです。
鳥取県日南町の蕎麦粉は特に気に入っているそうで、
開店以来ずっと使っています。
打った蕎麦はしばらく置いて落ち着かせます。
そのほうが香りが立ち、しっとりと水分が回り、
火の入りが均一になるのだそうです。
2階に上がると、電動の石臼が蕎麦を挽いている様子を
ガラス越しに見ることができます。
そして器使いがとてもかっこいいです。
鳥取の窯元、岩井窯の器を使っています。ザルは長野の根曲がり竹を編んだもの。
それらが折敷に乗って、凛とした風情で出てきます。
川口さんは昔から岩井窯の器が好きで、
お店をやるならぜひ使いたい、と思っていたそうです。

そしてここ、蕎麦はもちろんですが、夜のおつまみメニューも魅力的です。
豆腐の味噌漬けやへしこ、玉子焼き、油揚げの炙り焼きなど、
心惹かれるラインナップです。
日本酒も鳥取産で、ひとつひとつ個性の違うものを揃えているそうです。
この空間や器を楽しみつつ、地元のお酒と一緒にちびちびやって、
最後に蕎麦で締める、それだけでもう、大満足です。
information
手打蕎麦 かわぐち
住所 鳥取県鳥取市栄町204
TEL 0857-30-5705
営業時間 11:00〜14:00、18:00〜21:00 (日曜は11:00〜14:00のみ) 月曜休
