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山陰の民藝の奥深さに触れる
「鳥取民藝美術館」

おでかけコロカル|鳥取編

posted:2013.7.11  from:鳥取県  genre:旅行

〈 おでかけコロカルとは… 〉  一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。

editor’s profile

Kaori Ezawa

江澤香織

えざわ・かおり●神奈川生まれ、東京在住。フリーライター。友人に誘われふらっと訪ねた鳥取の旅で、 その良さに感動し、以後、山陰と深く関わることに。「山陰旅行 クラフト+食めぐり」(マイナビ)著者。 食、旅、クラフト等を通じて、日本文化とものづくりを応援。

credit

撮影:上原朋也
取材協力:鳥取県

美しい暮らしの道具を、観て、味わい、実践する美術館。

柳宗悦が興した民藝運動。
無名の工人が作った、日常使いの手仕事の道具に「用の美」を見い出し、
芸術品ではなくとも、美しい暮らしができることを、
世の中に広く伝え、実践していった運動です。
そんな柳氏の活動に感銘を受けた医師が、鳥取におりました。
吉田璋也は耳鼻咽喉科として開業する傍ら、
民藝運動に深く関わり、地元の腕の良い作り手を探し出して、
制作のアドバイスを行っていました。
今でいう、クリエイティブディレクター、プロダクトデザイナー、総合プロデューサー
といったところでしょうか。

そして1949年、ついにこの美術館をオープン。
ここの美術館の大きな特徴は、ただ展示品を観るだけでなく、
民藝の道具を使って食事を楽しめる割烹と、それらを買えるショップが
隣りに並んで建っていることです。
実際に道具の使い心地を確かめ、設えた空間を体感し、
道具を家に持ち帰って普段の暮らしの中で活用することができるという、
実践型の美術館なのです。
こういう美術館を作ったのは日本で初めてのことでした。

こじんまりとした展示室は、お家のような居心地良さがあります。
全国、及び海外からも集められた民藝の品々は、
古いものが多いですが、今観ても新鮮で、数々の発見があります。
さらに、グラフィカルな窓枠や、小洒落た木製の電気スイッチカバーなど、
室内の隅々まで吉田氏がデザインしているので見逃せません。
展示内容は年2回入れ替えをし、地元の作り手が実際に作品に触れつつ、
陳列のお手伝いをするそうです。

展示室を観たあとは、並びの「たくみ割烹」でお食事を。
地元の食材にこだわり、
鳥取の特産物である松葉ガニや岩牡蠣、鳥取和牛などを楽しめます。
また、吉田氏が考案したメニュー「すすぎ鍋」は、
しゃぶしゃぶのルーツといわれています。
バーナード・リーチがお気に入りだったというカレーもあり、
ルーの中に味噌が入っているのが、どうやらリーチ氏の考案だそうです。
室内の調度品も器も、全て民藝の品を使っています。

そして最後は「鳥取たくみ工芸店」でお買い物。
山陰のものを中心に、全国各地の民藝の道具が集まっています。
手頃な値段で、丁寧な手仕事の道具を手にすることができます。
特に器は種類が多く、普段使いによい、実用的なものが揃っています。

information


map

鳥取民藝美術館

住所 鳥取県鳥取市栄町651
TEL 0857-26-2367
開館時間 10:00〜17:00(水曜休 祝日の場合は開館、翌日休)
入館料 一般 500円 大学生 300円 70才以上・高校生以下無料

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