〈F/style(エフスタイル)〉 「使ってみたい」が揃う 生活道具のショールーム

産地の技術を見せるものづくり

そんな彼女たちが手がけるのは、培われてきた技術を読み解き、翻訳し、
いまの時代に合うかたちに落とし込んだもの。生活を楽しくしてくれるもの。

たとえば繊維の産地、新潟県の栃尾地域にある
〈港屋〉〈本寅工業〉〈白倉ニット〉との協働で、
高級コットン「スーピマ超長綿」をできる限り自然に近い状態に戻し、
綿花そのもののやわらかさを生かした綿糸を開発。
絹のような光沢と触感の糸が織り成す、やわらかな風合いの
ブランケットと湯たんぽカバーをつくりました。

栃尾は撚糸から染色、織り、編み、仕上げ加工まで、すべてが揃うテキスタイルの産地。

栃尾は撚糸から染色、織り、編み、仕上げ加工まで、すべてが揃うテキスタイルの産地。

さらにその後、「栃尾の繊維産地の技術は天然繊維だけじゃないぞ、と思って」
水や汚れを弾くポリエステルの布「ステインプルーフ」を開発し、
スリッパやバケットなどをつくりました。
星野さんは「産地の技術を見せたかったので、
3年かけて新しい素材をつくりました」と語ります。

上段にスーピマ綿、下段にステインプルーフのプロダクトが並ぶ、産地を見せるディスプレイ。

上段にスーピマ綿、下段にステインプルーフのプロダクトが並ぶ、産地を見せるディスプレイ。

ステインプルーフの生地を用い、山形県にある〈豊田工業〉が縫製を手がけた〈ステインプルーフスリッパ〉。軽くて履き心地が良く、丈夫で長もちするうえに撥水性があるとあって、リピーターも多い。

ステインプルーフの生地を用い、山形県にある〈豊田工業〉が縫製を手がけた〈ステインプルーフスリッパ〉。軽くて履き心地が良く、丈夫で長もちするうえに撥水性があるとあって、リピーターも多い。

また、既存のファッションや流通に違和感を抱いたふたりは、
違和感を払拭するためにさまざまな“実験”も行ってきました。
そのひとつが、定番をつくり続けること。

「ファッション業界では、春夏にオーダーを受けて秋冬に販売し、
売れ残りをセールで売るという仕組みになっていますが、
私たちは毎年定番の型をつくっています。
そのほうが商品を安売りする必要もないですし、素材のロスもありません。
お店の方も、流行り廃りがなく定番として置いておける商品は
ありがたいと言ってくださっています」(星野さん)

新潟県村上市の山北(さんぽく)地域に伝わる「シナ布(ふ)」のシリーズ。シナ布は、シナの木の皮の繊維をよって糸をつくり、その糸から織られる古代織物のひとつ。現在は山北の雷(いかづち)集落のほか、2、3の山里で細々とつくり継がれている。エフスタイルは産地の活動を伝える立場として関わりながら、バッグや小物などを制作。

新潟県村上市の山北(さんぽく)地域に伝わる「シナ布(ふ)」のシリーズ。シナ布は、シナの木の皮の繊維をよって糸をつくり、その糸から織られる古代織物のひとつ。現在は山北の雷(いかづち)集落のほか、2、3の山里で細々とつくり継がれている。エフスタイルは産地の活動を伝える立場として関わりながら、バッグや小物などを制作。

シナ布の素材

「使う人にとっては“その人のもの”になっていくまでに、時間がかかると思うんです。
使い込んで、そのもののことを理解して、その方がようやく好きになりかけたときに、
買えないということがないようにしたい。
私たちの商品を暮らしの仲間に入れてくださった方がいつでも買い足せるもの、
長く使っても耐え得るものをつくりたいと思っています」(五十嵐さん)

シナの縄の花かご。

シナの縄の花かご。