函館のバル〈ラ・コンチャ〉 旬の道産食材でバスク料理 一度は訪ねたい名店へ

もともとバスク地方では、その土地でとれるものを使って料理を提供するのがスタンダード。
ラ・コンチャでも、函館近郊を中心に北海道産の食材を生かした
旬のメニューを豊富に楽しめます。スペイン料理で最もよく使われる魚介のタラが、
道南の尻岸内で1年を通じて揚がるという地の利も函館ならでは。
鮮魚の仕入れは深谷シェフが毎日行うほか、春の山菜はシェフ自ら、
道南のとある秘密の山に出かけて採ってくるのだそう。

フォン・ド・ヴォーの旨みとバターの香りで野菜の力を引き出した〈スペイン式季節の野菜の煮もの〉(1050円)は目にも美しく、いい意味でイメージを裏切るふくよかなおいしさ。

「函館は魚介類に恵まれていて、いろいろな種類の野菜をつくる農家さんが多く、
乳製品もおいしい。すべてのものが揃うので、
素材を前面に出すことが多いバスク料理には向いているまちです」

ラ・コンチャの統括マネージャーでチーフ・ソムリエの荒川裕也さんはそう語ります。

タラ、エビ、アサリ、ホタテと新鮮な魚介のおいしさが詰まった〈魚介類のトマトソース煮〉(1450円)は、バスク地方でよく食べられている。年季の入った器はスペイン製。

まちを巻き込んだ食イベントを開催

大正時代の趣を残すオリエンタルな雰囲気の和室はしつらえも美しい。

幼い頃から、地元函館の洋食店によく訪れていたという深谷シェフは、
洋食の道へ進み、ヨーロッパで修業先を探すうち、
縁あってスペイン料理界を代表するシェフのひとり、ルイス・イリサール氏に出会い、
スペインのサンセバスチャンで3年間修業に励みます。
函館に戻り、1981年、レストランバスクをオープン。

スペイン・バスクの食そのものはもちろん、バルが建ち並び、
住民たちがはしごしながら賑やかに楽しむ文化にも感銘を受けた深谷シェフ。
2004年、気候的にも港町としても共通項の多い
バスクの日常風景を函館でも楽しめるようにと開催したバル街イベントが大好評を博します。

その後も、春と秋の函館で開催される1日限りの食べ飲み歩きイベント
〈函館西部地区バル街〉として定着し、
2017年で13年を迎えるバル街は参加店舗も70軒を超える規模に成長しています。

西部地区活性化の流れを汲み、ラ・コンチャは
バル街の第3回目の開催に合わせて2005年にオープン。
ベイエリア地区の会場として、当日は店の外まで大勢のお客さんでにぎわいます。

食を通じて、本当の豊かさを伝えたい

ほかにも、自身の主宰する函館市のプロの料理人の集まり
〈クラブガストロノミーバリアドス〉が
道南で復刻させた銘柄米〈マツマエ〉をパエリアに使用するなど、
函館という郷土への並々ならぬ思いと、人とのつながりを生かし、
食文化から函館のまちづくりを仕掛ける深谷シェフ。その根底にあるのは「楽しむこと」。

「食べる楽しみだけじゃなく、楽しむということが大切。
シチュエーションを含めて豊かさを感じてもらいたい。
食を通じて幸せになれるような店づくりをしたいと思っています」

シェフの提案するそのライフスタイルこそが、
ふたつのお店や北の港町で行われるさまざまなイベントの原動力です。

左から笑顔がすてきなスタッフの布目さんと畑田さん。右は統括マネージャーでソムリエの荒川裕也さん。

ラ・コンチャのコンチャとは貝殻のこと。
美しい港のことをバスク地方ではコンチャ海岸と呼ぶそう。
港町函館に、美食のまちバスクの新しい風を送り込み続けるラ・コンチャ。
手をかけられたひとつひとつの料理のおいしさはもちろん、
あたたかなサービスやセンスの行き届いた空間まで満喫しながら、
陽気にお皿と杯を重ねるひとときを。

information

map

バルレストラン ラ・コンチャ

住所:函館市末広町14-6

TEL:0138-27-2181

営業時間:火曜〜土曜17:00〜23:30(LO22:30) 日曜17:00〜23:00(LO22:00)

定休日:月曜日

駐車場:4台

Web:http://www.vascu.com/laconcha/