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函館のリノベーションホテル
〈HakoBA 函館〉がオープン。
まちの歴史ある建物を再生

おでかけコロカル|北海道・道南編

posted:2017.9.18   from:北海道函館市  genre:旅行 / 活性化と創生

〈 おでかけコロカルとは… 〉  一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。

photographer profile

Yayoi Arimoto

在本彌生

フォトグラファー。東京生まれ。知らない土地で、その土地特有の文化に触れるのがとても好きです。衣食住、工芸には特に興味津々で、撮影の度に刺激を受けています。近著は写真集『わたしの獣たち』(2015年、青幻舎)。
http://yayoiarimoto.jp

writer's profile

Akiko Yamamoto

山本曜子

ライター、北海道小樽生まれ、札幌在住。北海道発、日々を旅するように楽しむことをテーマにした小冊子『旅粒』発行人のひとり。旅先で見かける、その土地の何気ない暮らしの風景が好き。
旅粒
http://www.tabitsubu.com/

credit

取材協力:北海道観光振興機構

函館港を望む絶好のロケーション

幕末の黒船来航によって、下田とともに開港された歴史ある函館港。
まちの繁栄の始まりで、その歴史を今に残す西部地区の港に誕生した
〈HakoBA 函館〉は、2棟の建物をリノベーションしてつなげた、
新しいスタイルのホテルです。

2017年5月オープンのHakoBAの1棟は昭和7年築、
市の指定する歴史的建物で、重厚感あふれる石造りの〈BANK〉。
安田銀行函館支店として建設され、のちに〈ホテルニューハコダテ〉として
2010年まで使われていました。もうひとつの棟は、
BANK隣の赤レンガの壁が美しい〈DOCK〉。
旧西波止場美術館などを経てきた個性豊かな建物です。

それぞれの魅力を最大限に生かしたホテルの中を探訪してみましょう。

クラシカルな雰囲気を楽しむなら

市電通に面した函館山側にあり、重厚感あふれる近代建築が魅力の〈BANK〉。
銀行時代の建物の特徴を生かした
アール・デコ調の装飾が美しい梁や高い天井のクラシカルな客室が人気です。

BANKの〈TWIN〉。ひと部屋ごとに異なる照明がレトロな部屋のムードにマッチ。

高級感漂うこだわりのカーテン。ソファのクッションとともにカラーリングの妙を楽しんで。

ツイン・ダブルの個室タイプのほか、プライベートテラスつきのメゾネットタイプが1室。
レトロとモダンが程よくミックスした空間で、
歴史あるまちならではの、思い出に残るひとときを過ごせます。

BANKの2階のブックラウンジにはTSUTAYA函館がセレクトした、函館にまつわる本が並びます。観光のヒントがたくさんあるので、滞在中に訪れて。

安田銀行、富士銀行と使われてきた〈BANK〉の面影を残す看板。HakoBAオープンを聞きつけてホテルニューハコダテに勤務していた方が訪れ、1階に残された看板や生まれ変わった姿に感動されていたそう。

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家族や友人などグループでの滞在におすすめは……

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BANKとつながり、船を模してつくられた海側の建物DOCKへ移動してみましょう。
こちらの客室は個室タイプとドミトリータイプの2種類に分かれ、
いずれもコンパクトなつくりでバス・トイレ共用な分、リーズナブル。
男女別に各4~5つあるシャワールームはスペースが広くとられているため、
快適に使えるのも嬉しいところ。
ファミリーや、気のおけないグループ旅行にはぴったりです。

DOCK1階にあるフロント・ロビーには、前オーナーが残していった本物の船の計器や操舵がオブジェとして展示されています。特に操舵は子どもたちの人気の的。

〈ECONOMY GROUP〉定員6人、ダブルベッドがふたつにロフト型ベッドが2人分。船を模した部屋のデザインがDOCKならでは。こちらは洗面化粧台つき。

4ベッドの〈ECONOMY QUAD〉は1ルーム14000円(函館花火大会、年末年始を除く)と、人数が多いほどお得な滞在に。

DOCKのテラスの眺めが最高!

DOCK最上階には、宿泊者が自由に使えるシェアキッチンとともに、
キッチン直結で外に出られるルーフトップテラスが広がっています。
夏場は近くで購入した新鮮な魚介を簡単に料理したり、
その料理を外に運んで海風を浴びながらテラスで乾杯する、
そんなとっておきのひとときも楽しめます。

広々としたルーフトップテラスは港や向こうの山々を望む最高のロケーション。夜はここで持ち込みのワインやビールで賑やかに過ごすのも良い。夏場はヨガイベントなども開催。

外の風景を眺めながら料理できるシェアキッチン。調理器具や鍋、器やカトラリー、基本的な調味料まで揃い、冷蔵庫も共用で利用できます。食材や調味料は持参のこと。

モーニングやランチに利用したいのが、ひと工夫を凝らした土地の美味を伝える、
DOCK1階の“波止場のテーブル“レストラン〈PIER H TABLE〉。
すぐ向かいの函館港で揚がる新鮮な魚介や北海道の旬の食材を使った料理はもちろん、
カフェメニューも充実しています。朝7時から24時までの営業もうれしい。
ドリンクやデリカ類はテイクアウトもできるほか、
スイーツやパンの販売もあるのでぜひ立ち寄ってみて。

函館市内で人気のカフェレストランや惣菜店を営む〈Cafe&Deli MARUSEN〉が手がける〈PIER H TABLE〉。開放感のある明るい店内はフリーwifiで電源もあり。

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異国情緒あふれるまち並み散策へ

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石畳が美しい基坂。西部地区の海から函館山へ延びる道にはそれぞれ名前がつけられているので、まち歩きのめやすにして。

港に面したHakoBAから函館の歴史的建築が集まる元町エリアまでは、
勾配のある坂道を登って徒歩10分の距離なので、
滞在と合わせてまちの散策もおすすめ。

港を見下ろす高台にある〈元町公園〉の背後には、
1910年築の〈旧函館区公会堂〉が壮麗な姿をとどめています。
現在もイベントスペースとして活用されているので、
華やかな室内もぜひのぞいてみましょう。

和洋折衷の建築意匠が随所にみられる〈旧函館区公会堂〉。国の重要文化財に指定されています。

函館の歴史を感じるレトロな建築

元町公園から港まで延びる基(もとい)坂は、
かつての行政拠点として奉行所や開拓使が代々置かれていたエリア。
坂沿いには歴史的建築があちこちに残され、
現在は開港記念館やカフェ・雑貨店として一般開放されている
〈函館市旧イギリス領事館〉や、
旧函館区公会堂の建設資金の大半を寄付したという北海道屈指の豪商、
相馬哲平の御屋敷〈旧相馬邸〉など、繁栄の歴史を感じられる見どころがいっぱいです。

雰囲気の異なる2棟をつないで生まれたHakoBA。スタッフは地域の方たちに「この素晴らしい建物を活用してくれてありがとう」とお礼を言われる事も少なくないとか。

HakoBAを運営する〈リビタ〉は東京でリノベーション事業を展開する会社。
持ち前の建物再生とコミュニケーションづくりのノウハウを発揮し、
使われなくなった建物を人の行き交う場としてよみがえらせ、
地域の魅力を発信していくことを目指しています。

観光で訪れる方はもちろん、市民にとっても開かれた交流の場として、
期待と注目の集まるHakoBAは、滞在を通して函館の歴史を体感しながら、
風情あふれるまち並みにも気軽にアクセスできる宿。
ここを起点に、自由な旅を満喫してみませんか?

information

map

HakoBA 函館 THE SHARE HOTELES

住所:函館市末広町23−9

TEL:0138-27-5858

チェックイン:15:00(最終23:00)

チェックアウト:10:00

駐車場:なし

Web:https://www.thesharehotels.com/hakoba/

information

PIER H TABLE  

TEL:0138-24-0666

営業時間:7:00 〜24:00

ブレックファースト7:00〜10:00 (9:30 LO)

ランチ11:00〜15:00 (14:30 LO)

ディナー18:00〜24:00 (21:00 LO)

バー 21:00〜24:00 (23:00 LO)

定休日:無休

駐車場:なし

Web:http://www.pierhtable.com

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