odekake
posted:2017.9.17 from:北海道函館市 genre:旅行
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
photographer profile
Yayoi Arimoto
在本彌生
フォトグラファー。東京生まれ。知らない土地で、その土地特有の文化に触れるのがとても好きです。衣食住、工芸には特に興味津々で、撮影の度に刺激を受けています。近著は写真集『わたしの獣たち』(2015年、青幻舎)。
http://yayoiarimoto.jp
writer's profile
Akiko Yamamoto
山本曜子
ライター、北海道小樽生まれ、札幌在住。北海道発、日々を旅するように楽しむことをテーマにした小冊子『旅粒』発行人のひとり。旅先で見かける、その土地の何気ない暮らしの風景が好き。
旅粒
http://www.tabitsubu.com/
credit
取材協力:北海道観光振興機構
2017年4月、函館本町の五稜郭公園前にグランドオープンした、
まちの新しいランドマークとなる複合施設〈シエスタハコダテ〉。
DEAN&DELUCAが初めてプロデュースを手がけた地下1階の函館の食の専門店が集結した、
函館フードマーケットホール〈シエスタキッチン〉をはじめ、
1〜3階には北海道初上陸のMUJI BOOKSやCafe&Meal MUJIを展開する
〈無印良品〉フロア、4階は市民憩いのオープンスペース〈Gスクエア〉と、
多様な魅力がぎっしりつまった空間です。
シエスタハコダテは、函館駅から路面電車で15分、〈五稜郭公園駅〉市電停の目の前。
函館駅前市街地の再開発の一環として、
空き店舗となっていた旧五稜郭ダイエー(通称ゴダイ)跡地に、
地上19階建のマンションとともにオープン。
かつてゴダイに集まっていた周辺6つの高校に通う学生たちの新たな憩いの場として、
また、函館をより活気あふれるまちにする場として、注目されています。
まずは、地下1階にある、市民はもちろん旅人にも魅力たっぷりな、
函館や道南地域の誇る11もの名店が一堂に会した
〈シエスタキッチン〉を訪ねてみましょう。
各店でテイクアウトしたメニューをテーブルで自由にいただくスタイルが人気を集め、
スタッフやお客さんの笑顔が行き交う、生き生きとした空間が広がっています。
エスカレーターを下ると、まず目に飛び込んでくるのが
〈フレッシュチーズのお店 rocco〉のおいしそうなチーズたち。
世界最高峰と名高い南イタリアのチーズ文化の旗手が手がける、
道産牛乳100%のオーガニックなフレッシュチーズ〈ファットビオ北海道〉をはじめ、
北海道のおすすめの食を集めたショップです。
チーズやピザをテイクアウトできるほか、
フレッシュチーズを中心にした豊富なイタリアンメニューのイートインも人気です。
次なるショップ〈お肉のつしま IRWAK(イリワク)〉は、
希少なブランド牛〈はこだて和牛〉を一頭買いしている市内の精肉店が営む、
精肉店とイートインのステーキ&ハンバーグ店。
ここでしか出会えない、はこだて和牛のおいしさを伝えています。
ミニ牛丼(500円)や隣の森町産SPF豚のメンチカツ(250円)などの
気軽なテイクアウトもおすすめ。
函館といえばやはり海鮮。市民お墨つきの老舗鮮魚店〈函館まるかつ水産〉では、
凄腕の目利きが毎朝市場で仕入れる新鮮な魚介を味わえる寿司店、
併設の鮮魚店では、海鮮惣菜を手がけています。
ピカピカに輝く鮮魚をその場で刺身にしてもらうのはもちろん、
気軽に入れる寿司店で握りを楽しむのもよし。持ち帰れる寿司や惣菜も見逃せません。
フードのみならず、もちろんスイーツも要チェック。
函館から車で約2時間の松前町に本店を構える、
昭和12年創業の老舗和菓子店〈北洋堂〉の人気商品は〈特製あん入りべこもち〉。
べこもちとは北海道の道南地域などではポピュラーな餅菓子で、
お土産にもぴったりなアイテム。
その場で焼かれるどら焼きや中華まんじゅうも好評です。
ふんわりとろける、ひと口チーズケーキ〈メルチーズ〉で有名な
函館のパティスリー〈プティ・メルヴィーユ〉ではこだわりのフランス菓子のほか、
オーダーごとにその場でパティシエがつくる、
趣向を凝らした季節のパフェをぜひ味わってみて。
向かいの函館発のスペシャルティーコーヒーショップ
〈テーラードコーヒーブリュワーズ〉のハンドドリップで落とされる
良質なコーヒーと合わせて、テーブルでゆっくりといただきましょう。
夜のお楽しみ、各店のお惣菜を集めて
テーブルで一杯傾けるなら〈酒ブティック越前屋〉の日替わりグラスワインで乾杯を。
北海道や国内のヴァンナチュールを中心に選び抜かれたワインの中には、
函館発、少量生産でなかなかお目にかかれない、
人気の〈農楽蔵〉のワインが並ぶことも。
シエスタキッチンは合わせて11軒の名店が集合。すべてのお店をぐるりと回れば、
気になるフードやおいしいお土産がきっと見つかります。
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お腹も心も満たしたら、旅先でも頼りになる
〈無印良品〉フロアに立ち寄ってみましょう。
広々とした3フロアには1階に北海道初上陸のCafe&Meal MUJI、
1〜2階でベンチに座ってゆっくりと書籍が選べるMUJI BOOKS、
そして2階にはキッズスペースの木育広場も設置。
小さなお子さん連れの方もゆっくりと楽しめる空間づくりがされています。
木育広場を中心に、店内に使われている明るい色合いの木材は、地元の道南杉。
「できるだけ地元の素材を使った店づくりを」という無印良品の思いから、
スギの生育の北限に当たる道南地域の渡島(おしま)振興局と連携して実現した、
豊かな森がすぐそばにある道南ならではのこだわりの空間を体感してみて。
3階にあるコミュニケーションスペースOPEN MUJIでは、
月ごとに地域とつながった展示やイベントを開催。
「おいしい野菜の見つけ方」などのワークショップを担当する
こだわり野菜を扱う八百屋〈すず辰〉の店主、鈴木辰徳さんをはじめ、
その道のプロの方に出会える、まちの新たな発信拠点です。
函館市が運営する4階の〈Gスクエア〉はまちの中でも貴重なオープンスペースで、
周辺の高校生はもちろん市民の交流の場。
今後は無印良品とともに企画するイベント会場としても活用していく予定です。
窓辺の席で函館のまちなみを見下ろしながらひと息つくのも良さそう。
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見どころ、味わいどころがたくさんなシエスタハコダテを手がけるのは
〈SPC函館本町開発〉の布村隆二社長。なんと布村さんは、
もとは普通のサラリーマン。
「デベロッパーでも、不動産屋でも、ましてお金持ちでもないんです」
と笑う布村さんの原動力は
「函館をもっと魅力的なまちにしたい」という強い思いでした。
その挑戦は2000年、17年ぶりに戻った故郷の、
かつて繁華街だった函館駅前の衰退と、
それを放置してきたまちに衝撃を受けた布村さんが、
自ら駅前の〈和光ビル〉にドトールコーヒーをオープンさせ、
まちの活性化をかたちにしたことに始まります。
布村さんのまちへの思いや働きが認められ、
のちに和光ビル管理会社を設立。
ビル内に、当時函館になかった室内の子どもの遊び場〈大門キッズスタジアム〉を
オープンし大成功を収め、駅前に活気を呼び込みます。
和光ビルの建て替えを機に、市とともに駅前市街地の法定再開発事業に乗り出すものの、
旧ゴダイの空きビルの再開発が必須条件という国からの回答が。
そこで布村さんは、駅前と本町両方の再開発を決意。
SPC函館本町開発を立ち上げ、数億円もの借金をして旧ゴダイを購入し、
国から事業の認定を受けます。大きなリスクを負い、
あちこちへ奔走しながら多くの協力を得て、
シエスタハコダテと駅前のふたつの計画を進めてきました。
そんな布村さんに惚れ込み、二人三脚で歩んできた社員の岡本啓吾さんはもちろん、
シエスタキッチンを手がけたDEAN&DELUCA、
各テナントのオーナーやスタッフ、無印良品の会長までもが、その熱意に共感。
ともに函館を変え、地方都市の新たなモデルにしていこうという思いのもと、
一丸となってシエスタハコダテをつくりあげています。
「まちの活性化は、経済が回るということ以外に、
そこに生き生きとした笑顔が生まれることが大切。
その笑顔が、スタッフはもちろん、訪れる高校生やお客さん、
住む人に広がるような、市民に誇る、市民が誇れる場所にしたいですね」
と力を込める布村さん。
まちに暮らす人、訪れる人、ひとりひとりが輝く星。
それを伝える“SHARE STAR=シエスタ”へ、
新しい函館の魅力を見つけに行ってみませんか?
information
シエスタハコダテ
住所:函館市本町24−1
TEL:0138-31-7011
営業時間:B1Fシエスタキッチン10:00~21:30(LO21:00)、1F~3F 無印良品、店舗10:00~20:00、4F Gスクエア9:30~21:30
定休日:元旦(12月31日は17:00閉館)
駐車場:提携駐車場があり、お買物をすれば90分無料
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