
国内の中空土偶では最大となる、南茅部の〈著保内野(ちょぼないの)遺跡〉出土の中空土偶。表面には漆が塗られ、中は空洞で薄く精巧なつくり。顎やへその位置に刺青のような模様が見られます。
暗闇に浮かび上がるようにたたずむ中空土偶は、
地元では“カックウ”という愛称で親しまれています。
1975年、南茅部の主婦の方が畑仕事中に偶然頭部を見つけたことから、
発掘調査が開始されました。発見時はバラバラな状態だったものの、
両腕と頭部の一部以外はほぼ完全な状態で復元されています。
函館病院でのCTスキャンでわかった内部の構造や、
見つかった畑が約3500年前の特別な人物の墓という状況から、
中空土偶は壊されることを前提につくられ、
再生を願って死者と共に葬られたとみられています。
本物の中空土偶が放つ不思議な魅力を体感しながら、
そばに置かれたベンチに腰かけて、じっくりと鑑賞するのもおすすめです。
縄文の暮らしの道具づくりを体験

体験学習メニューで、縄文遺跡の出土品を模したものづくりに挑戦してみては。
ふたたび明るい光の差し込む2階に戻ったら、
縄文時代につくられていた工芸品の制作体験ができる
体験学習室を訪ねてみましょう。
鹿角を使った釣り針や縄文ペンダントづくり、組みひもアクセサリー、
ミニチュア土器づくりなど、団体でなければ開館中はいつでも制作することができます。
このほか、入り口にはオリジナルのお土産品を販売するコーナーもあるので、
カックウグッズもチェックしてみて。
海風抜ける、気持ちのよい遺跡へも足を延ばして

〈史跡 大船遺跡〉は太平洋を望み、海風が吹き抜ける見晴らしのいい丘。長きにわたって人々の暮らしがあったのがうなずける空間。
縄文文化交流センターとセットで訪れたいのが、
車で7分ほどの海岸沿いの丘にある国の史跡〈大船遺跡〉。
1996年、町営墓地造成のための調査で発見された遺跡は、
縄文時代、約5000〜4000年前の1000年間にわたって続いた
集落の跡地とみられています。
100を超える竪穴の建物跡や土坑墓、貯蔵穴などのうち、
一部の竪穴住居や盛土遺構が再現され、自由に見学することができます。
すぐそばの管理棟で展示されている大船遺跡の概要も、合わせて鑑賞してみましょう。
南茅部に今も息づく縄文文化に触れ、太古の暮らしに思いを馳せる。
日本のルーツにもつながる、ここにしかない歴史の旅に出かけてみませんか?
information
函館市縄文文化交流センター
住所:函館市臼尻町551−1
TEL:0138-25-2030
営業時間:4月1日〜10月31日9:00〜17:00、11月1日〜3月31日9:00〜16:30
定休日:月曜(祝日の場合は翌日休)、最終金曜、年末年始
入館料:一般300円、学生・生徒・児童150円
駐車場:あり
information
函館大船遺跡埋蔵文化財展示館
住所:函館市大船町575−1
TEL:0138-25-2030
営業時間:9:00〜17:00
定休日:11月下旬〜4月下旬(冬期間)※開館期間中は無休
入館料:無料
駐車場:あり

