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posted:2015.5.28 from:神奈川県相模原市 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
あの、ふっくらと焼き上がったパンの
やわらかさと、香ばしさ。
そんなパンの感触が伝わってくる「彦坂木版工房」のパン画。
まるで本物のようですね!
この絵は、浮世絵の手法を生かした木版画ですられています。
版を重ねていくうちに、
パン独特の風合いが生み出されていくそう。
こちらは、芦屋の洋菓子店
「Henri Charpentier(アンリシャルパンティエ)」のフィナンシェ。
バターをたっぷり使用したフィナンシェの質感が、
見事に表現されています。それにしてもおいしそう!
「彦坂木版工房」は、木版画家の彦坂有紀さんと、
アートディレクター/図案家のもりといずみさんによる木版工房。
日本の伝統工芸である「浮世絵」を広めるために
2010年から活動をはじめ、木版画の制作・展示、
オリジナルグッズ制作、本の装丁イラストなどを手がけています。
こちらは、コッペパンをシンプルに描いた「コッペパンTシャツ」。
これはかわいい!
さらに、パンが主役の絵本「パン どうぞ」も手がけています。
ページをめくるごとにパンがあらわれ、
「ぱくっ」と食べると、中のあんやクリームが顔を出す、
子どもたちに大人気の本です。
大の大人も、たまらずパンが食べたくなってくる一冊。
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「彦坂木版工房」の人気に火をつけたのは、
当時住んでいた家の近所にあった
「ベーカリー ヒムカ」(神奈川県相模原市)のパン画でした。
「ベーカリー ヒムカ」は、昔なつかしい昭和風味のパンも、
ハードブレッドも焼いている、まちで人気のパン屋さん。
そんな「ヒムカ」のパン画をつくっていたら、
「パンラボ」主宰者の池田浩明さんのブログでとり上げられたり、
「クラスカ ギャラリー&ショップ ドー」で紹介されたりするように。
またたく間に人気が広がっていきました。
パンをすりはじめたきっかけは、ある日ふと大好きなパンを
「版画ですったら絵になるかな」と思いついたこと。
さっそく試してみると、
パン独特の風合いが生まれるという、おどろきの結果に!
パンと木版画は相性が良いということに気づき、
試作を重ねるようになりました。
最近では、渋谷区富ケ谷にある「ルヴァン」や、
コンビニの身近なパンなどの版画も手がけています。
でも、パンだけではありません。
こちらは京都の和菓子作家「日菓(にっか)」さんの羊羹。
アイスキャンデーの棒は、こんなにかわいい版画に。
こちらは暑中見舞いとして送られたそう。
「彦坂木版工房」では木版画の普及にも力を入れています。
昨年は、木版画の道具がセットになった「木版道具箱」を発売。
今年は暑中見舞いを木版画でつくってみよう!という方はぜひ。
7月19日(日)は、東京・町田のNHK文化センターにて
「彦坂木版工房のおいしい木版画」講座を開催。
彫りや「ぼかし摺り」などの木版技法を体験しながら、
ポストカードサイズの“すいか”の版画をつくります。
ぜひ挑戦してみたいですね!
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