news
posted:2022.3.7 from:山口県山口市、宇部市、萩市、山陽小野田市 genre:旅行
PR 山口ゆめ回廊
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Mayo Hayashi
林 真世
はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。
2021年7〜12月にわたって開催された『山口ゆめ回廊博覧会』は、
山口市、宇部市、萩市、防府市、美祢市、山陽小野田市、島根県津和野町と、
それぞれの地域の特性を生かした催しとなりました。
この博覧会でそれぞれのまちに魅力があることを知りましたが、
まだまだ訪れてみたいスポットやお店がたくさん存在します。
そこで、山口ゆめ回廊博覧会のテーマとなっていた
「7つの市町でつなぐ、7色の回廊」に合わせて、
芸術、祈り、時、産業、大地、知、食というテーマで注目スポットを紹介します。
前編の今回は、
山口市の知、宇部市の芸術、萩市の産業、山陽小野田市の食をピックアップ。
ちなみに後編では、防府市の時、美祢市の大地、島根県津和野町の祈りが登場予定です!
山口市阿東徳佐上の亀山集落に佇むのは、赤い屋根が目印の〈阿東文庫〉です。
2008年に開館した私設図書館で、旧亀山小学校の校舎が使用されています。
阿東文庫誕生のきっかけは、この地域に住む吉見正孝さんが、
廃品回収の仕事で大量に廃棄される本を見かねて譲り受けたこと。
その増え続ける蔵書を保管する場所はないかと、町に相談したところ、
2006年に廃校となった亀山小学校の教室を借りられることになったのです。
開館から14年目を迎えた今も、図書館としての機能だけでなく、
人々の交流の場として地域に開かれています。
阿東文庫の蔵書は、専門書や小説、雑誌やコミックなど幅広く、
だれでも自由に閲覧できます。
手に入れることの難しい明治、大正時代の書物から、
地元で発行された冊子(児童が書いた読書感想文や文集、亀山小学校の学校便りなど)も
あるそうで、この場所でしか出合うことのできない貴重な資料が並びます。
この木造建築の校舎がなんとも雰囲気よく、
当時子どもたちが通っていた教室のままに生かされています。
お気に入りの本をじっくり探したり、交流スペースでくつろいだり、
つい長居してしまいそう。
時間を忘れて、ゆっくり過ごすのがおすすめです。
多方面から人々が集い、地域の学びや交流の大切な場所となっている阿東文庫。
かつての子どもたちの学び舎で、新たな「知」を発見してみませんか?
information
阿東文庫
住所:山口県山口市阿東徳佐上1133番地 旧・亀山小学校内
TEL:080-5047-8881
開館日:土・日曜
開館時間:11:00〜16:00
※開館日であっても、開館していないこともあるので、事前に電話で確認を。
※開館日以外でも電話予約すれば見学可能。
Page 2
世界で最も歴史ある野外彫刻コンクール
『UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)』をご存知ですか?
1961年から2年に1度、宇部市で開催される現代彫刻の国際コンクール・展示会で、
60年以上続く彫刻展なのです。
その魅力は、なんといっても宇部市内の各所で彫刻作品が観覧できること!
ときわ公園をメインに、宇部新川駅周辺や市内の公園、空港など
さまざまな公共の場に国内外の新進気鋭のアーティストたちが手がけた、
これまでの受賞作品が設置されています。
特に作品の設置数が多い〈ときわ公園〉は、
常盤湖を囲む緑豊かな敷地が広がる宇部市民の憩いの場。
公園内には〈ときわミュージアム(緑と花と彫刻の博物館)〉や
〈ときわ遊園地〉などもあり、
自然の中で大人も子どもも楽しめる環境が整っているのです。
めいっぱい走り回って、芝生に寝転がって。
芸術作品に囲まれながら、一日中のびのびと過ごせますね。
そもそもUBEビエンナーレのはじまりは、市民運動がきっかけでした。
戦後、工業化による環境問題が深刻化したことにより
緑化運動の気運が高まっていた宇部市。
1958年、宇部市は基金を募り、花の種子と1体の彫刻を購入します。
現在の宇部新川駅前広場の噴水池に設置された
小さな裸婦像『ゆあみする女』(模造品)は、市民の間で好評となり、
その彫刻は市民やまちにとってシンボルのような存在になったのです。
そうして1961年に市民運動の「宇部を彫刻で飾る運動」が起こり、
「第1回宇部市野外彫刻展」が開催されます。
それが現在のUBEビエンナーレへと継承されているのです。
長年、芸術を通して市民と対話をしながら、独自の文化形成を担ってきた宇部市。
まちじゅうから発せられる、“芸術の鼓動”を肌で感じてみてはいかがでしょう?
information
Page 3
萩市にある、オンリーワンな世界観を放つ〈中原木材〉をご紹介。
家具職人の中原忠弦(ちゅうげん)さんが営む家具を中心とした受注生産の家具工房です。
倉庫を改装したアトリエはショールームも兼ねており、
中原さんが製作した椅子やテーブル、送風機を再利用したストーブなど、
表情豊かな家具と道具が並んでいます。
中原さんの祖父の代に創業した中原木材。
バブル時代の好景気には木材加工品の生産がフル回転だったそうですが、
バブルの終焉とともに工場は次第に息を潜めてしまいます。
工場に取り残された、埃をかぶって錆びた大型製材機。
中原さんは「とてつもなく風変わりで奇妙なロボット」に見えたといいます。
そして機械の修理や工場に残された端材でものづくりを始めた中原さん。
いつしかそのオリジナリティ溢れる家具は話題となり、
オーダーが舞い込むようになったそう。
次第に、廃墟のようだった工場は息を吹き返していきました。
趣味の音楽や映画の要素を存分に生かしながら、
気をてらわない素朴さを備えた中原木材の家具や空間づくりに、
訪れた人は一瞬にして引き込まれることでしょう。
現在、ショールームのオープンデーは未定ですが、見学は予約を入れればOKとのこと。
道具の手入れ方法などもアドバイスしてもらえるそうですよ。
アトリエオープンの詳細についてはホームページをご覧ください。
そんな中原さん率いる中原木材が手がけるのは家具だけではありません。
2021年の夏に販売を開始した、
〈鬼ヨーズ〉と呼ばれる凧をモチーフにしたこちらの玩具。
萩市の沖合に浮かぶ見島には、
鬼ヨーズと呼ばれる凧を魔除や一家の繁栄を願って正月に上げる風習が残っています。
畳6〜8枚分にもなる凧は、傘紙(和紙)を貼り合わせてつくります。
長年、鬼ヨーズを手がける職人にも直接会いに行き、
古くから伝承される慣わしを郷土玩具として伝えようと制作に取り組んだ中原さん。
以前から郷土玩具に関心を持っていたことから、
それまで温めていたアイデアを「鬼ヨーズ」として形にしたそう。
伝統の鬼の絵柄にポップな色使い、そして木材や紙、藁などの素朴さが加わった、
かわいらしい郷土玩具が生まれました。
萩の歴史や郷土のくらしを伝える鬼ヨーズ、
中原木材や萩博物館でも購入できるのでぜひ足を運んでみてくださいね。
Page 4
昭和50年創業の〈ほりうち商店〉。
山陽小野田市でポン菓子の製造販売を行っています。
ポン菓子といえば、米などの穀物に圧力をかけて膨らませてつくる昔ながらの駄菓子。
今ではあまり見かけることも少なくなってしまいましたが、
大正〜昭和中期頃までは実演販売や露天でもポピュラーで、
「ポン!!」という音と香りが時代の風物詩となっていました。
ほりうち商店のこだわりは、砂糖の焚きにあるのだそう。
三温糖をじっくり煮詰め、ポン菓子にコーティングさせることで、
つやつやで甘いポン菓子ができ上がります。
現在、ほりうち商店を引き継いている、創業者である堀内さんの娘の多原美加さんは、
これまでの製法を守りつつ、新しい商品開発にも積極的にチャレンジしています。
さまざまな味が楽しめるオリジナルポン菓子を出しているほりうち商店。
米以外の素材を使ったイタリア産のペンネパスタの「ペンネぽん」や「大豆ぽん」、
そのほかにも「クラッシュアーモンド入りぽんげんこつ」など、
“そんなポン菓子もあるんだ!”といったワクワクするラインナップが勢ぞろいします。
手間暇かけてつくられる、レトロで新しいポン菓子。
気になる方はぜひオンラインショップをチェックしてくださいね!
information
ほりうち商店 日の出本店「ぽん菓子ファクトリー ぽんの時間」
住所:山口県山陽小野田市日の出三丁目7-21
TEL:0836-52-7258
営業時間:9:00〜18:00
定休日:第2、第4火曜日
information
山口ゆめ回廊博覧会実行委員会事務局
(山口市交流創造部山口ゆめ回廊博覧会推進室内)
Feature 特集記事&おすすめ記事
Tags この記事のタグ