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『渋谷の方位磁針|ハチの宇宙』
忠犬ハチ公像をモチーフにした
鈴木康広さんのパブリックアート

コロカルニュース

posted:2020.10.6   from:東京都港区  genre:アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

〈MIYASHITA PARK〉に新たなランドマークが誕生

2020年夏、渋谷の宮下公園が、公園・商業・ホテルが一体になった複合施設
〈MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)〉として生まれ変わりました。

その屋上にあるのは、新しくなった宮下公園。
そこに、アーティストの鈴木康広さんによるパブリックアート
『渋谷の方位磁針|ハチの宇宙』が設置されました。

鈴木康広『渋谷の方位磁針|ハチの宇宙』Keiko Chiba @ Nacasa & Partners

鈴木康広『渋谷の方位磁針|ハチの宇宙』Keiko Chiba @ Nacasa & Partners

瀬戸内国際芸術祭や箱根 彫刻の森美術館など、
国内外で作品を発表してきた鈴木さん。
剣玉の玉をリンゴに見立てた『りんごのけん玉』、
船が航走する洋上をファスナーに見立てた『ファスナーの船』など、
いつもの風景を不思議な光景に変えてしまうような
作品を手がけるアーティストです。

今回の作品には、どんな思いが込められているのでしょうか?
公式サイトには、次のような言葉が寄せられています。

鈴木康広さん

鈴木康広さん

「空が見渡せるミヤシタパークに、渋谷区の方位を
身体で感じられるベンチをデザインしました。
そこにいち早くやってきたのは忠犬ハチ公像。
星になった上野教授を見上げています。
今やハチは世界中の人々に語り継がれる果てしない“宇宙”のような存在。
動物と人間との間に芽生えた他者への想像力が、
国境を越えて人々の心に何かを呼びかけているのではないでしょうか。
明治通りに沿って南北に広がるミヤシタパークは、
道行く人たちにさりげなく方角を知らせるコンパスの“針”のような場所。
近所から地球まで、さまざまな場所から
やってきた人たちとの出会いによって、
ミヤシタパークが未来に向かう
“渋谷の方位磁針”となることを願っています」

空の上の教授を見上げているなんてかわいらしいですね。
こんなベンチに座っていたら、つい長々とおしゃべりしたり、
空を眺めたりしたくなってしまいそうです。

この作品は、パブリックアートの普及を推進する〈DESIGNART〉(株式会社デザイナート)が、
一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷未来デザインと協業し、
プロデュースを手掛けたものです。

東京の街とオンラインで〈DESIGNART TOKTO 2020〉開催

〈STUDIO PEPE(ストゥディオ・ペペ)〉

〈STUDIO PEPE(ストゥディオ・ペペ)〉

2020年10月23日(金) 〜11月3日(火・祝)は、
DESIGNARTが主催するデザイン&アートフェスティバル
〈DESIGNART TOKTO 2020〉が開催されます。

2020年のテーマは“Power to the Creatives”。
会場は、東京のまち全体。
表参道や渋谷をはじめとするまちの商業施設、
ギャラリー、貸しスペースを舞台に、
デザインとアートを横断するもの・ことが提示されます。
また、新型コロナウイルスの影響を考慮し、
オンラインプログラムも行われます。

見どころのひとつは、港区南青山にある〈ジャスマック青山〉で開催される
合同展示会〈REBOOT(リブート)〉。

〈denis guidone x ARITA(デニス・グイドーネ x アリタ)〉(左)と〈YOY(ヨイ)〉(右)

〈denis guidone x ARITA(デニス・グイドーネ x アリタ)〉(左)と〈YOY(ヨイ)〉(右)

今年は世界最大の家具見本市〈ミラノ・サローネ(ミラノデザインウィーク)〉が
中止となってしまいました。

本展では「REBOOT(再起動)」をテーマに、
発表する機会を失ってしまった企業やクリエイターに発表の機会を創出。
日本では初紹介となる〈ストゥディオ・ペペ〉や
〈デニス・グイドーネ x アリタ〉、
〈YOY(ヨイ)〉などの作品が見られます。

トップイメージ:Keiko Chiba @ Nacasa & Partners

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〈DESIGNART TOKYO 2020〉の見どころ

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鈴木康広『日本列島のベンチ』(2014)日本列島と同じ方位に設置することで、そこから離れた場所や大地とのつながりを身体で感じられるベンチ。

鈴木康広『日本列島のベンチ』(2014)日本列島と同じ方位に設置することで、そこから離れた場所や大地とのつながりを身体で感じられるベンチ。

表参道ヒルズでは、若手支援プログラムUNDER30で選出されたクリエイターを含む
国内外の新進気鋭のデザイナー、アーティストたちによる展示〈DESIGNART GALLERY〉を開催。
※会期10月27日(火)〜11月3日(火・祝)

こちらでは、鈴木康広さん、Stellar Works (new cvollection by nendo)、
DESIGN PIER (Pim Sudhikam, SOVET Italia, Studio EJ)、
Batten and Kamp、秋山亮太などの作品が見られます。

代官山の〈KASHIYAMA DAIKANYAMA〉には、
個性的なアーティストたちの作品が集合。
フランス在住のアーティスト、フィリップ・ボードゥロックが
チョークで描いた作品などが展示されます。
※会期10月27日(火)〜11月3日(火・祝)

PHILIPPE BAUDELOCQUE × PLETHORA MAGAZINE デンマーク・コペンハーゲン発のアートマガジン『PLETHORA MAGAZINE(プレソラマガジン)』が選出したフランス在住のアーティスト、フィリップ・ボードゥロック。

PHILIPPE BAUDELOCQUE × PLETHORA MAGAZINE デンマーク・コペンハーゲン発のアートマガジン『PLETHORA MAGAZINE(プレソラマガジン)』が選出したフランス在住のアーティスト、フィリップ・ボードゥロック。

また、オンラインでは3D空間で360°見渡すことが出来たり、
作品を購入することも可能になるそう。
クラウドシステムのディレクションを手がけるのは、
以前コロカルでもご紹介した、3Dアーカイブの
オープンソースプラットフォーム〈 ARCHI HATCH 〉を主宰する徳永雄太さんです。
そのほかにも、東京のあちこちやオンラインで楽しめるプログラムが色々。
詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。

information

DESIGNART TOKYO 2020 (デザイナート・トーキョー 2020)

会期:2020年10月23日(金)〜 11月3日(火・祝)

エリア:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷/代官山/六本木/新宿/銀座

主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会

Web:http://designart.jp/designarttokyo2020/

Web:https://www.facebook.com/designart.jp

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