news
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
同じようにつくっても、偶然あらわれる黒点や、意図しないゆがみ。
和菓子の〈とらや〉が、そんな磁器ひとつひとつにあらわれる「顔」に注目し、
企画展〈磁器 –ひとつだけのかお –〉を開きます。
会場に並ぶのは、有田焼の窯元・文祥窯の白磁・染付のうつわなど、10数点ほど。
その場でうつわを購入することもできます。(一部を除く)
注目は、文祥窯がとらやの小倉羊羹「夜の梅」のためにつくった「リム角皿 猪目繋ぎ」。
「夜の梅」が引き立つようにと、魔除の文様とされる「猪目文様」(猪の目を模した文様)が
ささやかに配され、シンプルであたたかみのあるお皿ができました。
会場では、このうつわの製造工程も紹介しています。
もちろん、限定販売もされるとのこと。(本体価格 2,500円)
これはうれしいですね!
文祥窯は、佐賀県の伊万里港を望む高台にある窯元。
割烹料理窯のうつわを得意とし、多くの料理人に長年愛されてきました。
現当主の3代目・馬場光二郎さんは、博物館で出会った400年前の「型打ち」のうつわに感動し、
昔ながらの技法にこだわってつくり続けているといいます。
型打ちとは、型に生乾きの素地を押しつけ、上から何度も叩いて成形する手法。
最近では、コストがかからずに量産できる「圧力鋳込み成形」という手法で
つくっているところが多いため、型打ちを行っている窯元は貴重な存在に。
馬場さんは、土をこねるところからろくろ、型打ち、絵つけ、焼成までの工程を
一人でこなしているそうです。
Page 2
有田焼は、日本初の磁器なのだとか。その誕生は、1616年。
朝鮮の陶工、李参平(りさんぺい)さんが佐賀県有田町にある泉山で、
原料となる陶石を発見したことによりはじまったとされています。
以来、有田町を中心に発展してきた有田焼は、
いまにも技法やものづくりの精神が受け継がれ、2017年に401年目を迎えました。
文祥窯の馬場さんは、400年前の技法を継承する、貴重なお方。
馬場さんの手がけた「ひとつだけのかお」を見に、ぜひ会場へ足を運んでみてください。
会場は、とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー。
和菓子屋さんに併設された同ギャラリーでは「和菓子とともに和のさまざまな魅力や価値も
お伝えしたい」という思いから、ふろしきや漆、こけしを
手がける作家さんや工房などとパートナーを組み、素敵な展示を開催してきました。
展示期間中は、季節のお菓子とお茶、うつわの組み合わを提案する
「器と菓子とお茶」コーナーも登場。
文祥窯の器ととらやのお菓子、そして有田町と同じ佐賀県で自然農法に
こだわってつくられたEN TEAの日本茶「玉緑茶 冴え緑」や
「釜炒り茶」「ほうじ茶」、「玉緑茶 奥豊」など8点のお茶が順次並びます。
ぜひチェックしてみてくださいね。
information
第39回企画展〈磁器 –ひとつだけのかお –〉
開催期間:2017年11月1日(水)〜2018年2月26日(月)
時間:11:00〜21:00(隣接する虎屋菓寮は20:30オーダーストップ)※年末年始は営業時間に変更あり。
休業日:元日
会場:とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー(東京ミッドタウン ガレリア地下1階)
住所:東京都港区赤坂9-7-4 D-B117
電話:03-5413-3541
企画協力:丸若屋
協力:文祥窯
Web:とらや 東京ミッドタウン店
Feature 特集記事&おすすめ記事