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連載

〈オケクラフト〉
置戸町から発信する
豊かな北国の生活文化。

木のある暮らし
ーLife with Woodー
vol.048|Page 1

posted:2015.2.4  from:北海道常呂郡置戸町  genre:ものづくり

〈 この連載・企画は… 〉  日本の面積のうち、約7割が森林。そのうちの4割は、林業家が育てたスギやヒノキなどの森です。
とはいえ、木材輸入の増加にともない、林業や木工業、日本の伝統工芸がサスティナブルでなくなっているのも事実。
いま日本の「木を使う」時かもしれません。日本の森から、実はさまざまなグッドデザインが生まれています。
Life with Wood。コロカルが考える、日本の森と、木のある暮らし。

writer profile

Emiko Hida
飛田恵美子

ひだ・えみこ●茨城出身、神奈川在住。「地域」「自然」「生きかた・働きかた」をテーマに、書くことや企画することを生業としている。虹を見つけて指さすように、この世界の素敵なものを紹介したい。「東北マニュファクチュール・ストーリー」の記事も担当。

credit

撮影:藤原かんいち

オケクラフトからつながる北海道の森のはなし

北海道の森林面積は、全道面積の71%にあたる554万ヘクタール。
道民ひとりあたりの森林面積は約1ヘクタールと、全国平均の約5倍を誇る。

道南から道央にかけてと道北・道東の海岸線には落葉広葉樹林が、
高山帯には常緑針葉樹林が広がる。
針葉樹と広葉樹が混じり合った針広混交林があるのも特徴のひとつ。

本州とは植生が異なり、針葉樹で多いのはエゾマツやトドマツ、カラマツなど。
スギやヒノキと違って木肌が白く、雪国らしい風合いを醸し出している。

冬の厳しい風雪に耐える北海道の森。

身近すぎて見過ごしてきた資源、暮らしと結びついた技を見直そう

「木はそる 
あばれる 狂う 
いきているから 
だから 好き」

これは、日本の工業デザイナーの草分け的存在である
秋岡芳夫さん(1920~1997)の言葉。
秋岡さんは、“暮らしのためのデザイン”をテーマに、
日本各地で手仕事やクラフト産業の育成のため尽力した人だ。

北海道常呂郡置戸町(おけとちょう)には、そんな秋岡さんが収集した暮らしの道具、
通称〈秋岡コレクション〉が収蔵されている。

秋岡さんの出身は熊本県。なのになぜ、置戸町へ?
それは、秋岡さんにとって置戸町が思い出深いまちだからだ。

昭和63年に開設された森林工芸館。オケクラフトの直売店舗と工房を持つ。

置戸町は、北海道東部、オホーツク海に注ぐ常呂川の最上流部に位置する山あいのまち。
その中心部から少し外れたところに、〈オケクラフトセンター森林工芸館〉はある。
ここでは、町内20の工房で製作された
さまざまなオケクラフト製品が展示販売されている。

〈オケクラフト〉とは、置戸町で学んだつくり手が、
北海道産材を使い、置戸町で製作する木製品のこと。
秋岡さんと町民たちの手によって開発された地域ブランドだ。

館長の五十嵐勝昭さんに、オケクラフトが生まれた背景を教えてもらった。

五十嵐館長のお気に入りはサラダボウル。シチューを入れたり、お菓子を入れたり、多様な使い方ができる。

「置戸町は古くから図書館や公民館を中心とした社会教育活動が盛んで、
町民の学習意欲が高いまちでした。
1980年、社会教育計画の重点目標の第一に
“地場資源の付加価値を高める生産教育の推進”が定められると、
図書館に木に関する本が置かれたり、公民館で木工教室が開催されたりと、
住民の木工熱が高まっていきます。
なんといっても、土地面積の8割以上が山林で、林業のまちでもありましたから」

ガッポ(空洞木)を使ったユニークな遊具づくりも行った。(写真提供:オケクラフトセンター森林工芸館)

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