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連載

北海道の青い海にうっとり。
「積丹ウエストコースト」ドライブ
おいしい魚介と名湯、観光ならココ

青と白の小さな半島、積丹の四季
vol.001

posted:2017.6.15  from:北海道岩内郡岩内町、古宇郡神恵内村、泊村  genre:旅行

sponsored by 岩内町、神恵内村、泊村

〈 この連載・企画は… 〉  北海道の南西部に位置し、日本海に囲まれた積丹半島。
まるで南国のようなコバルトブルーの海が広がり、手つかずの自然と、神秘的な風景が残っています。
なぜ、積丹の海はこんなに青いのか? この海とともにどんな暮らしが営まれてきたのか? 
この秘境をめぐるローカルトリップをご案内します。

writer profile

Tomohiro Okusa

大草朋宏

おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。

photographer profile

Tada

ただ

写真家。池田晶紀が主宰する写真事務所〈ゆかい〉に所属。神奈川県横須賀市出身。典型的な郊外居住者として、基地のまちの潮風を浴びてすこやかに育つ。最近は自宅にサウナをつくるべく、DIYに奮闘中。いて座のA型。
http://yukaistudio.com/

岩内町、泊村、神恵内村を巡る、
寄り道ドライブ

積丹半島は、積丹ブルーといわれる美しい海に囲まれている。
美しい海を眺め、海風を感じながら車を走らせると心地がいい。
南国とはまた異なる雰囲気を楽しめるのだ。

今回、積丹半島西海岸の付け根にある岩内町から北上、泊村を通って、神恵内村まで、
オススメの飲食店や名所を巡った。
ぜひ積丹ドライブをしながら、立ち寄りスポットに組み込んでほしい。

かまぼこ本来の食感を味わえる
〈カネタ吉田蒲鉾店〉

シーズンである5月〜6月に発売される、共和町の新鮮なアスパラを使った揚げかまぼこ「アスパラさん」。ほかにも秋には蘭越町のかぼちゃや倶知安町のじゃがいもなど、毎月限定商品が販売される。

漁業で栄えたエリアだけあって、水産加工業者が多いが、
なかでも創業明治32年〈カネタ吉田蒲鉾店〉のかまぼこは絶品だ。
原料はスケトウダラ100%。
大豆タンパクや卵白などを使用せず、昔ながらの製法を今でも貫いている。

岩内で特にお正月に食べられる「角焼」という厚焼きかまぼこが
定番としてある一方で、伝統製法を使いながらも進化したかまぼこも魅力のひとつ。
かまぼこにチーズをはさんで揚げたコロッケのような「魚ろっけ」や「かまぼこバーガー」、
油揚げにすり身をつめて揚げた「あげあげ」、
さらには季節ごとに旬の地場野菜などをトッピングした商品も発売されるので、
無限にかまぼこの可能性が広がっていく。
いつ訪れてもニューかまぼこが楽しめそうだ。

お話を聞いたカネタ吉田蒲鉾店の吉田奏見さん(右)とスタッフの藤田美香さん(左)。

information

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カネタ吉田蒲鉾店

住所:岩内郡岩内町字御崎1-5

TEL:0135-62-0245

営業時間:9:00〜17:00

定休日:水曜日

http://www.kanetayoshida32.com/

岩内一の熱気あふれる〈岩内神社〉の例大祭

まちの高台に鎮座する岩内神社。
町民は毎年7月7〜9日に岩内神社で開催される例大祭を楽しみにしている。
岩内にある企業のほとんどがお休みになるほどだ。
200年の歴史を持つお祭りで、
2基のお神輿と「赤坂奴」という伝承芸の演舞が町内を練り歩く様が見もの。
「赤坂奴」はまちの青年たちによって受け継がれ、とても勇壮な雰囲気を醸し出す。

参道に大きな鳥居がふたつ。天気が良ければその先には海が見える。

翌日には、大漁旗をはためかせた漁船にお神輿が乗って沖で祈願する海上渡御が行われる。
漁業のまちだけに、昔から海への思いは強い。
その後、2基のお神輿は神社坂と呼ばれる急な坂道を担がれて駆け上がっていく。
これがクライマックス。とても力強さを感じる例大祭だ。

(写真提供:岩内町)

information

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岩内神社

住所:岩内郡岩内町字宮園41

TEL:0135-62-0143

http://www.hokkaidojinjacho.jp/data/04/04037.html

岩内町民の心のオアシス〈喫茶さぼーる〉

素朴なハニートーストをコーヒーと。

常に地元の人々でにぎわう〈喫茶さぼーる〉。
クラシカルで懐かしい、いわゆる純喫茶なので、
落ち着いてゆっくりとコーヒーを飲んだり、食事ができる。
コーヒーはネルドリップでていねいに落とされてまろやか。
お店の雰囲気に反して(!?)、食事メニューはナポリタンやハンバーグ、
とんかつまであって庶民的だ。

ランチ以外の時間帯でマスターのおすすめはハニートースト。
「7、8年前から始めました」というこちらは、食パンを2枚使っているので、
ちょっと小腹が減ったときにちょうどいい。たっぷりのアイスにチョコレート、
はちみつという組み合わせだが、甘過ぎずさっぱりとしたおいしさ。
まずはここで一服して、旅プランを考えたい。

information

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喫茶さぼーる

住所:岩内郡岩内町字万代10-8

TEL:0135-62-3463

営業時間:9:30〜20:00(日祝は10:00〜)

定休日:不定休

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漁業の栄華を体感する木造建築と、アイススケートリンク!

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積丹半島の西海岸ではまちの規模も大きく、入り口として滞在しやすい岩内。
まちなかで情報収集しよう。泊村までは約20分。
途中からは海岸線ドライブだ。

夏でも、クールにアイススケートしたい!
〈とまリンク〉

なんと真夏でもアイススケートが楽しめる施設が泊村にある。
海を眼下に眺める国道沿いを走っていると現れる〈とまリンク〉だ。

体育館やトレーニングルームとともに、1年中アイスアリーナがオープンしている。
主に泊村の小学生アイスホッケーチームである〈泊ブルーマリーンシャークス〉や、
周辺のアイスホッケー、フィギュアスケートチームが練習場所として使用している。
ほかの空き時間は、一般に開放されているのだ。

用具庫にはアイスホッケー用のヘルメット。

また最近はニセコを訪れる外国人観光客にも人気。
夏だけど、少しでも冬気分を満喫したいという気持ちの表れかもしれない。
夏だからこそアイススケートというのも、涼しいしオツなものだね。

スケートシューズはレンタルできる。

information

とまリンク

住所:古宇郡泊村大字泊村1

TEL:0135-65-2578

営業時間:9:00〜21:00(アイスアリーナ)

定休日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)

※一般開放は日時が限られているので、お出かけの際はHPより月間予定表をご確認ください。

https://ice-center-tomarinku.jimdo.com/

往時の栄華を振り返る〈鰊御殿とまり〉

旧川村家の番屋の広い「親方居間」。奥には床の間もある豪華なつくり。

〈とまリンク〉からさらに海沿いへ下りていくと集落がある。
その泊村の小さな中心地にあるのが、〈鰊御殿とまり〉だ。
泊村では約300年前からにしん漁が始まり、明治になると最盛期を迎えた。
かつては50を超えるにしんの番屋があり、どれも豪華なつくりであったという。

〈鰊御殿とまり〉は、明治27年に建てられた旧川村家の番屋と、
大正5年に建てられた旧武井邸の客殿を見学できる。

当時の生活が垣間見られる生活用品もたくさん展示されている。

各地に「鰊御殿」はあるが、
「ここが一番の規模」と館長の森公一さんも自信を持って勧めてくれた。
旧川村家の番屋は、大きな柱と梁、高い天井などしっかりとした木造建築だ。
ひと際目立つ大きな神棚は、
漁師という仕事が今以上に命がけであったことを感じさせてくれる。
この地に移築したときに初めて発見されたという隠し部屋もあり、
もめ事や借金取りから隠れる場所として機能していたようだ。

出稼ぎの漁師が数か月共同生活していた「漁夫だまり」。吹き抜けの構造部分は圧巻。

旧武井邸は客殿だけあって、凝った意匠に注目。
材料のほとんどを本州から取り寄せ、
廊下には海をモチーフとした「埋め木細工」の数々が施されている。
さりげない“デザイン”なので見落とさないように注目したい。
ほかにも黒壇の床柱、東南アジアのビンロージュの床柱、透かし彫りの欄間など、
客人をもてなすための豪華なつくりに感心する。

旧川村家の番屋の外観。

information

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鰊御殿とまり

住所:古宇郡泊村大字泊村59-1

TEL:0135-75-2849

営業時間:9:30〜16:30

定休日:月曜日(11月下旬〜4月中旬は休館)

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函館や札幌からも常連が通う、絶品のお寿司

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泊村から神恵内村までは、約15分。ずっと海沿いを北上していく。
途中、トンネルを抜けて高台に出ると、左に漁港が見えてくる。神恵内漁港だ。
さあ、神恵内に到着。

運よく、神恵内漁港の水揚げ風景に遭遇するかもしれない!

鮮度抜群。食べごたえ満点の名物店〈勝栄鮨〉

やはり「おまかせ」でいただきたい。シーズンになるともちろんウニ登場!

神恵内漁港方面に車を走らせていくと、神恵内の集落に出る。
お腹を満たすために立ち寄りたいのが、
週末や季節によっては行列必至の寿司屋〈勝栄鮨〉。

お店に入ると奥さんが元気いっぱいの声で迎えてくれる。
積丹で有名なウニのシーズンにはそれを求めて遠方からウニ好きが集まるが、
普段の平日は地元の常連に愛されている。
カウンターの奥、大将越しの壁に掛けられている全国、世界各地からの
おみやげキーホルダーの数々が、大将の人柄を表しているようだ。
月1回、年1回必ず訪れる、という遠方からの常連も多いそう。

オリジナルTシャツも決まっている大将。

オススメは「おまかせ握り」。
季節の魚介を中心に、神恵内などの地魚、もしくは札幌や北海道内など、
なるべく近場から新鮮な素材を仕入れている。
勝栄鮨はネタも大きく、シャリも大きい。豪快に握られた寿司は満足感いっぱい。
取材時、となりにいた常連さんがおいしそうな裏メニューを食べていた。
次はあれを食べたいので、もっと通わなくては。

元気に注文をとる奥さまと笑顔がやさしい大将のいいコンビネーション。

information

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勝栄鮨

住所:古宇郡神恵内村大字神恵内村636-5

TEL:0135-76-5841

営業時間:11:00〜19:00

定休日:月曜日

丹念に練られた餡が自慢。和菓子店〈稲葉屋〉

〈勝栄鮨〉を出て、歩いて数分で行ける場所に〈稲葉屋〉がある。
コチラでは見た目にも楽しいデザートを。
夏はほたての形を模した「ほたて最中」が人気。
貝柱に見立てた求肥がユニークでおもしろい。
一方、冬になると鮭の形をした「夫婦鮭最中」を発売する。
雌には紅、雄には白の求肥を入れたもの。
同じ最中であっても、旬を感じさせる粋な計らいだ。
とにかく餡がおいしいと評判。

「1年分の小豆を購入して、
すべて自分たちの手づくりで独自の餡をつくっています」という。
最中以外にもみそまんじゅうや羊かん、
あんドーナツなど、餡を使った商品が人気だ。
さっぱりとした後味はいくつもいけそう。
神恵内で70年。変わらぬ「神恵内銘菓」を提供し続けている。

みそまんじゅう、という名で実はしょうゆ味。

information

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稲葉屋

住所:古宇郡神恵内村大字神恵内村15-2

TEL:0135-76-5234

営業時間:8:00〜20:00

定休日:不定休

全国の歴史ある伝統の玩具を〈童心館〉で

神恵内村の中心地からさらに北上していく。
このあたりは海と道路が近いのでかなり気持ちがいい。
10分ほど走ると珊内(さんない)地区に出る。

ここで訪れたいのが神恵内村日本郷土玩具館「童心館」。
日本の郷土玩具が約4500点、凧が約1000点と抜群の保有量を誇る。
旧珊内小中学校を改修して利用されている館内に、ギッシリと陳列されている。
コケシにダルマ、お面に張り子……、1点ずつしっかり見ていったら日が暮れてしまいそうだ。
地域ごとにまとめられているので、必ずや地元のコーナーを見てしまうはず。

四国コーナーには、大きな虎の張り子が。

かつて誰の家にもひとつはあったような玩具たち。
今は居場所を追われてしまっているかもしれないが、懐かしいというよりは、
日本の地域の伝統をあらためて勉強できるスペースとなっている。

玩具とはいえコレクションとして見てみると、
なんとも愛嬌があるし、デザイン的に見ても新感覚。マネして集めてみたくもなる。
特に若い世代にはディープでミステリアスに感じるかもしれない。
休憩所にあるメンコやコマ、竹トンボに夢中になってしまわないように注意!

凧が決まった形でないことや柄の多様さなど、自由であることを知った。

information

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神恵内村日本郷土玩具館 童心館

住所:古宇郡神恵内村大字珊内村256

TEL:0135-77-6577

営業時間:10:00〜16:00

定休日:火曜日(10月末〜5月上旬は休館)

知る人ぞ知る名湯
〈リフレッシュプラザ温泉998〉

1日の疲れを癒すためには、神恵内村の中心地に戻り、
道道998を山のほうに車で数分走った〈リフレッシュプラザ温泉998〉に。
「ナトリウムー塩化物強塩温泉」というなんだか恐そうな泉質だが、
その名の通り、かなりしょっぱい。
世界的に見ても珍しいという海水の1.3倍の塩分濃度で、
すこし体が浮く感覚があるくらいだ。

科学的に分析しても温泉成分が濃く、その効果を求めて、全国各地から湯治にやってくる。
保温効果がかなり高く、お風呂上がりはしばらくポカポカだ。
公共施設なので、地域住民の憩いの場となっている。
観光的なサービスは特にないが、お湯がすでに名物クラス。
足もとが見えないくらい茶色の個性的な温泉を体感したら、
きっとクセになることだろう。

information

リフレッシュプラザ998

住所:古宇郡神恵内村大字神恵内村字大川116-1

TEL:0135-76-5100

営業時間:11:00〜21:00(冬期11〜3月は12:30〜20:30)

定休日:火曜日

http://www.vill.kamoenai.hokkaido.jp/hotnews/detail/00000152.html

岩内町から泊村経由で神恵内村まで、
車で一気に走り抜けても片道1時間もかからない。
だから日帰りも可能だけど、できればゆっくりと1泊してアチコチ見て回りたい。
ほとんどの行程を海沿いの「雷電国道」こと229号線を走る。

天気が良ければ、最高の「積丹ブルー」の海に遭遇できるかもしれない。
そして夕方にはもちろん、西海岸だからこその海へ落ちゆく夕陽。
ぜひ美しい色の小さな半島、積丹半島西海岸へ。

神恵内村の景勝地のひとつ〈窓岩〉は、中央に穴が開いている不思議な岩。神恵内の中心地から車で20分程度で見えてくる。

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