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TOPIC 浮島太陽光発電所

100%Village
vol.005

posted:2012.4.3  from:神奈川県川崎市  genre:活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  全国に52カ所ある、自然エネルギー自給率100%の地域 = 100%Village。
TOPICでは、全国各地の100%Villageやそれを目指そうとするモデルケースをひもとき、
STUDYでは、自然エネルギーにまつわる用語を解説していきます。

writer's profile

Takeshi Magami

馬上丈司

まがみ・たけし●千葉大学法経学部非常勤講師。千葉大学人文社会科学研究科公共研究専攻博士後期課程修了 博士(公共学)。専門はエネルギー政策論・公共政策論・環境マネジメントシステム論。

都市部のエネルギー供給源として期待される太陽光発電。

数ある再生可能エネルギーの中でも、
太陽光は多くの地域で普遍的に利用できるエネルギー源です。
小水力や地熱といった、まとまった自然資源が少ない大都市圏でも、
太陽の恵みはあまねく降り注いでいます。
そのため、そのエネルギーを太陽光発電や太陽熱利用に活用することができるのです。
浮島太陽光発電所は、神奈川県川崎市の東京湾上にある埋め立て地、
浮島町に建設されたメガソーラー(大規模太陽光発電所)です。
羽田空港に隣接し、
首都高速湾岸線と東京湾アクアラインの交わる川崎浮島JCT側の市有地に、
東京電力が建設して運営しています。
発電設備の概要は、シャープ製の198Wソーラーパネル約3万8000枚を並べ、
最大出力は7000kWになります。
年間推定発電電力量は740万kWhが見込まれていて、
一般家庭の2000世帯分以上をまかなうことが出来ます。
なお、建設費は公表されていません。
実際に発電所を見学してみると、まずその広大さと静かさが特徴的です。
太陽光発電の環境に対する最大のメリットは、
運転時の静粛性であることを再認識させられます。
周辺が工場地帯であるぶん、よりその特徴が際だちます。
発電設備は遠隔管理されていて、施設自体は無人運転となっており、
メンテナンスも日常的に行うものはほとんどないということです。
ソーラーパネルの汚れは風雨で取り除かれるようになっており、
地面も草が生えてこないような舗装がされています。
こういった管理の省力化がなされているというのも、特徴と言えるでしょう。
この発電所のある埋め立て地は、
一般廃棄物の焼却灰や浚渫土砂などによって造成されており、
地盤が安定するまでの約20年を、太陽光発電所として活用するそうです。
浮島太陽光発電所は2011年8月10日に運転を開始しており、
川崎市との契約によって稼働期間は18年間の予定です。
現在の太陽光発電設備の寿命は、平均25~30年と想定されていることを考えると、
設備寿命より先に土地利用の契約が終了してしまうことになるので、
その先の延長の可能性があるのかが気になります。
これまで、都市廃棄物の最終処分場跡地である埋め立て地の活用には
さまざまな方策がとられてきました。
そのひとつとして、大都市に隣接するエネルギー供給基地としてのメガソーラーの建設は、
現実的でありメリットの大きい利用法であるといえるでしょう。
周囲に日照を遮るものがないというのも、太陽光発電所として利用する上で有利です。
現在、大阪府堺市でも臨海部におけるメガソーラーの建設が進んでおり、
他の大都市圏でも同様の形態の建設計画が持ち上がっています。
メガソーラーは、再生可能エネルギー利用が難しいと考えられがちな
都市部のエネルギー供給源として、今後拡大していくことが期待されます。

浮島町に建設されたメガソーラー。

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