〈 この連載・企画は… 〉
コシヒカリの最「幸」級米を目指すプロジェクト、RICE475。
新潟県魚沼の米屋 廣新米穀店の4代目・覺張雄介が、日本の食卓と農業の未来を語ります。
writer's profile
Yusuke Gakuhari
覺張雄介
がくはり・ゆうすけ●1980年3月27日新潟県生まれ。A型。株式会社WV 代表取締役。 米どころ越後魚沼で戦前より続く米屋「廣新米穀」4代目。幼稚園の頃の夢は「悪魔」だったが、米屋を営む祖父の背中を見て、小学校3年生の文集には「米屋になりたい!」と無事に人間の道を選んだ。高校卒業後、アパレル業界へ進むために故郷魚沼を離れ、トレンドの移り変わりの速い業界で商売を学び、家業復活のために帰郷。 農業の様々な問題に直面し、魚沼を愛するひとりとして、次の世代に残せる地域づくりや農業の新しい形を勝手に模索中。
10月に収穫を終えてから、RICE475もさまざまな活動を行っておりました。
今シーズンから始めた活動に「ぬか釜出張」というのがあります。
ぬか釜とは、お米のもみ殻と杉っ葉を燃料に羽釜で炊飯するという、
昔ながらの炊飯スタイルです。
巷ではとうとうお米の消費額がパンに抜かれてしまうという由々しき事態に。
また、食料自給率を上げるために、米粉をプッシュする声を頻繁に聞きます。
米粉パン、米粉パスタ、米粉スイーツなどなど、
米を粉にして小麦粉の代わりに使ってお米の消費を上げようという
目論見はとっても良くわかりますが……。
それじゃいかんでしょう!!!
ご飯は? ご飯の美味しさは?
日本人のDNAをパンやパスタにすり替えてよいのですか?
とびきり美味しいお米を最高のコンディションで食べてもらい、
目を覚ましていただきたい!
ということで、ぬか釜と魚沼産コシヒカリを持って、行脚することに。
青空の下、最幸級米を最幸な炊き方で味わっていただきました。
マラソンの走り方教室、女子サッカーの試合、
音楽イベント、埼玉県の小学校の家庭科の授業……。
ぬか釜炊きの名人を連れて行ったり、時にはひとりで行ったり。
さまざまな場所でご飯を炊かせていただきました。
ぬか釜炊きの特徴は、火力が強いこと。
なんと釜の中は1000度にも達するそう。
なので、わずか20分ほどで炊きあがるのです。
一度火をつけたらあとは放置。
火力の調節もいらないので、昔の「全自動炊飯器」ですね。
もちろん、みんな大好物の芳ばしいおこげもバッチリできます!
越後湯沢で行われた、パラリンピックのマラソン金メダリスト高橋勇市さんによる、マラソンの走り方教室でも振舞いました!
初めて見るぬか釜炊飯に、子どもたちも興味津々!
見よ! この炊きたてご飯を! 思い出すだけで幸せな気分……!
みんな幸せそうにご飯を食べる姿を見て、やはり、自信が確信に変わりました。
みんな美味しいご飯が大好きなんです!
そうでしょう、そうでしょう(ありがちな広告のようですが、違います)。
もちろん米粉も良いと思いますが、まずはご飯を食べる習慣を取り戻しませんか?
大正時代、日本人は平均で一日8膳のご飯を食べていたそうです。現代は2.5膳。
一説によると、それが4.5膳になることで脂肪の過剰摂取がなくなると言われています。
美味しいだけでなく、体にも良いのですね!
なにはともあれ「ぬか釜出張」、
ロケーションも手伝って、みなさんにご飯の美味しさを再確認していただく、
本当に良い機会になったと、勝手に満足しています(笑)。
個人的にはこの仕事、さまざまな場所でさまざまな出会いがあるので、大好きです!
うちのイベントにも来てほしい! という方、ぜひご連絡ください☆
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