連載
posted:2017.6.26 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
6月になるとスーパーの入口付近に並び始める梅!
その隣には、大きなガラス瓶や梅干しざる、
梅酒づくり用のホワイトリカーなんかが並びます。
そう、6月は梅収穫&梅仕事の季節です。
毎年5月中旬くらいから、そろそろ梅が大きくなってきたねぇ、
いつ収穫しようかと、畑の見回りをしながらそわそわしてきます。
うちにはじいちゃんが残してくれた梅の木が3本あります。
段々畑の一角に梅の木が植えられているのですが、
軽トラックで行けない場所にあるので収穫して運ぶのはひと苦労。
さらにまわりのみかん畑が少しずつ荒れ始めていて、
草刈りなどのメンテナンスもとても大変(というか、できていない、汗)。
でも立派な梅の木は毎年大粒の梅をつけてくれるので、
なんとか手入れして収穫し続けたいなと思っています。
今年はその梅の木と、知り合いの人に、もう採らないから採ってもいいよと
教えてもらった梅の木の実を収穫をしました。
大粒の梅が枝にたくさんついている姿はなんとも幸せ。
あー、宝物がいっぱいある。
ひとつずつ手でもぎってかごに入れていきます。
農薬も肥料も使わず、ほとんど自然のまま育った梅ですが、
思ったよりもきれいな実が多く、梅の木のパワーに驚かされます。
収穫した梅は、傷なしパーフェクトなA品、
ほんのちょっとだけキズがあったりシミがあったりするA’(エーダッシュ)品、
キズありだけど使えるよねのB品、
これはちょっと厳しいねのC品に分けていきます。
そしてなるべくその日のうちに注文してくれた方に発送します。
今年もたくさんの方々にお届けできました。
小豆島の梅が全国各地に飛び立っていって、
そこでおいしい梅干しや梅シロップにしてもらってると想像すると
とてもうれしくなります。
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発送が一段落したら、次は私たちも梅仕事。
手元に残したA’品やB品を使います。
今年は、梅コンポートと梅干しを仕込みました。
梅酒はたくさんストックがあるので今年はお休み。
梅コンポートは黄色く追熟した梅を、砂糖、水、白ワインとあわせて
弱火でことこと煮てつくります。
その煮汁がシロップとしても使えて、梅コンポートとシロップをグラスに入れて
炭酸水で割ってつくる梅ソーダがすごくおいしい。
夏の畑作業の休憩に飲んだりするのですが、
きゅっとくる梅の酸味が汗をかいた体にしみわたります。
HOMEMAKERSカフェでもこの時期の定番メニューになりつつあります。
そして梅干し!
今年は友人家族と一緒に約30キロ(!)の梅を洗って、
子どもたちもみんな一緒にヘタ取りして、3家族それぞれ梅干しを仕込みました。
梅干しづくりも味噌づくりも、自分ひとりだとちょっと億劫になってしまうんだけど、
誰かと一緒にやるとすんなりできる。
部屋中に熟した梅のいい匂いが漂うなか、梅、塩、梅、塩を繰り返し、
ひとまず梅干しづくり最初の作業完了。
あとは梅酢があがってくるのを待って、塩もみした赤しそを投入。
梅雨が明けたら、天日干しして完成です。
今年も無事に梅仕事完了〜。
さっそくできあがった梅コンポートをいただく。
あの木になっていた梅の実が、こんなおいしいものになるなんて。
HOMEMAKERSの梅の輪、来年はもっともっと広げていきたいな。
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