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お米をつくる!
かまどもつくる!?
いとしまシェアハウス流
「ごはんをつくる」体験合宿

糸島での自給自足の日々を綴った
―田舎暮らし参考書―
vol.010

posted:2018.8.28   from:福岡県糸島市  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  田舎へ移住を考えている人、すでに移住した人。
そんな方の、暮らしの参考やアイデアになるはずです。農業、狩猟、人とのつながり、四季のこと。
福岡県糸島で自給自足生活を営む〈いとしまシェアハウス〉の暮らしをお届けします。

writer profile

CHIHARU HATAKEYAMA

畠山千春

はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。
ブログ:ちはるの森

こんにちは。「食べもの・お金・エネルギー」をつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

今年の夏は、暑かったですね~! 
家の中はいつも涼しくて猛暑もなんのその、が自慢の我が家だったのですが、
今年ばかりはさすがに参りました。
あんまり暑いので、ゲスト向けに新しい扇風機を2台購入。
大活躍してくれました。ありがとう! 

最近、だいぶ涼しくなりましたが、
「夏が暑い年は、冬寒い」だなんていわれているので、
今から今年の冬に怯えているところです。

サッカー部の少年17人と

さて、我が家ではこの夏、とても賑やかな合宿が行われました。

それは、中学3年生のサッカー部男子17人が、
いとしまシェアハウスの暮らしを体験する大合宿! 
webサイトで我が家のことを知ってくださったコーチのお声がけで実現した合宿ですが、
田んぼや畑、海などの豊かな自然を最大限に楽しみながら、
その恵みをとってきて、自分たちの手で食べものをつくる、というもの。

今までこんなに大人数(しかも中学生!)の受け入れをしたことがなかったので、
初日を迎えるまではドキドキしていたのですが、
彼らの楽しそうな笑顔を見ていたら不安も吹っ飛んでしまいました。

調理中の様子

みんなで一緒にごはんをつくる

この合宿のテーマは「ごはんをつくる」こと。

簡単そうに思われるかもしれませんが、
我が家の場合は、お米を炊くための“かまど”づくりからスタートです。
互い違いにレンガを積み上げて、ふた口のかまどを組み上げました。

かまど組み立て中

このかまどは、接着剤などを使わずにレンガを積み上げているだけなので、
レンガさえあればどこでも再現可能、
また解体して別の形に組み上げることもできます。

まちからやってきた中学生にできるかな? 
途中で飽きてしまわないかな? と思っていたのですが、
サッカーで培われた集中力で見事なかまどを完成させました! 
すごい!

かまどを組み立てる男子たち。

かまどを組み立てる男子たち。

かまどを組み立てる男子たち。

かまどがあっても、薪がなければ火は焚けません。
そこで、庭の木を切り出し、鉈で薪をつくります。

子どもたちに鉈を使わせることに不安もあったのですが、
コーチが見守ってくださっていたこともあり、挑戦させてもらえることに。
1本の木からみるみるうちに薪をつくっていく中学生たちのパワフルさに圧倒されつつ、
スポーツをしているだけあって、体幹がしっかりしているなあと感じました。

庭の奥から木を引っ張り出します。

庭の奥から木を引っ張り出します。

庭の奥から木を引っ張り出します。

これだけの薪がつくれました!

これだけの薪がつくれました!

かまどの準備ができたら、イノシシ肉の餃子づくり。
お肉をミンチするとことから始めて、それぞれ思い思いのオリジナル餃子をつくります。

お米は全部で25合、薪を使って炊きました。
よく食べる子たちと聞いていたので、気合を入れていっぱい米を準備したのですが、
あっという間に羽釜は空っぽ、250個の餃子もすごいスピードで彼らの口に吸い込まれていきました。

かまどの火のあつさ!

出来上がったごはんを皆でいただきます!

夜は真っ暗な棚田の道を歩き、星空散歩。
一番近くの電灯が見えなくなるまで歩き、道路にゴロンと寝転がります。
ペルセウス座流星群が近かったタイミングもあり、流れ星が3個も見えました! 
これには生徒たちも大喜び。
これだけ光が少ないところ、きっとまちにはないのではないでしょうか。

満点の星空

寝るときは、ふた部屋をぶち抜いた広間に布団を17枚敷き詰めて。
ワイワイと楽しむ姿は、まるで修学旅行のような。
見ているこちらまで甘酸っぱい気分になります。いいなあ。

さながら修学旅行のよう

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環境やプロセスを知る稲作体験

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お米ってどうやって育つ? その環境やプロセスを知る稲作体験

次の日は、畑や田んぼに行って草刈りをしました。
自分たちが昨日たいらげたあのお米が、どこから来ているのか、
どうやって育っているのかを体験してもらいました。

田んぼの泥に足を突っ込み、よろけながらも笑顔で草とり。
畦を歩けば、草むらからぴょんぴょんと、さまざまな昆虫たちが飛び出します。

虫が苦手な子には大変な作業だったようですが、
食べものが食卓にのぼるまでのプロセスや時間を
少しでも感じてもらえたのではないでしょうか。

田んぼの中をかける少年たち

田んぼの中をかける少年たち

田んぼ作業で汗だくになったあとは、そのまま近くの海へドボン! 
ビーチフラッグをしたり、魚突きをしてみたり、思い思いに楽しんでいました。
この日は海がとてもきれいで、海底まで透き通るほどでした。

糸島の海にて

ただ、海は楽しいけれど、とにかく体力を消耗します。
私も畑仕事のあとに海へ飛び込むのが大好きなのですが、
エネルギーが海に吸いとられてしまい、帰ってきてからの作業がまったく進まない! 

ちょっとだけ、昼寝……と思っていたのに、
目を開けたらもう18時を回っていた、なんてことも。
プールのあとの授業の眠さを、大人になっても感じています。
(しかし大人なので、好きなだけ寝てしまうという罠)

皆でお昼寝タイム

中学生たちも午後は睡魔との戦いだったようなので、
いったん昼寝をはさんでから
大きな模造紙にそれぞれの感想を書き、仲間と意見交換をする場を設けました。
最初はこの2日の出来事をどう書こうか迷っている様子でしたが、
最後のまとめでは、配ったA4用紙がびっしりになるほどの感想を書いてくれた子もいました。

感想に目を通すと

・クーラーのない場所で過ごしたのが新鮮だった

というものがちらほら! そうかあ。
今は学校も電車も家も車も、どこでも冷房がありますもんね。
クーラーのない暮らしを特別と感じてもらえたことに、ちょっと驚きました。
扇風機のみのやさしい涼しさが気に入ってもらえたようです。

イノシシ肉を食べたときは、

・お肉を食べるということは動物の命をもらうことなので、感謝の気持ちを持とうと思いました

というコメントもありました。

それから

・鶏を庭に放したとき、雑草やミミズ、カエル、

 さらに僕らが食べられなかった魚の骨まで食べていてびっくりしました

という感想も。

田んぼの中をかける少年たち

そう考えると、鶏は人間が食べられないものを食べてくれて、
それを卵にして人間にプレゼントしてくれるなんて、
とてもありがたい存在ですね。

子どもたちの発見に私も刺激を受けて、とても楽しい時間でした。

私は、小さい頃に行った山でのキャンプで、空気が澄んでキーンとした感じや、
皮膚を刺すような川の冷たさ、頰張るごはんのおいしさをふと思い出すことがあります。
小さい頃のささやかな記憶って意外と覚えているものですし、
そういう小さな体験が今の暮らしにつながっているような気もします。

いつか彼らが大人になって、ふと思い出してもらえるような、
記憶に残る1日になってくれていたら、うれしいなあ。

いとしまシェアハウスでは、
暮らしを体験できるプログラムを組んだ合宿受け入れを行っています。
興味がある方は、こちらからお問い合わせくださいね。

その日に生まれた鶏の卵でアイスクリームをつくりました。

その日に生まれた鶏の卵でアイスクリームをつくりました。

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今日のごはん

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今日のシェアハウスごはん

コロカル編集部の林貴代子さんが我が家に遊びに来てくれました! 
彼女が「最高!」と言ってくれた、
産みたて卵の卵かけごはんがとってもおいしそうだったので、
数日後、生卵と手づくり納豆のぶっかけうどんをつくってみました。

産みたて卵、最高。

コロカル編集部の林貴代子さんが我が家に遊びに来てくれました

生卵と手づくり納豆のぶっかけうどん

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