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モノではなく、プロセスを売って
“お金の自給”を目指す!
〈いとしまシェアハウス〉の
仕事のつくり方

糸島での自給自足の日々を綴った
―田舎暮らし参考書―
vol.004

posted:2018.5.29  from:福岡県糸島市  genre:暮らしと移住

〈 この連載・企画は… 〉  田舎へ移住を考えている人、すでに移住した人。
そんな方の、暮らしの参考やアイデアになるはずです。農業、狩猟、人とのつながり、四季のこと。
福岡県糸島で自給自足生活を営む〈いとしまシェアハウス〉の暮らしをお届けします。

writer profile

CHIHARU HATAKEYAMA

畠山千春

はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。
ブログ:ちはるの森

“暮らしをつくる”がコンセプトの〈いとしまシェアハウス〉、
今回のテーマはお金の自給です。

自給自足の生活のなかにお金の話が出てくるってちょっと不思議かもしれません。
けれど、どんなに食べものを自給していたとしても、
国民健康保険、税金、年金、車や農機具を動かすためのガソリン代など、
生きていくためにはお金が必要ですよね。

そう考えると、食べものやエネルギーだけでなく、
お金そのものも自分たちで生み出せるようにならないと、
本当の意味での“暮らしをつくる”ことはできないのでは、と思っています。

ずっとこの楽しい暮らしを続けていくために。
今回は、我が家の小さな仕事づくりの挑戦についてお話しします。

甘夏狩りで、1週間体験のメンバーと一緒に。

甘夏狩りで、1週間体験のメンバーと一緒に。

どこで仕事をつくる?

私たちの仕事のつくり方の軸となるのは、この3つ。

(1)地域の資源・人材を使うこと

(2)持続可能な暮らしを伝え、体験してもらうこと

(3)シェアメイトが楽しくとり組めること

例えば、せっかく田舎に移住してきたのに
地域の暮らしに交わることなく、都市部に出て、
週5日フルタイムで働いてしまったなら。
地域での活動が減り、家は寝に帰ってくるだけの場になってしまう可能性があり、
せっかくこの地に集まった才能や時間、消費さえもまちへ流れるいっぽうです。

それだと、地域の方とのコミュニケーション不足、
耕作放棄地のこと、過疎化の進行など、
今の地域が抱える問題の解決にはなりません。

そこで私たちは、できる限り自分たちの地域にある資源や人材を使って仕事をつくろう、
と決めたのです。

梅とビワの収穫の様子。

梅とビワの収穫の様子。

具体的には、使われなくなった集落の甘夏畑で甘夏狩りイベントを企画したり、
ご近所さんの管理する果樹園で採れる梅やビワをオンラインで販売したり、
先月のようにお茶摘みをしてお茶づくりのワークショップをしたり。

地域の人たちがなかなか気づかない価値を発見するのが
移住者の役割でもあります。

田舎と都会を結び、暮らしのなかから価値になるものを見つけ出すことで、
それをワークショップにしたり販売したり。
さらには外から人を呼ぶことで、お金を集落内に落としてもらうよう工夫しています。

毎年販売している無農薬・無肥料のたくましい梅。

毎年販売している無農薬・無肥料のたくましい梅。

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皆がうれしくて楽しい仕事づくり

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モノではなく、プロセスを販売する

我が家では、自分たちで食べるために無農薬・無肥料のお米を育てています。
たまに「おいしいから、販売したらいいよ」とアドバイスをいただくことがあるのですが、
苗を手植えし、収穫した稲を天日干しするという、
なるべく機械を使わない、手作業をとっているため、
お米を育てるのには手間と時間がかかります。

特に田植えの時期である6月は、ほぼ毎日が田植え作業。
お米を干すのも、天候によっては1か月かかるときもあります。

今年のお米の種下ろしの様子。

今年のお米の種下ろしの様子。

去年の収穫量は約870キログラム。
もしこのお米を卸すとなると、卸価格が驚くくらいの低価格になってしまうため、
一緒に手を動かしてくれたシェアメイトにすら報酬が払えなくなる計算になるのです。

そこで私たちは、つくったお米ではなく、
田んぼのプロセスを販売する作戦を思いつきました。
例えば、田植え、草刈り、稲刈り、藁を使った納豆づくりや、お餅つきなど。
今後は田んぼのオーナー制度などもとり入れる予定です。

稲刈りイベントにて。

稲刈りイベントにて。

そういった暮らしをイベントにすることで、
畑や田んぼに興味のある方には田舎暮らしを体験してもらえ、
私たちも農作業の人手が増え、とってもありがたい!
どちらにとってもうれしいことが、お仕事にもなるのです。

稲刈りのときは、いつも収穫した稲を1束お土産にしています。
稲1束は、だいたいお茶碗1杯分。
これを自分で持ち帰り、乾燥させて籾摺り・精米して食べてもいいし、
来年まで保管しておいてベランダでバケツ稲を育ててもいい。

家に帰ったあとも、普段自分たちが食べているもののプロセスを感じてほしい、
そんな気持ちを込めています。

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仕事こそ自分たちの信念を表現する場

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仕事とお金をつくるということ

正直なところ、今の段階では、シェアハウスでつくったお金だけで
暮らしのお金をすべてまかなうというところまではたどり着けていません。

ですが、以前も紹介したように、都会と比べると我が家は生活コストが低め。
食べものもお金も、自分たちで気持ちよくつくれるようになるのが次の目標です。

苗がうまく育ちますように!

苗がうまく育ちますように!

仕事をつくるということは、資本主義社会のなかで影響力のある行為であり、
さまざまな立場や考え方の人とコミュニケーションをとる大切なツールでもあります。

どういうかたちでお金をつくり、巡らせていくか。
自分たちの伝えたいことで仕事をつくる、お金を稼ぐという
その流れで、少しでも社会に意思表示ができたらと考えています。

仕事こそ、自分たちの信念を表現する場にしないといけないですね。
まだまだこれから。頑張らなきゃ!

そうそう、先ほど紹介した糸島の無農薬・無肥料の梅、
こちらから購入できますっ!

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今日のごはん

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今日のシェアハウスごはん

もぎたての甘夏をいただきます。
ふさの背中をカットして開けば、見た目も華やかなごちそうに。
そのまま搾ってパワフルな100%ジュースにも!

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いとしまシェアハウス

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