連載
posted:2022.3.16 from:神奈川県小田原市 genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築
sponsored by BESS
〈 この連載・企画は… 〉
ライフスタイルの基本は、やはり「家」。
ログハウスなど木の家を得意とする住宅ブランド〈BESS〉とともに、
わが家に好きなものをつめこんで、
最大限に暮らしをおもしろがっている人たちをご紹介します。
writer profile
Tomohiro Okusa
大草朋宏
おおくさ・ともひろ●エディター/ライター。東京生まれ、千葉育ち。自転車ですぐ東京都内に入れる立地に育ったため、青春時代の千葉で培われたものといえば、落花生への愛情でもなく、パワーライスクルーからの影響でもなく、都内への強く激しいコンプレックスのみ。いまだにそれがすべての原動力。
photographer
Shin Hamada
濱田晋
はまだ・しん●写真家。ポートレイト、取材、ドキュメンタリーの分野で撮影を行う。近作に『あたりまえのことたちへⅡ』(2021)、『ECHO』(2021)。2022年より思考実践『HAMADA ARCHITECTS™️』を始動。フリーペーパーの発行、プロトタイプ製作、お茶飲み、交換などさまざまな手段を横断し既存の社会システムへの対抗を始めている。
神奈川県小田原市、富士山を望む抜けのいい場所に、
〈BESS〉の「G-LOGイスカ」というモデルを
2021年8月に建てたばかりの笹平さん一家。
笹平忠睦さんは転勤が多い仕事で、
これまで京都、島根、鳥取、広島、北海道、山口、千葉……と、
数年に1度は引っ越しを繰り返していた。
長男がこれから中学校に上がるタイミングもあり、
それから引っ越したのではまた転校させてしまうことになる。
そこで家を建て、定住の地を構える決意をした。
とはいえ、全国各地に住んできた笹平さんにとって、どこにしようか迷うところだろう。
住む場所を決めた理由は、シンプルな考え方だった。
「これからも私の転勤はあるので、
全国からの交通の利便性が高い関東エリアを選びました。
関東に家があれば、たとえば北海道に転勤になろうとも、鹿児島に転勤になろうとも、
帰ってきやすい。北海道に家があっても、九州に転勤になったら帰るのが大変ですよね」
確かに関東であれば、日本のどこでもアクセスしやすいので、
単身赴任になっても、月1回など帰りやすい。
さらに子どもたちが大きくなって、家から旅立つ日が来たとしても、
関東に家があれば同じように帰省しやすいだろう。
さらに家族の理想とする暮らしを実現しつつ、
「関東でありながら自然が豊かで、庭でBBQができるような。
できれば富士山が見えて、海が近いエリア」となると、
確かに小田原は有力候補だ。
「近くには煙突が立っている家もあったし、そもそもBESSの家が数軒あった。
だから庭でBBQや焚火をしたり、薪ストーブも大丈夫じゃないかなって」
似たような価値観を持つ人が近くにいることがわかると安心できる。
周囲は住宅地ではあるが、笹平さんのお宅は角地に建っていて、目の前は田んぼだ。
「田植えの時期は、風の流れがわかるように苗が揺れたりして、
料理したり洗いものしたりしながら眺めると気持ちがいいです」と
奥さんの由季さんも言う。キッチンに開けられた窓からはそんな風景がよく見える。
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忠睦さんは、親や兄弟が漁師で、自身も釣りが大好き。
小田原の海でSUPフィッシングも楽しんでいるという。
しかしそれは個人的な趣味。家族も増えてきて、家族共通の趣味が欲しかったという。
「夫が〈コールマン〉の中古のテントを買ってきて、
急に『キャンプするよ!』って(笑)」(由季さん)
「隣でキャンプしていたベテランらしいグループが私たちの状況を見かねて、
“一緒にやりませんか”と声をかけてくれたんです。
向こうは3、4グループの団体でしたが、
輪に入れてもらったらとても楽しくて」(忠睦さん)
そのときからキャンプにハマっていったという笹平さん一家。
東京で始めたキャンプは転勤先でも継続し、
全国あちこちのキャンプ場に行くようになった。
「多いときは年間30泊以上していました。
内緒ですが、キャンプ場からそのまま仕事に行くこともありましたよ」(忠睦さん)
凝り性なのは、実は由季さん。
ビンテージランタンを集め始めるなど、すぐに「道具を集める沼」にもはまったという。
キャンプでの食事づくりも加速していく。
キャンプグッズのダッチオーブンを駆使しながらさまざまな料理をつくっているが、
もともとパンやお菓子づくりが好きだった由季さんの得意料理はダッチパン。
パン自体もとてもおいしそうだが、由季さんのオリジナリティあふれるところが、
中央にシエラカップを置いて、
スープやグラタンをつくったり、チーズを溶かしてチーズフォンデュにしてしまうこと。
開けたときには誰もが感嘆の声を上げてしまう料理だ。
今ではアウトドア系ウェブサイトの、
“料理アンバサダー”を務めてしまうほどの腕前になっている。
「キャンプはアクシデントも起こるし、それゆえ話題も絶えない。
家族の共通の趣味ができたというのが一番です」(忠睦さん)
さらに「焚き火しながら弾いたら最高だね」と始めたのがウクレレ。
最初は安いものを買ったというが、
子どもの実力がどんどん上達し、いいものを買うようになった。
キャンプ、そこで火を囲む時間。家族の共通の時間を最大限楽しんでいるようだ。
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こうしてアウトドア文化に興味を持ち始めたことで、
自然とログハウスへの興味は高まっていった。
「実際に建てるかどうかまでは考えていませんでしたが、
当時住んでいた家の近くにある
LOGWAY(ログウェイ・BESSの単独展示場)に行ってみたら、
圧巻されたし、感動がありました」(由季さん)
こうしてふたりの心のなかでは、
示し合わせなくても、家を建てるならBESSと決まっていた。
「私はカントリーログ、主人がG-LOG が候補でしたが、
結果的にこのG-LOGに決めました。外観も個性的で気に入っています」(由季さん)
BESSの家に決めた理由は、家自体もさることながら、
それ以外の要素も大きかったという。
「BESSはユーザー同士、横のつながりが強いですよね。
転勤が多いからわかるのですが、
新しい土地でイチから人間関係を構築していくのは大変です。
BESSユーザーは結構いろいろなところにいるし、
みなさんSNSをすごく駆使しているので、
今の時代、つながりやすいですよね」(忠睦さん)
SNSであれば、そこまで地域の縛りにとらわれることもなさそうだ。
「LOGWAYでお会いしたことのあるユーザーの方に
インスタグラムのダイレクトメッセージでオファーして、
実際に家を見せてもらったんです。
そこでコンセントの位置とか、照明の塩梅、窓の感じ、
キッチンのタイルも迷っていたので、見せてもらえてとても参考になりました」(由季さん)
モデルルームは当然、きれいに整っているが、リアルな住み心地はわからない。
実際にBESSの家に暮らす先輩ユーザーから具体的な話を聞けるのは何より心強いだろう。
ユーザー同士でそんなことができるのも、BESSの大きな特徴かもしれない。
「全然面識のないユーザーさんに突然メッセージを送ったこともあって、
『ぜひ遊びに来てください』とお返事いただいたのですが、
新型コロナウイルスの影響でまだ行けていないんです……。
私のインスタグラムも以前はキャンプ投稿が多かったのですが、
ここ半年は家関連ばかりですね。
そうするとほかのBESSユーザーさんが反応してくれます。
逆にみなさんの投稿を見て、
薪棚とか靴箱とか、DIYをするときの参考にしています」(由季さん)
笹平さん夫婦がほかのユーザーから教わりながら交流を深めたように、
これからは発信もしていくことで、さらにコミュニティが広がっていくのだろう。
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BESSの家に住んで「暮らしのすべてが変わりました」と言う由季さん。
「以前は、休日に家にいたら、『どこかに行こう』という話になったんですが、
ここではそれがない」(由季さん)
忠睦さんも「家にいるストレスがありませんね」と満足そう。
子どもたちは、取材中も庭や家の中で元気に遊んでいた。
前日は、庭に隠れ家のようなテントをつくったという。
木で組んだ三角屋根に布をかけたものだが、
教えなくても外遊びに興味を持っているようだ。
家の前に庭があり、そのすぐ前は遊歩道になっている。
小川も流れていて、家の中からずっと先までつながっているように感じる。
だから高い柵は設けていない。
散歩をする人たちから丸見えでもあるのだが、それはそれでいいと考えている。
むしろ、そこから生まれるコミュニケーションを楽しんでいるように見えた。
「そこの道を歩いているおばあちゃんがネギの苗をくれたり」(忠睦さん)
「あと“こんにゃくをつくりなさい、おいしいから”っていう人がいて(笑)、
種芋をくれました」(由季さん)
コミュニケーションの幅や質を変えてくれるBESSの家。
その象徴ともいえるのが薪ストーブである。
薪ストーブを楽しむユーザーであれば、
ほぼ全員が薪を集める“薪活”に勤しんでいるからだ。
そこでは自然と地域での交流が生まれる。
「薪ストーブは初めてのシーズンだったので、薪は人に分けてもらいました。
75歳の方で、“死ぬまでに使う薪をストックしようと思ったけど
3年分で諦めた”と言っていて。
それで数年後には、“逆に薪で返してくれ”って。そ
のときは冗談っぽく言っていましたが、すごくアリだなと思っています」(忠睦さん)
お金ではなく薪で回る循環。薪ストーブユーザーにとって、冬の薪は生活必需品。
需給の価値が一致しているのであれば、わざわざお金を介する必要もないのであろう。
薪という物質を介してはいるが、つまりは労力で返していくということ。
それは信頼のおける者同士のコミュケーションだ。
大きく外に開くことで人と人とのつながりが生まれやすい家。
建物のみならず、
そこに生まれる独特の暮らしの文化を育んでいくことも魅力かもしれない。
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BESSのクラシガエ
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Web:BESSのクラシガエ
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