連載
posted:2014.8.15 from:青森県 genre:食・グルメ
〈 この連載・企画は… 〉
地域ごとにさまざまな郷土料理がありますが、なかなか食べないし、伝えられていない。
コロカルはそれをちょっと心配してました。そんなときに郷土料理を後世に伝える全集が編集部で話題になり。
これを教科書に、いろんな人ともつながって、郷土料理を身近にする連載をしよう!ということに。
料理人・後藤しおりさんがアレンジした、家庭でおいしくカンタンに作れる郷土料理を、都道府県別に紹介していきます!
profile
Shiori Goto
後藤しおり
ごとう・しおり●実家は福島県で寿司屋を営む。ブータン料理店、野菜料理店などを経て、2012年7月に独立。世田谷を拠点にケータリング、ロケ弁、出張料理人として活動。不定期でアトリエでイベントなども行う。
http://gotoshiori.com/
photographer profile
Tetsuka Yamaguchi
山口徹花
やまぐち・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。『anan』『Hanako』など女性誌を中心に活躍。週末は自然豊かな暮らしを求めて、郊外の古民家を探訪中。コロカルで『美味しいアルバム』も連載中。
writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県生まれ。コロカル編集部編集担当。好きな郷土料理は宮城県亘理町のはらこめし。
https://twitter.com/akiko_saito
郷土食を日本の隅々から掘り起こし、記録した名著
『日本の食生活全集』全50巻(農文協)から
料理人・後藤しおりさんが現代の家庭でもおいしく
カンタンに作れるよう再現したレシピを
お届けしている本連載。ぜひ一緒に作ってみましょう!
今回ご紹介するのは『日本の食生活全集2 聞き書 青森の食事』
に掲載されている青森県の食事から。
青森県は三方を海に囲まれ、四季の魚が豊富なところ。津軽の弘前には
古くから魚問屋があり、県内の港でとれた魚が集まってきました。
春にはかわはぎやさば、夏はさざえやまぐろ、秋は鮭やすずき、
冬にはたらやはたはた。村のひとたちは、魚を売り歩く行商人から
魚介類を買っていたんです。
今回チャレンジするメニューは、津軽地方の「あおばの小川巻き」。
あおばとはひらめのこと。鯛と並ぶ高級魚のあおばはかつて
婚礼の膳でしかお目にかかれない貴重なお魚で、おじいやおばあは
「殿様の魚」と呼ぶほどでした。刺身でいただくのは、本当に上等な、
お客様用のごちそう。とくに秋口からのあおばの身は透きとおるように
白く、脂がのって歯ごたえも良くおいしいのだそう。
さてこの「小川巻き」。あおばに青じそを巻いてくるくると丸めた
爽やかな見た目のメニュー。手間があまりかからないのに、目新しい。
現代の食卓でもおもてなしに活躍しそうな一品です。
しおりさんが「日本の食生活全集2 聞き書 青森の食事」
から小川巻を選んだ理由は、なんといっても青森の魚介類の美味しさから。
ハレの日に出されるメニューで、簡単に作れるものということでこの
小川巻が選ばれました。
「魚を触る時間は短く、丁寧に。刺身にするときは、できるだけ長く、
幅をとり、薄く切ってあげてください。巻きやすく、見栄えもよくなります」
とのこと。それでは作ってみましょう!
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★青森 小川巻き(1人前)
材料
ひらめ刺身用サク … 200g
大葉 … 4枚
1. ひらめのサクは刺身を作る要領で長めに幅を広く取るように切る。大葉はタテ半分に切る。
2. ひらめをタテに置き、大葉を乗せ、手前からしっかりと巻いていく。
3. 半分に切り、うつわに盛りつけ、わさび醤油と共にいただく。
完成! ぜひご家庭でもお試しください。
書籍情報
日本の食生活全集2 聞き書 青森の食事
著者:青森の食事編集委員会編
出版:農山漁村文化協会(農文協)
日本の食生活全集とは:おばあさんからの聞き書きで、各県の風土と暮らしから生まれた食生活の英知、消え去ろうとする日本の食の源を記録し、各地域の固有の食文化を集大成する書籍。四季の食事に加えて、救荒食、病人食、妊婦食、通過儀礼の食、冠婚葬祭の食事等を記録している。
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