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青森といえばこれ!
〈じゃっぱ汁〉
洗練のカンタンレシピ。

日本列島カンタン郷土食
vol.005

posted:2014.7.25   from:青森県  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  地域ごとにさまざまな郷土料理がありますが、なかなか食べないし、伝えられていない。
コロカルはそれをちょっと心配してました。そんなときに郷土料理を後世に伝える全集が編集部で話題になり。
これを教科書に、いろんな人ともつながって、郷土料理を身近にする連載をしよう!ということに。
料理人・後藤しおりさんがアレンジした、家庭でおいしくカンタンに作れる郷土料理を、都道府県別に紹介していきます!

profile

Shiori Goto
後藤しおり

ごとう・しおり●実家は福島県で寿司屋を営む。ブータン料理店、野菜料理店などを経て、2012年7月に独立。世田谷を拠点にケータリング、ロケ弁、出張料理人として活動。不定期でアトリエでイベントなども行う。
http://gotoshiori.com/

photographer profile

Tetsuka Yamaguchi
山口徹花

やまぐち・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。『anan』『Hanako』など女性誌を中心に活躍。週末は自然豊かな暮らしを求めて、郊外の古民家を探訪中。コロカルで『美味しいアルバム』も連載中。

writer profile

Akiko Saito
齋藤あきこ

さいとう・あきこ●宮城県生まれ。コロカル編集部編集担当。好きな郷土料理は宮城県亘理町のはらこめし。
https://twitter.com/akiko_saito

今回ご紹介するのは、『日本の食生活全集2 聞き書 青森の食事』
に掲載されている青森県の食事。
青森県はかつて、一年の半分が雪に埋もれていたところ。

津軽地方で最も馴染みのある魚が「鱈」。
陸奥湾の鱈は、産卵のために来るので脂がのってとってもおいしいんです。
昔の津軽のひとたちは、鱈を雪の上で引いて歩き、
身を締まらせてさらにおいしくする工夫をしていました。

鱈にはどこも捨てるところがありません。身は刺身や焼き魚に。
たらこは塩漬けや、生のまま醤油と酒で味付けしたものを
二、三日置いてご飯に乗っけて食べたり。
白子は「タツ」と呼ばれて、豆腐やネギと一緒に味噌汁に。
新鮮なものは熱湯をくぐらせる程度の刺身にもします。

そして今回ご紹介するのが、
鱈の頭部、中骨、肝臓などを材料にして作られる鱈のじゃっぱ汁。
「じゃっぱ」とは残りものや屑を意味する「雑把」のこと。
津軽の郷土料理の中でも、ダントツの人気メニューです。

津軽では魚のアラを味噌で煮込むことが多いのですが、
三平仕立ての塩汁で食べられることもあります。
しおりさんのレシピでも、塩味をご紹介。

「『聞き書 青森の食事』に、ところによっては
塩味も食べると書いてあったので、せっかくなので塩味にしてみました。
調理のコツは、あまり塩を効かせすぎないこと。
ちょうど良い塩梅の一歩手前、
ちょっと薄味くらいの塩味にすることです」

また今回は、お手軽に作っていただけるように
現地で使われる魚のアラを使っていません。
本格的な味にするために、魚のアラを使う場合の
コツも教えていただきました。

「魚のアラを使う場合は、鍋に入れる前に塩を軽く振って20分ほど置き、
さっと湯どおししてから氷水につけ、
水気をふきとって使用すると生臭さが消えます。
そうして血の臭みやウロコなどをとってあげることで、
上品なじゃっぱ汁ができますよ」

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それでは作ってみましょう!

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それでは作ってみましょう!

★青森 じゃっぱ汁(2人前)

材料

鱈 … 一切れ、もしくは旬の魚のアラ

里芋 … 4個

長ねぎ … 20cm

昆布 … 5×10cm

酒 … 大さじ2

塩 … 小さじ1

1. 水400mlに昆布を入れ、中火にし、小さな沸玉がたつ程度になったらごく弱火にし、30分煮だす。

2. 鱈は4等分に切る。長ねぎは斜め1.5dm幅に切る。里芋は皮をむき、水から茹で、竹串が通る程度に柔らかくなったらザルにあげ、ぬめりを取る。

3. の昆布を取り出し、里芋を加える。中火にし、沸騰する直前に鱈と塩を入れ、弱めの中火にし、アクを取りながら火を通す。長ねぎを加え、3分程火を通し、うつわに盛る。

水で昆布を30分ほど煮だし、出汁をとります。

里芋は別途茹でます。水の入った鍋に里芋を入れ、串が通る程度に柔らかくなったらOK。里芋はスーパーなどで、既に剥いてあるものが売っていますが、手で皮を剥いたものは美味しさも格別です。

で作った汁に、茹であがった里芋を加えて加熱します。沸騰する直前に鱈と塩を入れます。アラを使う場合はアラをこのタイミングで入れてください。長ねぎは最後に入れ、3分ほど火を通します。

出来上がり! 
鱈の旨味が出た汁と
ほっくりした里芋の組み合わせがほっとするお味です。
ぜひご家庭でも作ってみてください。

書籍情報

日本の食生活全集2 聞き書 青森の食事

著者:青森の食事編集委員会編
出版:農山漁村文化協会(農文協)

日本の食生活全集とは:おばあさんからの聞き書きで、各県の風土と暮らしから生まれた食生活の英知、消え去ろうとする日本の食の源を記録し、各地域の固有の食文化を集大成する書籍。四季の食事に加えて、救荒食、病人食、妊婦食、通過儀礼の食、冠婚葬祭の食事等を記録している。

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