連載
posted:2022.1.31 from:高知県高知市 genre:旅行 / 食・グルメ
PR 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉 宝酒造が発行するWEBマガジン『酒噺』とのタッグで展開する「和酒を楽しもうプロジェクト」シーズン5。タカラ「焼酎ハイボール」の最高のアテを探しに、酒ライターの岩瀬大二さんが全国の商店街へ足を運びます。
writer profile
Daiji Iwase
岩瀬大二
いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆
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撮影:黒川ひろみ
全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
酒ライターの岩瀬大二さんが、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う
最高のアテを探すべく、全国の商店街を巡ります。
今回は、高知県高知市のひろめ市場です。
商店街を歩く。
焼酎ハイボールのアテを求めて。
美味だけではない出会いがそこにはある。
酒飲みなら一度は体感したい場所が高知には存在する。
「まずはここ」、「もう1回ここ」、「やっぱりここ」となってしまう場所。
それが高知市の〈ひろめ市場〉だ。
高知の酒とアテのショーケースでもあり、
ガイドブックにも特集されているぐらい観光的でもあるのだけれど、
ネクタイをゆるめる人、明るい笑い声の女性グループと、地元感も溢れる。
酒とは関係なく、修学旅行の中学生たちがカツオのタタキを頬張り、
高知名物であるビスケットのお土産を買う姿も微笑ましい。
テーマパークとフードコートと赤提灯がぐっと身近に感じられる。
混沌というかあけっぴろげというか、
屋内施設ではあるけれど、誰に対しても飾らないし、放っておいてくれるし、
でも、いつでもいらっしゃいという温かさがある。
観光客、地元、常連、どれも関係ない。
そうだ、商店街の良さってこれじゃないか。
長く続く道ではなく、ひとつ屋根の下にあるけれど、
ここも間違いなく、商店街なのだ。
今回も目的はもちろん焼酎ハイボールとともに楽しむアテ探し。
高知らしさは当然の条件。まずはカツオのタタキ。当然の選択だ。
もちろんひろめ市場の中でもいろいろな店がその味を競っている。
〈やいろ亭〉もそのひとつ。
生まれ育ちが昭和の関東で、親も、その親も関東の僕は、
タタキといえばしょうゆかポン酢、添えるのはショウガというイメージで育ったので、
本場の高知に来ていろいろ驚いた。
高知の王道は、塩。
添えるのはたっぷりのスライスしたニンニク。しかも厚切り。
カツオもボリュームたっぷりの厚切り。
自分が食べていたのはなんだったんだろうと、
驚きとともに答えの出ない疑問を浮かべる。
最近は高知でもいろいろなバリエーションもあるようだし、
全国で高知スタイルのカツオのタタキが食べられるようにもなった。
だからこそ、あらためて高知で王道を味わいたい。
やいろ亭は、生のカツオにこだわる。
「カツオを10キロ仕入れて気に入らないものを5キロ返品することもあります」
というのは女将の島崎恭子さん。
「もとのカツオがよくなければ、塩では食べられませんから」
ひろめ市場がオープンした時から出店したが、もともとは地元の著名ホテルの和食の店。
「ホテルの店もひろめの店も、こだわりは何も変えません」
女将と板長はその覚悟でひろめ市場にやってきた。
「観光だけのところで働きたかったわよ。それなら料理はそれなりでいいし、
気楽じゃないですか」と笑う島崎さん。すぐにキリっとした表情で続ける。
「でも、ひろめ市場は違うんです」
どういうことか?
「もともと帯屋町、地元の活性化のために生まれた場所なんです。
だから地元の良いモノをもっと“ひろめ”よう。それが目的ですから」
はりまや橋のあたりからひろめ市場までを結ぶ帯屋町のアーケード。
高知の中心街ではあるが、どのまちにもあるように、
昔のような賑わいではなく、次第にどのまちにもある店が増えていく。
便利さはもちろん大切なことだけれど、
そのまちらしさ、その商店街らしさを失わずに両立し、
時代に合った楽しさ、喜びがある商店街であってほしい。
思いは利用者側だけではなく、商店街で生きていく人たちも同じなのだろう。
思いを「ひろめる」。
生のカツオにこだわり、仕事にもこだわる。
訪れる人に味を通して喜んでいただくことと同時に
自分たちがその「ひろめる」という目的を果たすためにも。
ボリュームたっぷりのカツオのタタキに思いが詰まる。
もちろんテイクアウト決定。後ほどゆっくり噛みしめよう。
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高知らしいアテは、カツオだけではもちろん、ない。
ない、どころじゃない。いつも迷いに迷う。
酒の王国・高知は、地酒のアテの宝庫でもある。
〈珍味堂〉に行けば一目瞭然。
ひろめ市場の中でも一、二ではないかという広い間口に、
魚、柑橘、野菜、山菜などズラリと高知のアテが並ぶ。
カツオで知られる高知だが、ほかの魚も豊富。
サバ、アジは一級品。長い海岸線、西と東で魚も変わる。
さらに高知は森林面積の割合が8割を超え全国1位。
地図を見れば、横長の高知で南側はすべて海に面しているが
その分、北側もすべて森林が続く、緑の県でもある。
山林があれば清流もある。特に四万十は美食の宝庫。
イワシの稚魚の「どろめ」や、室戸名物のうつぼと珍味の類も多い。
こうしたものの味を知るためには地酒もいいが、定点観測もいい。
そう、いつもの酒で味わうことでローカルのうまいものが際立つ。
ということで焼酎ハイボールを思い出しながら選ぶとしよう。
高知に来ると酒は文化だと感じられる。
酒を心の底から楽しむ文化があるんじゃないか。
高知の人たちは老若男女を問わず、僕にとっては酒を楽しむ“パイセン”。
いろいろな楽しみ方を見つけ、明日の元気にする天才たち。
過言ではない気がするのだ。
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飲んで、〆に屋台の餃子。これも文化。
昭和45年に生まれた〈安兵衛〉から始まったこの高知スタイルは、
いまではすっかり定着。今も屋台は健在で、
ひろめ市場のこちらの店も、変わらぬ思いとこだわりがある。
餃子の餡も創業当時から変わらず、高知県産のニラとショウガにこだわり、
機械を使わず手作業で餡を練り毎日仕込みをしている。
屋台文化が色濃く残る高知、
屋台餃子の発祥地であり、現在もそれを担う〈屋台安兵衛〉と何も変わらないと、
店の人は言う。ひろめ市場は、ひろめる場所なのだから。
旅先では、宿泊しているホテルでの部屋飲みも楽しみのひとつ。
ひろめ市場での余韻を持ち帰って、
さて、焼酎ハイボールとともにいただこう。
まずはカツオのタタキ。
あらためて……このぶ厚さよ。
見た目だけじゃなくて、食べた瞬間に、そのぶ厚さを実感する。
豪快=高知との連想が頭に浮かぶが、それだけじゃない。うまい
この時期は戻りガツオもそろそろ名残。
甘みととろける舌触りが、むしろ上品。
このテクスチャーが焼酎ハイボールのベースである焼酎と絡むのだからたまらない。
まろやかな取り合わせを、シンプルな塩味がぐっと引き締めれば、
厚く大きく切ったニンニクのパンチと、
焼酎ハイボールのガツンと、しかし爽快な飲み口というタッグが追いかけてくる。
豪快さと上品さの間を行ったり来たり、揺さぶられながら、目を閉じる。
うつぼ、どろめ、餃子と、高知の珍味と文化も、
いつもの焼酎ハイボールがあれば、今いるこの場所と自分の世界とを自由に旅できる。
自分たちの価値をひろめる。
だから僕らも出会える。
全国に、自らの価値を知り、ひろめようとする商店街はまだまだきっとある。
そこでまた焼酎ハイボールを味わおう。
ガツンときて、ウマい! も実感。飲みごたえも存分。それが下町スタイル。
東京・下町生まれの元祖チューハイ(焼酎ハイボール)の味わいを追求。
キレ味と爽快感、ガツンとくる喜びを強炭酸、甘味料ゼロのテイストで、
うまみと飲みごたえは、宝ならではの焼酎と、7%という絶妙なアルコール度数で。
下町の大衆酒場で愛されるスタイルだからいろいろな肴にぴったり。
糖質ゼロ、プリン体ゼロもうれしいひと缶です。
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*価格はすべて税込です。また、ひろめ市場では、缶チューハイ、缶ビール等のドリンク類及び、食べ物につきましては、外からの持ち込みは禁止となっておりますのでご注意ください。
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