連載
posted:2021.11.29 from:東京都北区 genre:食・グルメ
PR 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉 宝酒造が発行するWEBマガジン『酒噺』とのタッグで展開する「和酒を楽しもうプロジェクト」シーズン5。タカラ「焼酎ハイボール」の最高のアテを探しに、酒ライターの岩瀬大二さんが全国の商店街へ足を運びます。
writer profile
Daiji Iwase
岩瀬大二
いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆
全国の商店街には、その土地を物語る魅力がいっぱい!
そこでしかお目にかかれないおいしいものとの出合いも楽しみのひとつです。
酒ライターの岩瀬大二さんが、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉に合う
最高のアテを探すべく、全国の商店街を巡ります。
これぞ! というアテをテイクアウトして、焼酎ハイボールとの相性をレポート。
思わず喉が鳴る至極の組み合わせをご覧あれ!
今回は、東京都北区の十条銀座商店街です。
商店街を歩く。
焼酎ハイボールのアテを求めて。
美味だけではない出合いがそこにはある。
今回訪れる十条銀座商店街は、
戸越、砂町と並ぶ「東京三大銀座(商店街)」と称されている。
規模、活気に加え、多くの人々に愛され、
創意工夫を受け継いできた伝統が認められてきたからこその称号か。
そして、人気の商店街は、たくさんの店がひしめくというだけではなく、
なかでも「これを求めにきた」というアイコン的な逸品がある。
十条銀座商店街で言えば、そのひとつが〈鳥大〉の「チキンボール」だろう。
しかも間違いなく焼酎ハイボールに合うはずという予感へ、
長年の「酒場感」「酒嗅覚」が導いてくれる。
平日の午後1時、
最寄り駅であるJR埼京線十条駅北口改札を出る。
右手に30秒ほど歩けばもうアーケードの入口だ。
JR埼京線というと東京と埼玉のベッドタウンを結ぶ通勤電車で、
高架が続く高速鉄道のイメージもあるが、
池袋から赤羽の間は、東京ながらどこかのんびりとしたローカル駅の風情があり、
周辺は昭和と下町の名残もある。
その中にあって十条銀座商店街のアーケードの入口も慎ましやか。
雑居ビルに挟まれた入口はそれほど間口も広くなく、
ここが「三大」と言われている場所とは思えない。
だが、いざ入口に立てば、驚きの光景が広がる。
駅側からは見えず、感じなかった商店街の活気が一気に押し寄せてきたのだ。
アーケードはこういう時に劇場感もある。
平日の昼だが、学校が多いという土地柄か、中・高校生たちから、
人生のベテラン勢まで、多くの人が行き交う。
地元のスーパー的な役割を担っていそうな八百屋、魚屋など日常を支える店が多く、
また惣菜店の多さも印象的だ。
加えて飲食店や和菓子店も店先にテーブルを出し
ずらりと商品を並べているから余計に活気を感じる。
どうにもたまらなくなって途中で寄り道。
煮物や和え物などの手づくり総菜が揃う〈おおつや〉さんにふらりと入れば、
アテにも白飯のお供にも垂涎のラインアップ。
うれしいタイムロスだが行列必至と言われるチキンボール。
ちゃんと向かわなくては。
十条商店街の中ほどまで歩むと、右手に開けた道がある。
そこを曲がると10人ほどの行列ができている。そこが鳥大。
もともと鶏肉の専門店。その技術と徹底した品質管理が認められ、
店で鳥をさばいて売ることができる免許を持つプロフェッショナルの店だ。
それがチキンボールをきっかけに、
鶏肉を使った総菜の人気店としても知られるようになった。
行列に並ぶ人たちもチキンボールだけではなくそれぞれのお目当ての総菜があって、
「チューリップ」「チキンしゅうまい」「ねぎま串」「手羽中」と次々に注文の声が飛ぶ。
さて、お目当てのチキンボールだ。
ざっくりいえば鶏ミンチにおからをまぜ、衣をまとわせ揚げたもの。
さくっとした嚙み心地、中はふわふわ、あつあつ。
旨みはしっかりあるけれど後味はあっさり。ソース不要。いくらでも食べられそう。
驚くのはそのお値段。1個10円。しかも税込み。
サイズは小さいけれど食べてみればそんな値段をつけていいわけがない、と思う。
鳥大の2代目、大杉雄造さんによれば多い時には1日1万個平均で売れていたのだという。
「一度に500個とかの注文もありました」(大杉さん)と言うから驚き。
それだけ売れているのなら、当然機械でつくっているのだろうと思ったら、
なんと、練りこむ工程から揚げるまですべてが手づくり。
それも1日何度も店の厨房でつくられるという。
信じられない気持ちで工程を見せていただくと、
「目にもとまらぬ」ってこういうことを言うのかという速さで、
どんどんボールの原型がフライヤーに投げ込まれていく。
もうひとつフレーズを重ねれば「ちぎっては投げ、ちぎっては投げ」。
その様子にただただ感心。
「ただ、ぶっちゃけ儲からないんですよ」と大杉さんは屈託なく笑う。
チキンボールが生まれて30年ほど。
原価も高騰するなか、ずーっと変わらぬ10円を守るために四苦八苦。
現在は1日5000個限定、ひとり30個まで、ほかの商品も併せて購入
といった制限を設けながらも、それでもつくり続けるのはお店の事情だけではないらしい。
「商店街の会長さんとも話していたんですが、
チキンボールがきっかけでここに来た人も多い。
メディアで取り上げてくださる際も商店街の代表的なものとして紹介してもらえる。
だから、うちの店のものというより、商店街のためにも続けていこうと思うんです」
「十条銀座は味の目利きも多く、惣菜店も高いレベルで競争してます」と大杉さん。
「でも、気取ったまちじゃないので、気軽に来ていただきたいです」
チキンボールを頬張って、レベルの高い惣菜店を巡る。
アテ探し中に満腹にならないように。
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十条銀座商店街をまっすぐ進みアーケードを出ると、
そこからもお店が続く。アーケードの活気とは一転、のんびりムード。
そこにあるのが餃子専門店〈だいわ 十条店〉。
焼き餃子、生餃子はすべてお持ち帰り専用。
のんびりしたまち並みではあるけれど、
こちらも1日2000個~3000個、一日中つくりっぱなしという人気店。
店頭で焼いては具を皮に包み、それを焼いてはまた具を包む。
「このあとでき上がりは、焼きで1時間後、生で30分後ぐらいですかね」
と、ずーっと手を動かしながら
店主の根本喜之さんは少し申し訳なさそうにお客さんに答える。
先に注文していたこちらも気長に店頭で待つことにしよう。
道に広く開かれた店。
これまで何十万個の餃子を焼いてきたであろう鉄鍋に
また新たな餃子が並べられ、頃合いになった頃にそこに油が注ぎ込まれた瞬間、
ジューっというはずむ音とともに、
皮と肉の脂が一体となった甘く、少しスモーキーな香りが通りにもあふれ出す。
これを嗅いでしまったら、引き寄せられてしまうのは必須だ。
いや、もうこの香りで焼酎ハイボールが飲める。
逆にこの開かれた場所から、包みながら、焼きながら、
根本さんはここを通る人、そしてまち並みを見続けてきた。
「父の代から51年。建物が増えたり、減ったり、ずいぶん変わりましたね。
でも小さい頃うちの餃子を食べてくれていた子どもが、30歳になって、
今度は自分の子どもを連れて、同じ餃子を食べてくれる。
同じ場所でこの商売をやってきてそれがうれしいですよ」
ときには焼き餃子を待って、ときには生餃子を買って家で焼く。
それはその家族の思い出の香り。
商店街で長く店をやっているということは、それだけ、
いろいろな人たちの幸せな時間をつくってきたということ。
だいわの餃子が長く愛される理由を根本さんは
「うちのはね、シンプルな、本当に餃子らしい餃子。それはずーっと変わりません」
後日、家で焼きあげた餃子をひと口。
肉汁が出すぎず、しっかり大ぶりの具の中でほどよく一体化している。
豚肉、ニラなどの具材はそれぞれの旨みをちゃんとそれぞれが主張。
上品ぶってもいないし、ギミックもない。
無理に調和もさせていないのになんとも仲良く収まっている。
「あの頃食べた餃子」。きっと多くの人が共有できる餃子だと思う。
その余韻に焼酎ハイボールをグビり。甘みがふくよかに広がり、
肉と皮がまとった脂が、のどをじわっと通っていく。思わず目を閉じて、唸る。
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今回もたくさんのおいしい収穫を手にした帰り道。
気分が良くなって散策ついでに隣駅の赤羽へと歩み、荒川の土手に出る。
少し冷たくなった晩秋の風がむしろ心地よい。
チキンボールは冷めても、いや冷めるとまた違ううまさがある。
ふわふわ、あつあつをぐっと冷えた焼酎ハイボールで煽るのもいいけれど、
今日はノスタルジック系。子どもの頃の夕焼けを思い出す。
もちろんあの頃は飲んでいるはずもないのだけど、不思議な感覚だ。
遠慮なくゴクっと大きな音を立てて焼酎ハイボールを飲み、
またチキンボールをひとつまみ。
焼酎ハイボールの余韻をふーっと秋空に乗せる。
夕暮れ、帰路につく人たちを乗せ、荒川を渡る電車を見れば、
だいわの餃子や、おおつや、鳥大の総菜を誰かがひとりで、家族で、
笑顔でつつく映像が浮かんだ。もちろん妄想なのだけど。
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ガツンときて、ウマい! も実感。飲みごたえも存分。それが下町スタイル。
東京・下町生まれの元祖チューハイ(焼酎ハイボール)の味わいを追求。
キレ味と爽快感、ガツンとくる喜びを強炭酸、甘味料ゼロのテイストで、
うまみと飲みごたえは、宝ならではの焼酎と、7%という絶妙なアルコール度数で。
下町の大衆酒場で愛されるスタイルだからいろいろな肴にぴったり。
糖質ゼロ、プリン体ゼロもうれしいひと缶です。
information
おおつや
住所:東京都北区十条仲原1-5-7
TEL:03-3908-1235
営業時間:10:30~19:00
定休日:日曜
information
鳥大
住所:東京都北区十条仲原1-4-11
TEL:03-3905-1414
営業時間:10:00~20:00
定休日:日曜・祝日(連休などは不定休)
information
だいわの餃子
住所:東京都北区十条仲原2-2-3
TEL:03-3906-3731
営業時間:13:00~20:00
定休日:水曜
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もっとお酒が楽しくなる情報「酒噺」
*価格はすべて税込です。また、取材にご協力いただいた3店は、新型コロナウイルス感染症予防対策などで営業時間を変更している場合もあります。最新情報は、各店舗にお問い合わせください。
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